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止まらない湘南ベルマーレ、去年のどん底から復活した理由は?

止まらない湘南ベルマーレ、去年のどん底から復活した理由は?

湘南ベルマーレの復調は、単なる「降格組の地力」では片づけにくい。2026年4月12日時点で、明治安田J2・J3百年構想リーグ EAST-Aグループの湘南は公式成績で8勝2敗、19得点7失点、得失点差+12。開幕戦でブラウブリッツ秋田に1-2で敗れた後、90分では9試合続けて負けていない。

理由を先に言えば、長澤徹監督の結果優先の整理、センターラインの固定、前線の得点分散が同時に進んだことが大きい。去年の湘南はJ1で19位、38試合36得点63失点。攻守のどちらか一方ではなく、試合を壊さない土台そのものを作り直す必要があった。

  • 2025年J1:19位、8勝8分22敗、36得点63失点、得失点差-27
  • 2026年4月12日時点:EAST-Aグループ2位、8勝2敗、19得点7失点、得失点差+12
  • 山田寛人が10試合5得点、袴田裕太郎と武田将平は10試合900分出場
  • 直近の秋田戦は袴田裕太郎の得点で0-1勝利。シュート数では秋田13本、湘南5本だったが勝ち切った
目次

何が起きているか:降格後の湘南は「勝ち方」を変えた

2025年の湘南は、J1で19位に沈んだ。Jリーグ公式の2025年順位表では、8勝8分22敗、36得点63失点。得失点差は-27だった。

この数字で目立つのは、得点不足だけではない。63失点は、1試合平均で約1.66失点。勝点を拾う前に、試合のどこかで失点が重くのしかかる構造だった。

そこから2026年は、長澤徹監督が就任。クラブ公式の就任発表で長澤監督は「目の前の一試合、一つひとつの結果」にこだわる姿勢を示している。いまの湘南は、その言葉どおり派手な支配率や大量得点に寄せるより、まず勝点を取り切るチームに変わっている。

直近10試合の流れ

J.League Data Siteの記録では、湘南のここまでの流れは次の通りだ。

  • 第1節:湘南 1-2 秋田
  • 第2節:湘南 4-0 相模原
  • 第3節:湘南 1-0 八戸
  • 第4節:栃木C 1-3 湘南
  • 第5節:仙台 1-1 湘南(PKで敗戦扱い)
  • 第6節:湘南 2-1 山形
  • 第7節:群馬 0-2 湘南
  • 第8節:横浜FC 1-3 湘南
  • 第9節:湘南 1-1 栃木SC(PKで勝利扱い)
  • 第10節:秋田 0-1 湘南

開幕戦の敗戦後、90分で崩れた試合がない。ここが去年との一番の違いだ。

ここがポイント: 湘南の復活は「攻撃が急に爆発した」よりも、「失点を抑えながら複数の選手が点を取れる形を作った」ことにある。

復活の理由1:長澤徹監督がチームを勝点基準に戻した

長澤監督の経歴を見ると、FC東京、磐田、岡山、京都、大宮などでトップチームと育成年代の両方に関わってきた。湘南公式のプロフィールでも、2015年から2018年までファジアーノ岡山を率いたこと、2024年から2025年9月まで大宮を指揮したことが確認できる。

湘南に必要だったのは、理想の再定義より先に、試合を落とさない手順だった。

具体的には、今季の湘南は次の点がはっきりしている。

  • 先発の軸を大きく崩さない
  • 1点差の試合を勝ち切る
  • 前線を固定しすぎず、途中投入の選手にも得点機会を残す
  • PK戦を含む特殊なレギュレーションでも勝点を拾う

第10節の秋田戦は象徴的だった。湘南はシュート5本、CK1本。秋田はシュート13本、CK9本。それでも62分の袴田裕太郎の得点を守り切り、0-1で勝った。

内容で圧倒した試合ではない。だが、去年の湘南に足りなかった「苦しい展開でも勝ち切る」試合だった。

復活の理由2:センターラインが安定している

湘南の成績を支えているのは、前線だけではない。J.League Data Siteの出場記録では、袴田裕太郎と武田将平が10試合900分に到達している。

この2人が毎試合ピッチに立っている意味は大きい。

袴田裕太郎:守備の固定点であり、得点者でもある

袴田は10試合フル出場に加え、秋田戦で決勝点を記録した。守備側の選手が毎試合出続け、なおかつ勝負どころで得点する。これは短期リーグではかなり大きい。

湘南は10試合で7失点。2025年J1の63失点から見ると、まず失点ペースを抑える方向にチームが寄っている。

武田将平:中盤の試合管理役

武田も10試合900分。湘南が試合ごとに前線の組み合わせを変えながら崩れていないのは、中盤に毎試合同じ基準を出せる選手がいるからだ。

攻撃の名前だけを追うと見落としやすいが、武田の連続フル出場は、長澤湘南の安定を読むうえで外せない数字だ。

復活の理由3:得点が一人に偏っていない

10試合19得点という数字以上に重要なのは、点を取っている選手の広がりだ。

J.League Data Siteの出場記録では、山田寛人が5得点でチーム最多。さらに、アルトゥール・シルバ、田村蒼生、渡邊啓吾、石井久継がそれぞれ2得点を挙げている。

これは相手から見ると厄介だ。

  • 山田寛人:10試合5得点。先発でも途中出場でも得点に絡む
  • 渡邊啓吾:横浜FC戦で65分に得点、第10節も先発
  • 田村蒼生:横浜FC戦では途中出場から88分に得点
  • 石井久継:第2節相模原戦で2得点
  • アルトゥール・シルバ:中盤から2得点
  • 袴田裕太郎:秋田戦の決勝点

去年の湘南は38試合で36得点。1試合平均は0.95点だった。今季は10試合19得点で、1試合平均1.9点。カテゴリーや大会形式の違いはあるが、少なくとも「1点が遠い」状態からは抜け出している。

特に横浜FC戦は、太田修介、渡邊啓吾、田村蒼生が得点して1-3勝利。先発の太田と渡邊が点を取り、途中出場の田村が終盤に仕上げた。これが今の湘南の強みだ。

ただし、手放しで楽観はできない

好調でも、課題は残る。第10節の秋田戦は勝ったが、シュート数は13対5で秋田が上回った。第9節の栃木SC戦も1-1からPK戦までもつれている。

つまり、湘南は強くなった一方で、まだ毎試合を支配して勝っているわけではない。

今後の注目点は次の3つだ。

  • シュート数で劣る試合をどこまで減らせるか
  • 山田寛人以外の得点ペースを維持できるか
  • 袴田裕太郎、武田将平の連続稼働に負荷が出たとき、代役で同じ安定を出せるか

2026年の湘南は、去年のどん底から「勝てる形」を取り戻した。だが、本当に復活と言えるかは、主力の疲労が出る連戦、そして上位直接対決で同じ勝ち方を再現できるかにかかっている。

次に見るべきは、4月18日の相模原戦と4月25日の相模原アウェイ戦を含む残り日程で、湘南が1点差の試合を偶然ではなく習慣にできるかだ。

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