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3得点を1本に集中させた御殿場キャンプ 松本山雅FCが開幕前に磨いた「仕留める時間」

御殿場の緑のピッチで夏季トレーニングに取り組むサッカーチーム。

3得点を1本に集中させた御殿場キャンプ 松本山雅FCが開幕前に磨いた「仕留める時間」

松本山雅FCの2026年夏季キャンプで最も目を引く結果は、ヴィアティン三重とのトレーニングマッチで記録した3-0だ。

3本制のうち得点が生まれたのは2本目だけ。力安祥伍、金子翔太、村上陽斗が24分間に3点を重ねた。一方、キャンプ最終日の水戸ホーリーホック戦では0-2で敗れている。長いシーズンを戦ううえでは、優勢な時間を得点へ変える力とともに、試合終盤まで攻守の強度を保つことが重要になる。

この記事で分かることは次の通り。

  • 御殿場キャンプの日程、開催地、公開方針
  • ヴィアティン三重戦で3得点が集中した意味
  • 水戸ホーリーホック戦を含む開幕前の対外試合で見えた成果と課題
  • 2026/27明治安田J3リーグ開幕後に見るべきポイント
目次

6月29日から御殿場で12日間の強化期間

松本山雅FCは、リーグ開幕前の実戦とチーム構築を進める場として御殿場キャンプを組んだ。

クラブが6月18日に発表した当初日程は、6月29日から7月10日まで。キャンプ地は静岡県御殿場市の時之栖裾野グラウンドで、練習とトレーニングマッチを組み合わせた。

主な公式情報を時系列で整理すると、次のようになる。

  • 6月23日:信州グリーンフィールドかりがねで2026/27シーズンの初練習を実施
  • 6月29日:御殿場キャンプ開始
  • 6月30日:クラブが「1日目」のキャンプレポートとトレーニング映像を公開
  • 7月4日:ヴィアティン三重とトレーニングマッチ
  • 7月10日:当初発表されたキャンプ最終日
  • 7月11日:クラブが「12日目」のキャンプレポートを公開し、水戸ホーリーホックとのトレーニングマッチ結果も発表

クラブはキャンプ期間中、日ごとのレポートを継続して公開した。1日目と3日目にはトレーニング映像も案内されており、チームの立ち上げを追える形になっている。

一方、戦術練習、セットプレー、ビブス分け、リハビリ中の選手などについては、見学者によるSNSやインターネットへの公開が禁止された。対戦相手へ情報が渡ることを防ぐための運用であり、公開練習であってもチーム内部の細部まですべて開示されたわけではない。

ここがポイント:公開された結果から読み取れるのは、各試合のスコアや得点時間などに限られる。配置や戦術上の狙いを決めつけず、開幕後の試合で再現性を確かめる必要がある。

ヴィアティン三重戦は「得点をまとめて奪えた」ことが収穫

3-0というスコア以上に重要なのは、得点機を連続してものにした時間帯があったことだ。

7月4日のトレーニングマッチは裾野Aグラウンドで行われ、松本山雅FCがヴィアティン三重に3-0で勝利した。試合は3本制。1本目と3本目は0-0で、3得点はすべて2本目に集中した。

24分間で異なる3選手が得点

2本目の得点者と時間は次の通りだ。

  • 6分:力安祥伍
  • 17分:金子翔太
  • 30分:村上陽斗

最初の得点から3点目まで24分。しかも、得点者は3人に分かれた。

これは一人の決定力だけに依存しなかったという意味で前向きな材料になる。リーグ戦では特定の選手が厳しく警戒される。複数の攻撃参加者が得点に絡めれば、相手は守備の焦点を絞りにくい。

ただし、残る2本は無得点だった。得点が分散した一方、得点できる時間帯は分散しなかったとも捉えられる。3本を通して主導権を握れたのか、選手交代や組み合わせによって攻撃の質がどう変わったのかは、公開されたスコアだけでは断定できない。

だからこそ開幕後は、先制前の時間と得点直後のプレーに注目したい。1点を奪ったあとに相手を押し返し、2点目、3点目へつなげられるなら、御殿場で見せた集中得点はチームの武器になる。

無失点も軽視できない

3本を通して失点を許さなかった点も収穫だ。

攻撃陣が得点した2本目だけでなく、無得点だった1本目と3本目も0-0で終えた。ゴールが生まれない時間に守備を崩さず、試合を壊さなかったことは、接戦が増えるリーグ戦で価値を持つ。

一方で、トレーニングマッチは出場メンバー、交代方法、試合時間などが公式戦と異なる場合がある。3-0をそのままリーグ戦の力関係へ置き換えるのではなく、攻守の基準を作る途中で得た確認材料として見るのが適切だ。

石﨑信弘監督のもとで競争を実戦へつなげる期間

キャンプの役割は、練習量を増やすことだけでなく、選手の組み合わせを実戦で試すことにあった。

松本山雅FCは6月23日、約200人のファン・サポーターが見守る中、信州グリーンフィールドかりがねで新シーズンの初練習を行った。チームは石﨑信弘監督のもとで始動し、その6日後に御殿場へ移った。

初練習からキャンプ開始までの間隔は短い。新しいシーズンの土台を作りながら、早い段階で対外試合へ進む日程だった。

得点者の分散が起用の選択肢を広げる

ヴィアティン三重戦では、力安祥伍、金子翔太、村上陽斗が得点した。役割の異なる選手がゴールを記録したことは、攻撃時の選択肢を考えるうえで意味がある。

さらに、キャンプ後の7月25日に行われたヴァンフォーレ甲府とのプレシーズンマッチでは、村上陽斗、樋口大輝、高野遼が得点。松本山雅FCが再び3-0で勝った。

両試合で得点したのは村上陽斗だけで、計5人が6得点を分け合った。公式戦開幕前の段階で、複数の選手がゴールという結果を残したことになる。

特に村上陽斗は、キャンプ中のトレーニングマッチとキャンプ後のプレシーズンマッチの双方で得点した。単発の結果ではなく、異なる相手との試合で続けてゴールを記録した点が注目材料だ。

競争はキャンプ終了時点で完結しない

甲府戦では先発11人に加え、9人がリザーブ入りし、試合中に複数の交代が行われた。得点者だけでなく、誰がどの時間帯で起用されるかも開幕メンバーを考える材料になる。

キャンプ後には、次のような動きもあった。

  • 7月16日:松本山雅FC U-18の岡健太をトップチーム登録(2種)
  • 7月24日:2026/27シーズンのキャプテン、副キャプテンを発表
  • 7月25日:甲府とのプレシーズンマッチで3-0勝利

つまり、御殿場キャンプは完成形を決める場というより、開幕へ向けた競争の基準を作る場だった。若手を含む選手層、試合中の交代、得点への関与を、キャンプ後の実戦まで継続して評価する流れが見える。

水戸戦を含む開幕前4試合が示した成果と課題

開幕前の対外試合では2度の無失点勝利を記録した一方、2試合を無得点で落としており、攻撃の再現性と終盤の守備に課題を残した。

ヴィアティン三重戦から甲府とのプレシーズンマッチまで、クラブ公式サイトで結果が発表された主な対外試合は次の通りだ。

  • 7月4日:ヴィアティン三重戦 3-0
  • 7月11日:水戸ホーリーホック戦 0-2
  • 7月18日:カターレ富山戦 0-1
  • 7月25日:ヴァンフォーレ甲府戦 3-0

4試合の成績は2勝2敗、計6得点3失点。3得点を挙げた試合が二つある一方、残る二つは無得点だった。合計得失点だけでは見えにくい試合ごとの振れ幅があり、キャンプの成果を評価するには勝利と敗戦の両方を見る必要がある。

水戸戦は3本目に2失点

7月11日の水戸ホーリーホック戦は、嬬恋村運動公園陸上競技場で30分×3本の形式で行われ、松本山雅FCが0-2で敗れた。

1本目と2本目はともに0-0だったが、3本目の10分と26分に失点した。水戸側の公式発表による得点者は谷口海斗とパトリッキ。両クラブとも試合結果を公式サイトで公開している。

無失点で進めた60分間は守備面の材料になる一方、3本目に2点を許し、攻撃では3本を通して得点できなかった。ヴィアティン三重戦で示した集中得点を次戦では再現できず、時間の経過や選手構成の変化がある中でも攻守の水準を保つ必要性が表れた。

富山戦でも終盤に失点

7月18日のカターレ富山戦も3本制で、1本目と2本目が0-0。3本目の45分に失点し、合計0-1で終わった。

水戸戦に続いて3本目に失点し、2試合連続で無得点となった。ヴィアティン三重戦では2本目に3点を集中させたが、その成功が自動的に続くわけではないことを示す結果だ。

同時に、水戸戦と富山戦はいずれも最初の2本を無失点で終えている。試合を壊さず進める守備と、動かないスコアを攻撃側から変える力に加え、終盤まで守備の強度を落とさないことが課題になる。

甲府戦では先制から追加点までつながった

7月25日の甲府戦では、村上陽斗が8分に先制。樋口大輝が30分、高野遼が60分に加点し、3-0で勝利した。

この試合では前半と後半の双方で得点が生まれた。ヴィアティン三重戦のような短時間の集中得点とは異なり、試合の経過に沿って点差を広げている。

開幕前4試合の流れを整理すると、次の三つが見えてくる。

  • 勝利した2試合では複数選手が得点し、一人に依存しない攻撃が結果につながった
  • 敗れた2試合はいずれも無得点で、攻撃の再現性に課題を残した
  • 3本制の2試合で終盤に失点しており、試合を通した強度の維持も確認点となる

結果には明確な強弱がある。だから評価すべきなのは「3得点した試合が二つある」という数字だけではない。相手や起用が変わっても、先制点までの道筋と追加点を奪う圧力を保ち、得点できない時間帯には失点を防げるかどうかだ。

8月8日のJ3開幕戦で何を見るべきか

御殿場で作った基準が本物かどうかは、公式戦で得点の時間帯と選手層をどう結びつけ、試合終盤まで攻守の強度を維持できるかで決まる。

松本山雅FCは8月8日、2026/27明治安田J3リーグ第1節で高知ユナイテッドSCと対戦する。会場はGIKENスタジアム、キックオフは19時。続く第2節は8月16日、サンプロ アルウィンでレイラック滋賀FCを迎える。

開幕後の注目点は三つある。

  • 先制後の攻撃:ヴィアティン三重戦や甲府戦のように、1点で止まらず追加点を奪えるか
  • 無得点時の修正:水戸戦や富山戦のようにスコアが動かない局面で、交代や配置変更によって流れを変えられるか
  • 終盤の守備:試合が進み、選手交代が重なる中でも集中力と守備の強度を保てるか

キャンプ中の練習内容は対外的に制限されており、公開情報だけで戦術の完成度を断定することはできない。それでも、3-0、0-2、0-1、3-0という四つの結果は、松本山雅FCの現在地を端的に映している。

仕留める時間を作れた試合では、異なる選手が得点した。作れなかった試合では最後までゴールを奪えず、いずれも3本目に失点した。開幕戦でまず見るべきなのは、御殿場で示した集中力を90分のどこで発揮し、無得点の時間や試合終盤をどう乗り越えるかだ。

練習日程や公開範囲は、天候や選手のコンディションなどで変更される場合がある。現地で見学する際は、クラブ公式サイトのトップチームスケジュールと公式SNSで当日の情報を確認してほしい。

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