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FC東京の4連勝は本物か 首位争いに残る条件と、優勝を占う5月の正念場

FC東京の4連勝は本物か 首位争いに残る条件と、優勝を占う5月の正念場

FC東京は、もう「好調なチーム」で片づけられない。2026年5月3日時点で明治安田J1百年構想リーグEASTの2位、勝点32。首位・鹿島アントラーズとは2ポイント差で、14試合を終えて黒星は1つしかない。

結論を先に言えば、優勝争いの本線にいるのは間違いない。ただし、現時点で「本命」とまではまだ言い切れない。4連勝の中身は濃い一方で、守備の再現性と連戦での厚みは、これから上位直接対決で試される。

  • 5月2日の川崎フロンターレ戦は2-0で勝利し、4連勝
  • 直近4勝は横浜F・マリノス、水戸ホーリーホック、柏レイソル、川崎Fと相手のタイプがばらけている
  • 得点源が一人に偏らず、佐藤恵允、佐藤龍之介、マルセロ・ヒアン、野澤零温らが役割を分けている
  • 一方で、4連勝中の3試合では失点もあり、4試合ぶりのクリーンシートが川崎戦だった
  • 5月は千葉、東京ヴェルディ、浦和、鹿島と続き、真価はここで測られる

ここがポイント: FC東京は勢いだけで勝っているのではない。前進の形と選手配置に根拠がある。ただ、優勝を断言するには、守備の安定をもう一段上げる必要がある。

目次

何が起きているのか 数字と結果を先に整理する

5月3日更新の順位表で、FC東京は14試合32ポイント。得点26、失点11、得失点差はプラス15だ。首位の鹿島は34ポイントで、差はわずか2。上位争いに食らいつく段階ではなく、すでに優勝争いの中心に入っている。

直近の流れも明確だ。

  • 4月11日 横浜FM戦 3-1勝利
  • 4月24日 水戸戦 5-2勝利
  • 4月29日 柏戦 3-1勝利
  • 5月2日 川崎F戦 2-0勝利

この4試合で13得点。しかも内容は単純な打ち合いではない。横浜FM戦ではカウンター、水戸戦では相手を引き込んで背後を使う形、柏戦では佐藤龍之介の2得点、川崎戦ではメンバーを入れ替えながら無失点で締めた。

勝ち方の種類が増えていることが、FC東京を単なる上振れではなくしている。

4連勝の芯にあるもの 佐藤龍之介を中心にした前進

FC東京の好調を語るうえで外せないのが、佐藤龍之介の使い方だ。松橋力蔵監督は5月2日の川崎戦後、この若いアタッカーに「攻撃のタクトを振るう」役割を与えていると説明した。中央で前を向き、ボランチ、2トップ、ウイングとの関係をつなぐ存在として見ている、という整理だ。

この言葉どおり、最近のFC東京は佐藤龍之介がただ前で待つのではなく、少し下りて受け、そこから前進のスイッチを入れる場面が増えている。

1. 縦に速いだけで終わらない

4月11日の横浜FM戦では、佐藤龍之介が低い位置まで下りて起点になり、そこからヒアンや佐藤恵允が前へ走った。先制点は、自陣でのボール奪取からヒアンが運び、最後は佐藤恵允が仕留めたカウンターだった。

速い。ただ、それだけではない。川崎戦では前半こそ停滞したが、ハーフタイム後にパス回しの出口を整理し直し、後半は中央のつながりから相手を動かして追加点を奪っている。松橋監督が言う「共有や修正」が、ピッチで見える形になった試合だった。

2. 2トップと両翼が役割分担できている

水戸戦ではヒアンが裏への脅威になり、佐藤龍之介はトップ下に近い位置で流れを整えた。そこに佐藤恵允や室屋成が右から勢いよく入ってくる。川崎戦では野澤零温が左で先発し、後半11分の追加点を決めた。

この並びの強みは、名前の豪華さではなく、役割が重なりすぎないことにある。

  • ヒアンは背後と強引なフィニッシュ
  • 佐藤龍之介は受け手にも出し手にもなれる
  • 佐藤恵允はスプリントで決定機に入り込める
  • 野澤零温や遠藤渓太は幅と推進力を足せる

誰か一人が止まった時に、攻撃全体が止まりにくい。

「本物」と言える理由 入れ替えても落ちない総合力

川崎戦は、FC東京の勢いを評価するうえでかなり重要だった。柏戦から3人を入れ替え、高宇洋、野澤零温、仲川輝人を先発させ、それでも2-0で勝ち切ったからだ。

しかも、ただターンオーバーしただけではない。

  • 佐藤恵允が先制点を決めた
  • 野澤零温が今季初ゴールを決めた
  • 後半途中から橋本拳人、マルセロ・ヒアン、山田楓喜を入れて流れを維持した
  • 終盤には鈴木楓がプロデビューした

連戦で上位に残るチームは、11人だけでは走り切れない。川崎戦は、先発を替えても試合の骨格が崩れないことを示した。これは優勝争いでは大きい。

それでも優勝候補の筆頭とは言い切れない理由

好材料ばかりではない。FC東京がこの先も勝点を積み上げるには、まだ詰めるべき点がある。

守備は改善したが、盤石とまでは言えない

川崎戦で4試合ぶりのクリーンシートを記録した一方、直前の3勝では1失点、2失点、1失点。水戸戦後、松橋監督も2失点を「軽い、安い部分」と振り返っていた。

前に出る迫力が強まった分、試合が開く時間帯もある。上位争いでは、2点取れる日より、1点しか取れない日をどう勝つかの比重が上がる。そこは、まだ鹿島に対して完全に優位とは言えない部分だ。

左サイドのやり繰りも続く

4月30日にはバングーナガンデ佳史扶の負傷が発表された。左大腿直筋肉離れで、連戦のなかで左サイドバックや左側の組み合わせには調整が必要になる。

橋本健人らで回せてはいるが、日程が詰まる5月に同じ強度を維持できるかは大きな見どころだ。

立場ごとに見ると、評価はどう分かれるか

ここは整理して見ておきたい。

監督・チーム内部の見方

松橋監督のコメントを追うと、一貫しているのは「まだ完成ではない」という認識だ。横浜FM戦後も連動性には課題があると話し、川崎戦後も前半は狙いどおりではなかったと認めた。

つまり、内部の手応えはあるが、慢心はない。これは今の成績と噛み合っている。

選手の見方

野澤零温は川崎戦後、「まだ4連勝か、という感じ」「もっと上にいける」と話した。勢いに酔うというより、競争の中で自分も数字を残さなければいけないという感覚が強い。

この温度感は悪くない。連勝中のチームが浮ついていない証拠でもある。

外から見た評価

Jリーグ公式の順位表と試合結果だけを見ても、FC東京はすでに優勝争いの現実的な候補だ。14試合で32ポイント、得失点差プラス15、そして黒星1。ここまで来れば偶然では説明できない。

ただし、首位ではなく2位で、5月23日には鹿島との直接対決も控える。外からの評価が「本物」に変わる節目は、やはりこの一連の5月日程になる。

優勝できるか 答えは「十分ある。ただし5月後半が試験」

現時点の答えはこれだ。FC東京は優勝できるだけの材料を持っている。だが、まだ優勝候補の筆頭と断言する段階ではない。

理由ははっきりしている。

  • 攻撃は再現性が見え始めた
  • 若手とベテラン、先発と途中出場のつながりも出てきた
  • 14試合で黒星1という結果は強い
  • その一方で、守備の取りこぼしはまだ消えていない
  • 5月は千葉、東京V、浦和、鹿島と難所が続く

特に5月23日の鹿島戦まで、上位圏を保ったまま入れるか。そこをクリアできれば、FC東京は「勢いのある挑戦者」ではなく、「優勝を取りに行くチーム」として扱われるはずだ。

次に見るべきポイントは3つで十分だ。

  • 川崎戦の無失点を続けられるか
  • 佐藤龍之介を軸にした中央の前進が、相手に研究された後も機能するか
  • 連戦と負傷者対応のなかで、先発を替えても勝点3を拾えるか

今のFC東京は、本物かどうかを問う段階から、本当に最後まで残れるかを問われる段階に入っている。

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