支配率41%でも山形が2得点――横浜FC戦を動かした交代策と終盤の決定力
山形は63分に森海渡を投入し、75分には榎本啓吾と横山塁を送り出した。5分後に横山の前進とクロス、森のパスから榎本が先制し、88分には榎本が高橋潤哉の追加点をアシスト。交代選手がゴール前で生み出した具体的な成果が、山形の2-0勝利の一因になったと考えられる。
公式記録では、山形のボール支配率は41%。シュート数は山形17本、横浜FC18本だった。では、なぜボールを長く持った横浜FCではなく、山形が試合を動かせたのか。
- 最終スコア:モンテディオ山形 2-0 横浜FC
- 得点:榎本啓吾(80分)、高橋潤哉(88分)
- シュート数:山形17本、横浜FC18本
- 枠内シュート数:山形7本、横浜FC5本
- ボール支配率:山形41%、横浜FC59%
- 分析上の注目点:63分以降の交代と、得点機を仕留めた終盤の決定力
試合結果と公式記録
試合は2026年8月22日、NDソフトスタジアム山形で行われた2026/27明治安田J2リーグ第3節。入場者数は12,058人だった。
前半は両チーム無得点。均衡が崩れたのは80分だった。横山塁が自陣から右サイドへ運んでクロスを送り、森海渡がつないだボールを榎本啓吾が右足で決めた。
88分には川井歩が右サイドからクロス。榎本がつなぎ、高橋潤哉が左足で仕留めて2-0とした。山形の2得点はいずれも右サイドから進入し、中央で複数の選手が関与して生まれている。
主な記録
- 前半:0-0
- 80分:榎本啓吾(山形、アシスト森海渡)
- 86分:ジョアン・パウロ(横浜FC)が警告
- 88分:高橋潤哉(山形、アシスト榎本啓吾)
- 退場:両チームなし
- 入場者数:12,058人
- 天候:晴れ、気温29.4度、湿度58%
先発メンバーと全交代履歴はJリーグ公式の試合記録に掲載されている。山形では63分に森、75分に榎本と横山塁、82分に川井が投入された。結果として、途中出場の4人全員が2得点の過程に関わった。
59%の保持率と「17対18」
横浜FCは59%のボール支配率と86%のパス成功率を記録した。山形のパス成功率は83%で、ボールを保持する時間では横浜FCが上回っている。
シュート数は山形17本、横浜FC18本。保持率で18ポイント下回った山形は、シュート数でも横浜FCを1本下回った。 ボール保持率には差があった一方、両チームのシュート数はほぼ同数だった試合である。
この数字からは、横浜FCが18本のシュートを得点へ結び付けられなかった一方、山形は17本のうち2本を得点にしたことが読み取れる。
ここがポイント: 支配率41%という数字だけでは山形の攻撃性は見えにくい。17本のシュートと、終盤に右サイドから作った2得点を合わせて見る必要がある。
63分・75分の交代が終盤の先制点に関与
この試合で最も明確な転機は、63分と75分に投入された選手たちが80分の先制点に直接関与したことだった。
榎本と森が中央で役割を分担
森海渡は63分、榎本啓吾と横山塁は75分に投入された。80分の先制点では、横山塁がボールを運び、森がラストパスを出し、榎本が決めている。
榎本と横山の投入から5分後、3人の交代選手が前進からフィニッシュまでに関与した。公式記録上、横山が運び、森がつなぎ、榎本が決める役割を担った。
2点目では榎本が仕上げ役から供給役へ
82分に入った川井歩は、88分に右サイドからクロスを供給した。中央では榎本が高橋潤哉へつなぎ、高橋が追加点を決めた。
1点目でフィニッシャーだった榎本が、2点目ではアシスト役に回った点も重要だ。横浜FCにとっては、榎本だけを封じれば済む形ではなかった。山形は異なる選手が右サイドから前進し、中央の関係も変えながら2度ゴールへ到達した。
横浜FCに残った課題
横浜FCは開幕2連勝でこの試合を迎えた。前節までに4得点を記録していたが、山形戦では今季初の無得点となった。
ボール保持率59%と18本のシュートを得点につなげられなかったことに加え、終盤の失点後に追いつく前に2点目を許した。公式記録にある18本のシュートだけでは個々の好機の質までは断定できないものの、17本を放った山形よりシュート数は1本多かった。
横浜FCが次戦以降に確認したいのは、次の2点だ。
- シュートを得点につなげられるか
- 相手が複数の交代選手を同時投入した直後、マークと守備の受け渡しを整えられるか
山形は6位へ浮上、横浜FCは7位
第3節終了時点で、両チームはともに2勝1敗の勝点6。得失点差で山形が6位、横浜FCが7位となった。山形は開幕3試合で4得点1失点とし、ホームでは2試合連続の2-0勝利を記録している。
冒頭の問いには、山形が横浜FCより長くボールを持ったからではなく、シュート数で1本下回るなか、63分以降に投入した選手たちが二つの得点に関与したことが勝利の一因になったと答えられる。
次に見るべきなのは、この交代策を別の展開でも再現できるかどうか。先制点が必要な時間帯に、運ぶ役、つなぐ役、仕留める役を同時に機能させられるなら、山形にとって終盤の大きな武器になる。

