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FC今治の室蘭キャンプ総括|J1勢との3試合で見えた「攻撃の構築」という宿題

北海道室蘭のピッチで夏季キャンプに取り組むFC今治をイメージした風景。

FC今治の室蘭キャンプ総括|J1勢との3試合で見えた「攻撃の構築」という宿題

FC今治は2026年7月11日から26日まで、北海道室蘭市を拠点に夏季トレーニングキャンプを実施した。

最大の焦点は、アベル・モウレロ監督の下で進める攻撃の再構築だ。キャンプ中はJ1クラブとのトレーニングマッチ3試合で計3得点、12失点。札幌大学戦では10得点を挙げたが、強度の高い相手からどう得点機を増やすかという課題は、8月9日のJ2開幕戦へ持ち越された。

この記事で分かること

  • 室蘭キャンプの日程と公開範囲
  • 4試合のトレーニングマッチ結果
  • J1勢との対戦が示した攻撃面の課題
  • 2026/27シーズン開幕後に確認したいポイント
目次

16日間の室蘭キャンプで実戦を4試合配置

FC今治は公開練習と非公開日を挟みながら、異なる特徴を持つ4チームとの実戦を組み込んだ。

キャンプは7月11日のアシックス里山スタジアムでの出発式から始まり、同26日の移動日まで行われた。主会場は北海道室蘭市の日鋼室蘭スポーツパーク。7月12日、15日、18日、20日、23日には公開トレーニングが設定され、それ以外には非公開練習やトレーニングマッチが組まれた。

クラブが当初示した開催地選定の理由は、夏場でも比較的調整しやすい気候と、準備に集中できる環境だった。室蘭市の青山剛市長は、参考値として7月の日平均気温23.2度、日最高気温の平均26.9度を紹介。株式会社今治.夢スポーツの矢野将文社長も、8月開幕へ向けて良い準備を進める意向を示していた。

キャンプ中の主な日程

  • 7月11日:キャンプ出発式、室蘭へ移動
  • 7月12日:公開トレーニング
  • 7月14日:名古屋グランパス戦
  • 7月15日:公開トレーニング
  • 7月17日:東京ヴェルディ戦
  • 7月18日、20日:公開トレーニング
  • 7月22日:ヴィッセル神戸戦
  • 7月23日:公開トレーニング
  • 7月25日:札幌大学戦
  • 7月26日:移動日

公開練習後にはファンサービスも設けられた。一方、トレーニングマッチではファンサービスを実施せず、練習や試合内容の撮影・Web投稿も制限された。チーム作りに必要な非公開領域を確保しながら、現地のファンがチームに触れられる日を複数残した形だ。

J1勢との3連戦は3得点12失点

実戦結果で重く見るべきなのは、3敗そのものより、J1クラブを相手に得点が各試合1点にとどまったことだ。

キャンプ中に公表された4試合の結果は次の通りだった。

  • 7月14日 名古屋グランパス戦:1-3
  • 45分×3本
  • 1本目1-2、2本目0-0、3本目0-1
  • 得点者:森晃太
  • 7月17日 東京ヴェルディ戦:1-3
  • 45分×3本
  • 1本目0-0、2本目1-2、3本目0-1
  • 得点者:練習生
  • 7月22日 ヴィッセル神戸戦:1-6
  • 30分×4本
  • 1本目0-1、2本目0-1、3本目0-2、4本目1-2
  • 得点はオウンゴール
  • 7月25日 札幌大学戦:10-2
  • 30分×4本
  • 1本目3-0、2本目2-2、3本目1-0、4本目4-0
  • 林誠道が3得点。山田貴文、持井響太、新井光、古山兼悟、森晃太、孫大河、練習生も得点

4試合の合計は13得点14失点だが、この数字だけでは内容を捉えにくい。J1の3クラブとの試合に限れば3得点12失点で、札幌大学戦では10得点2失点。相手のカテゴリーと試合形式が異なるため、単純な平均値よりも、高い強度を受けたときに得点数が伸びなかった事実を見るべきだろう。

名古屋戦と東京V戦で続いた「終盤の失点」

名古屋戦では1本目に森晃太が得点したものの、3本目にも失点して合計1-3。東京V戦は1本目を0-0で終え、2本目の練習生による得点で一度は動きを作ったが、2本目の終盤と3本目に失点した。

公式発表にはシュート数、ボール保持率、起用配置などの詳細がない。そのため、失点原因を守備方式や個人の判断に結びつけることはできない。ただし、複数本にわたる試合で終盤にも失点した結果は、メンバーを入れ替えた後を含めて試合強度を保つことが確認項目になったと示している。

神戸戦では全4本で失点

神戸戦は30分×4本のすべてで失点し、合計1-6だった。FC今治の得点もオウンゴールであり、自軍選手の得点は記録されていない。

この試合はキャンプの現在地を測るうえで最も厳しい材料となった。監督交代後の短い準備期間で、J1クラブを相手に攻撃の出口をどこまで作れるか。公式記録だけでは内容まで評価できないものの、スコアからは攻守両面の差を突きつけられた試合だったことが分かる。

最終戦の10得点は「分散」が収穫

札幌大学戦では林誠道の3得点をはじめ、公式記録上は練習生を含む8人が得点に関与した。前線の一人だけに依存せず、複数の選手がゴールを記録した点は収穫だ。

一方で、2本目は2-2。カテゴリーの違う相手に大量得点した事実と、失点を許した時間帯は分けて考える必要がある。開幕後に問われるのは、この得点の広がりをJ2の強度でも再現できるかどうかだ。

ここがポイント: 室蘭キャンプの成果は「10得点した最終戦」だけでは測れない。J1勢との3試合で計3得点だった攻撃を、開幕までにどこまで整理できるかが本当の評価軸になる。

キャンプの中心課題は新監督による攻撃の再設計

室蘭での16日間は、モウレロ監督が新チームへ考え方を落とし込むための重要な準備期間だった。

FC今治は6月11日、アベル・モウレロ・ロペス氏の2026/27シーズン監督就任を発表した。クラブの太田康介ゼネラルマネージャーは、百年構想リーグで最大の課題となったものを「攻撃の構築」と説明。その改善に加え、従来のアグレッシブな守備を発展させ、攻守で主体的にプレーする方針を示している。

6月25日のチーム始動からキャンプ初日までは約2週間。さらに8月9日のリーグ開幕までを考えても、新監督が準備できる期間は限られていた。だからこそ、室蘭でまとまった時間を確保し、J1クラブとの連戦を組んだ意味は大きい。

具体的な戦術配置は公表されていないが、結果から確認すべき論点は絞れる。

  • 相手の圧力を受けても前進し、シュートまで持ち込めるか
  • 得点を一人に頼らず、複数の位置から生み出せるか
  • 選手交代後も守備の強度と連係を維持できるか
  • 失点した後に試合の流れを取り戻せるか

モウレロ監督は7月5日の新体制発表で、ファン・サポーターが誇りに思い、背中を押したくなるチームを作りたいとの抱負を語った。その言葉をピッチ上の形へ変える最初の大仕事が、このキャンプだった。

選手間競争は得点者の広がりと新戦力の適応が焦点

ポジション争いを判断する材料は限られるが、最終戦で得点者が広がったことは開幕メンバー選考へつながる材料になる。

クラブは各トレーニングマッチのスコアと得点者を公表した一方、先発、交代、ポジション、出場時間の全容は明らかにしていない。このため、誰が序列を上げたかを断定することはできない。

それでも、林誠道が札幌大学戦で3得点し、森晃太が名古屋戦と札幌大学戦で得点したことは確認できる。持井響太、新井光、古山兼悟、孫大河、山田貴文にもゴールが生まれた。攻撃の構築を課題とするチームにとって、前線だけでなく複数の選手が得点に関与できる状態は重要だ。

キャンプ期間中には選手編成も動いた。安部裕葵の完全移籍加入は7月19日、中井卓大の完全移籍加入は7月22日にクラブから発表されている。ただし、公開された試合結果だけでは両選手のキャンプ中の出場状況や役割を確認できない。新戦力がモウレロ監督の攻撃設計へどう組み込まれるかは、開幕後の起用で見極めたい。

開幕はいわき戦、次にホームで大宮戦

キャンプの成果を最初に測る舞台は、8月9日のアウェイ・いわきFC戦だ。

2026/27明治安田J2リーグ第1節は8月9日18時キックオフ。FC今治はアウェイでいわきFCと対戦する。続く第2節は8月15日19時、アシックス里山スタジアムでRB大宮アルディージャを迎える。

キャンプ後に見るべきポイントは明確だ。

  • 攻撃の前進:J1勢との実戦で伸びなかった得点数を、公式戦でどう改善するか
  • 得点者の分散:札幌大学戦で見られた複数選手の得点をJ2でも再現できるか
  • 交代後の強度:試合終盤やメンバー変更後の失点を抑えられるか
  • 新加入選手の役割:準備期間の短い選手を、いつ、どの位置で起用するか

室蘭キャンプは、完成を示す場ではなく課題を具体化する場になった。札幌大学戦の10得点を手応えで終わらせず、J1勢に対して各1点だった攻撃をどう変えるのか。答えが最初に表れるのは、8月9日のいわき戦である。

公開練習や試合予定は天候、コンディションなどにより変更される場合がある。観覧を予定する場合は、FC今治公式サイトや公式SNSの最新案内を確認してほしい。

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