開幕連勝を懸けた強度勝負――藤枝MYFCは熊田直紀をどう止めるか
藤枝MYFCがセットプレーで先手を取り、いわきFCが高い強度と熊田直紀の決定力で押し返す。8月15日の第2節は、この対抗関係が勝敗を分けそうだ。
藤枝はベガルタ仙台に2-0、いわきはFC今治に2-1で勝利。ともに白星発進したが、第1節で示した勝ち方は異なる。最大の焦点は、藤枝が試合を設計どおりに進め、いわきの連続した圧力を受け流せるかにある。
- 藤枝は仙台戦でボール保持率39%ながら無失点勝利
- いわきは熊田直紀が後半開始から7分間で2得点
- 藤枝のセットプレーと、いわきの球際・セカンドボール争いが重要
- 両チームとも開幕2連勝が懸かる
対戦の前提――白星発進した2チームが藤枝で激突
両チームは勝点3で並ぶが、得失点差により藤枝が1位、いわきが6位で第2節を迎える。
試合は2026年8月15日(土)18時30分、藤枝総合運動公園サッカー場でキックオフ。大会は2026/27明治安田J2リーグ第2節である。
- 対戦:藤枝MYFC vs いわきFC
- 日時:2026年8月15日(土)18:30
- 会場:藤枝総合運動公園サッカー場
- 順位:藤枝1位、いわき6位
- 第1節:藤枝 2-0 ベガルタ仙台
- 第1節:いわき 2-1 FC今治
- 監督:藤枝・槙野智章監督、いわき・田村雄三監督
2023年にそろってJ2へ昇格した両クラブは、2026年前半の明治安田J2・J3百年構想リーグでも対戦した。3月は藤枝が2-1で勝ち、5月の一戦は0-0からPK戦でいわきが上回っている。互いの強度や狙いを知らない相手ではない。
藤枝は8月10日、MF行友祐翔が左第5中足骨を骨折し、復帰まで約3カ月を要する見込みだと発表した。
そのほかの負傷者や出場停止については、2026年8月14日時点で両クラブから、この試合を対象とする新たな公式発表を確認できていない。先発メンバーを含む実際の出場可否は、当日の発表を待つ必要がある。
第1節で見えた藤枝――保持率よりも試合の主導権
藤枝の開幕戦で重要だったのは、ボールを長く持つことではなく、得点する場所と時間を選べたことだ。
槙野智章監督が率いる藤枝は、仙台を2-0で破った。公式記録ではボール保持率39%、シュート10本。相手にボールを持たれる時間が長くても、無失点で90分を終えている。
先制点は12分。北原槙の左CKにDF鈴木翔太が頭で合わせた。早い時間帯にセットプレーからリードを奪ったことで、藤枝は無理に前へ出続けず、相手の攻撃を受けながら次の得点機を待てた。
73分には途中出場のFW金本毅騎が追加点。DF松田佳大のパスをペナルティーエリア内で受け、右足で仕留めた。交代選手が得点し、守備側の選手がアシストしたことは、攻撃の入口と出口が特定のポジションだけに偏っていなかったことを示す。
セットプレーは「偶然の得点」ではない
Jリーグ公式プレビューで槙野監督は、仙台戦について前半と後半でやり方を変え、準備したプランが機能したと振り返っている。セットプレーのサインも含め、相手に応じた準備を得点へ結び付けた。
いわき戦でもCKやFKは大きな得点機になる。いわきが前向きに圧力をかけるほど、背後へのパスやサイドの突破からセットプレーを得る場面は増える可能性がある。
藤枝に必要なのは、単にCKの本数を増やすことではない。
- 競り合いの強い選手をどこに配置するか
- ニア、中央、ファーのどこで相手を動かすか
- こぼれ球を誰が回収し、二次攻撃につなげるか
- セットプレー後のいわきの速攻をどう止めるか
最初の競り合いだけでなく、その次のボールまで設計できるかが重要になる。
第1節で見えたいわき――熊田直紀へ届けるまでが勝負
いわきの強みは、相手を押し下げた後も攻撃を止めず、FW熊田直紀が仕留められる地点までボールを運び続けることにある。
田村雄三監督が率いるいわきは、FC今治に2-1で勝利した。前半は0-0だったが、後半3分と同10分に熊田が連続得点。短時間で試合を動かした。
1点目はペナルティーエリア右から左足で逆側へ決めた。2点目は西谷亮のシュートが枠に当たった後、中央でこぼれ球を拾って左足で押し込んでいる。
形は違うが、共通点がある。熊田はゴール前で待つだけではなく、右側から自分でシュートコースを作り、こぼれ球にも素早く反応した。藤枝が警戒すべきなのはクロスへの競り合いだけではない。
熊田を止めるには、その手前を切る
熊田だけを複数人で囲めば、いわきの別の選手が空く。藤枝にとって現実的なのは、熊田へ届く前の段階で攻撃の速度を落とすことだろう。
観戦時には次の場面に注目したい。
- いわきが前線へ縦パスを入れた直後の競り合い
- 熊田が中央から右へ動いた際の藤枝守備陣の受け渡し
- 西谷亮らが前向きにボールを持ったときの寄せの速さ
- シュートやクロス後のこぼれ球をどちらが回収するか
熊田への最初のパスを防げなくても、受けた瞬間に前を向かせなければ危険度は下がる。逆に藤枝の守備が一度で奪おうとして外されると、ゴール前まで一気に運ばれる可能性がある。
最大のかみ合わせ――藤枝の管理力対いわきの連続圧力
この試合は、一度の球際ではなく、その後も続く二度目、三度目の攻防で優位に立った側へ傾きやすい。
Jリーグ公式プレビューは、槙野監督体制の藤枝が走力とインテンシティーの強化に取り組んでいる点を挙げている。強度を前面に出すいわきに対し、藤枝も正面から争える準備を進めてきた。
ただし、両チームが同じように走るからといって、狙いまで同じではない。
藤枝が狙いたい展開
藤枝は仙台戦と同様、早い時間帯に先制できれば試合を組み立てやすい。いわきが前へ出る時間を受け止め、空いた場所への速い攻撃やセットプレーで追加点を狙う流れが考えられる。
ボール保持率が低くても問題はない。ただし、自陣で奪った直後に簡単に失えば、いわきの得意な連続攻撃を呼び込む。最初のパスを収める選手と、前進を助ける周囲の距離が鍵になる。
いわきが狙いたい展開
いわきは藤枝のパスの出口へ素早く寄せ、相手陣内でボールを回収する回数を増やしたい。藤枝が守備陣形を整える前に熊田へ渡せれば、第1節で見せた決定力を生かせる。
一方、前へ人数をかけた背後はリスクになる。セットプレーを与えれば、仙台戦で準備の精度を示した藤枝に好機を渡す。勢いだけで押し切ろうとせず、ファウルやCKを増やさない守り方も必要だ。
ここがポイント: 藤枝がいわきの最初の圧力を越えれば、セットプレーや速攻へつながる。いわきが出口を封じれば、熊田を生かす攻撃を繰り返せる。
注目選手――得点者だけでなく「次のプレー」を見る
キープレーヤーの価値は、ボールを受けた瞬間より、その次の局面をどう変えるかに表れそうだ。
藤枝MYFC:北原槙と松田佳大
MF北原槙は仙台戦で先発し、左CKから鈴木翔太の先制点をアシストした。背番号は77。いわき戦ではプレースキックの質に加え、藤枝がボールを奪った後に攻撃の向きを整えられるかが見どころになる。
DF松田佳大は背番号2。仙台戦では先発し、金本毅騎の追加点をアシストした。守備でいわきの前進を止めつつ、奪った後に前線へ正確なボールを届けられれば、藤枝は自陣に押し込まれる時間を短くできる。
いわきFC:熊田直紀と西谷亮
背番号38のFW熊田直紀は、第1節で2得点を挙げた。藤枝戦ではゴール前の中央に立ち続けるのか、サイドへ流れてDFとの位置関係を崩すのかを見たい。
背番号10のFW西谷亮は今治戦で先発し、熊田の2点目につながるシュートを放った。西谷が前向きにプレーできれば、藤枝は熊田だけに守備を集中できない。熊田へのマークを動かす役割も重要になる。
なお、2026年8月14日時点で、ここで挙げた選手の先発を予告する公式発表は確認できていない。実際の起用は試合当日のメンバー発表で確定する。
試合展開の見立て――先制点と後半開始が分岐点
藤枝が先制して試合の速度を管理できればホーム側、0-0の時間が続いていわきが圧力を重ねればアウェイ側へ流れやすいと予想する。
藤枝は第1節で12分に先制し、リードを生かして仙台を無得点に抑えた。いわきは前半を0-0で終えた後、後半開始から10分までに2点を奪った。両チームの開幕戦を踏まえると、前半の立ち上がりと後半開始直後は特に目を離せない。
試合を左右しそうなポイントは三つある。
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藤枝のセットプレー いわきが自陣で与えるCKやFKを減らせるか。藤枝はキッカーと競る選手だけでなく、こぼれ球の配置まで注目したい。
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熊田への供給経路 藤枝が熊田との直接対決だけに追われず、その手前のパスとセカンドボールを制限できるか。
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暑さの中での交代策 18時30分開始とはいえ、運動量の配分は重要になる。両監督がどの時間帯で前線や中盤を入れ替えるかによって、終盤の強度が変わる可能性がある。
勝敗予想は藤枝のわずかな優勢とする。ホームでの開幕戦を無失点で終え、異なる時間帯に得点できた点を評価した。ただし、熊田を自由にする時間が続けば、この優位は簡単に消える。
冒頭の問いへの答えは明確だ。藤枝がいわきの圧力を受けるだけで終わらず、奪った次のプレーをセットプレーや速攻へつなげられるか。それが開幕2連勝への条件になる。
試合開始後はボール保持率より、藤枝が自陣から何回前進できたか、いわきが何回こぼれ球を回収したかを見ると、スコアが動く前から流れをつかみやすい。

