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首位神戸の5失点は偶然か G大阪戦で露出したクロス対応と追う展開の脆さ

首位神戸の5失点は偶然か G大阪戦で露出したクロス対応と追う展開の脆さ

ヴィッセル神戸がガンバ大阪に0-5で敗れた一戦は、単なる取りこぼしではない。左からのクロス対応、セットプレーの処理、そして先に失点した後の修正力まで、一気に崩れた90分だった。

しかも相手は下位ではない。5月2日の明治安田J1百年構想リーグ第14節で対戦したG大阪は、キックオフ前の時点でWEST3位。首位の神戸にとっては、連戦の中でも順位争いに直結する試合だった。その直接対決で5失点完敗は、見過ごせない。

  • 神戸は5月2日、G大阪に0-5で敗戦
  • 失点は22分、36分、52分、80分、82分
  • G大阪の1点目と3点目は左からのクロス、2点目はCK起点
  • 神戸はシュート13本、CK6本を得ながら無得点
  • 4月17日と21日にACLEを戦っており、4月29日のC大阪戦に続く過密日程の影響も無視できない

ここがポイント: 神戸の問題は「5失点したこと」だけではない。クロス、セットプレー、追いかける展開でのリスク管理まで、負け方が悪かった。

目次

何が起きたのか

まず事実を整理したい。

G大阪は22分に南野遥海、36分に三浦弦太、52分に再び南野遥海が決めて3点を先行。終盤には80分に奥抜侃志、82分にデニス・ヒュメットが加点し、5-0で試合を終えた。

数字だけ見ると、神戸が完全に何もできなかった試合ではない。Jリーグ公式の試合データでは、シュート数はG大阪11本に対して神戸13本、CKもG大阪3本に対して神戸6本だった。それでも無得点に終わり、逆にG大阪には5点を許した。この落差が、この試合の異常さを示している。

先に崩れたのは左クロスへの対応

最初の失点は22分。G大阪は左の黒川圭介ではなく、試合経過上では初瀬亮が左から入れたクロスを南野遥海がヘッドで合わせて先制した。

さらに52分の3失点目も、宇佐美貴史のワンタッチから初瀬が左足でクロスを送り、再び南野が頭で決めている。

ここで重いのは、同じ形を90分の中で2度通されたことだ。

  • 左サイドからのボール供給を止め切れなかった
  • 中央で南野の動きに対応し切れなかった
  • 1失点目のあとも、同じ系統の形を修正できなかった

失点の場面だけを切り取ればクロス対応の問題だが、実際にはその前段階の守備も問われる。G大阪は山下諒也の運動量や宇佐美のタッチを使って外に時間を作り、神戸の最終ラインを後ろ向きにさせた。神戸はボール保持そのものより、クロスが入る直前の圧力を十分に掛けられなかった。

2失点目が示したセットプレー守備の緩み

36分の2失点目は、さらに痛い。

G大阪はショートコーナーから初瀬がクロスを送り、中谷進之介がつないだボールを三浦弦太が押し込んだ。流れの中で押し込まれたというより、準備された再開局面で後手を踏んだ失点だった。

首位チームが大敗するときは、ひとつの弱点だけでは説明できないことが多い。この試合の神戸は、

  • オープンプレーのクロス対応
  • CK起点のマーク整理
  • ビハインド後の試合運び

この3つが同時に崩れた。2点目までに別の性質の失点を重ねたことで、後半の立て直しが難しくなった。

ハーフタイム修正は打ったが、流れは戻らなかった

神戸は後半開始から郷家友太に代えてマテウス・トゥーレル、小松蓮に代えて大迫勇也を投入した。守備と前線の両方に手を入れた形だ。

ただ、その直後の52分に3失点目を喫した。修正を入れたあとに次の失点を許すと、交代の効果を試す時間ごと削られる。ここで試合はかなり苦しくなった。

なぜ5失点まで膨らんだのか

3点差の時点で試合は厳しかったが、0-5まで広がった理由は別にある。

80分の4失点目はヒュメットのシュートのこぼれ球を奥抜が押し込み、82分の5失点目は食野亮太郎の守備対応からボールを奪われた形でヒュメットに決められた。終盤は神戸が前に出たぶん、ボールを失った瞬間の危うさがそのまま失点に変わった。

つまり後半終盤の2失点は、前半から続いていた守備の問題に加えて、追う展開でのリスク管理まで崩れたことを示している。

  • 点差を縮めるために前へ出る
  • そのぶん後方のカバー範囲が広がる
  • 奪われた瞬間にG大阪の前線へ走られる

この流れでG大阪は試合を完全に決めた。5失点目は、神戸のこの日の危うさを象徴する場面だった。

無得点だったことも同じくらい重い

守備の崩れが目立つ試合だが、神戸にとっては13本打って0点だったことも軽くない。

45+1分には武藤嘉紀に警告が出るほど前線で熱を持っていたが、決定打にはつながらない。後半には井手口陽介のミドル、79分にはCKから中谷の折り返しもあった。それでもG大阪のGK荒木琉偉を中心に最後を割れなかった。

G大阪のイェンス・ヴィッシング監督は試合後、「クリーンシートで終えられた部分は選手を称えたい」と振り返った。これは相手の満足感の言葉であると同時に、神戸が押し返した時間を仕留め切れなかった事実も示している。

過密日程は言い訳ではないが、背景ではある

神戸は4月17日にACLE準々決勝でアル・サッドと延長戦を戦い、4月21日には準決勝でアル・アハリ・サウジと対戦。4月29日のC大阪戦は0-0からPK負け、そして中2日で5月2日にG大阪戦を迎えた。

この並びを見ると、負荷の大きさは明らかだ。

  • 4月17日: アル・サッド戦で延長戦とPK戦
  • 4月21日: アル・アハリ・サウジ戦で敗退
  • 4月29日: C大阪戦は0-0からPK負け
  • 5月2日: G大阪に0-5敗戦
  • 5月6日: 次節はサンフレッチェ広島戦

もちろん、日程だけで5失点は説明できない。だが、球際の一歩、クロスに寄せる強度、失点後の戻し方といった細部に疲労が出やすい時期だったのは確かだ。

それでも首位チームとして見逃せない点

過密日程を考慮しても、神戸にとって厳しいのは「崩れ方」に再現性が見えたことだ。

4月29日のC大阪戦でも、神戸は10本打ちながら0点。G大阪戦では13本で0点だった。点が入らない時間に守備の安定まで落ちると、首位を走るチームでも一気に流れを失う。

神戸はまだ上位争いの中心にいる。ただ、今回の0-5は単発の事故として片付けるには材料が多すぎる。

  • クロス対応の修正は急務
  • セットプレー守備の整理も必要
  • ビハインド時にどこまで前掛かりになるかの線引きも問われる
  • 大迫勇也、武藤嘉紀ら前線の得点化も戻したい

次の広島戦でまず見るべきは、勝つか負けるかだけではない。外から入れられるボールへの守備と、先に失点したときの試合運びが改善するか。 そこが変わらなければ、この5失点は一度の大敗では終わらない。

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