大分の堅守か、今治の反発か――第5節は「先に崩れない力」が分岐点
開始から無理に打ち合うのか、それとも失点を避けながら主導権を探るのか。9月6日の大分トリニータ対FC今治は、先制点までの試合運びが最大の焦点になる。
大分は4試合で失点3。対する今治は3得点12失点で開幕4連敗中だ。ただし、今治はカップ戦で得点を奪えており、数字だけで一方的な展開を想定するのは早い。
- 大分は13位、1勝1分2敗、4得点3失点
- 今治は20位、4戦4敗、3得点12失点
- 両チームとも9月2日のルヴァンカップから中3日
- 今治のGK伊藤元太は出場停止
- 注目点は、大分の守備強度に今治の前線と2列目がどう挑むか
対戦の前提――大分は守備、今治は失点抑制が急務
順位以上に対照的なのは失点数だ。 大分は守備を土台に勝点を積み、今治はまず試合を壊さない時間を延ばす必要がある。
試合は2026年9月6日(日)19時、クラサスドーム大分でキックオフ。大会は2026/27明治安田J2リーグ第5節で、DAZNが中継する。大分にとってはホームゲーム、今治にとってはアウェイゲームとなる。
Jリーグ公式順位表による第4節終了時点の成績は次の通りだ。
- 大分トリニータ:13位/勝点4/1勝1分2敗/4得点3失点
- FC今治:20位/勝点0/0勝0分4敗/3得点12失点
大分は開幕戦で湘南ベルマーレに0-1で敗れ、ベガルタ仙台戦を0-0で終えた。第3節ではいわきFCに4-1で勝利したが、第4節の徳島ヴォルティス戦は0-1。4試合のうち3試合が総得点1以下で、四方田修平監督のチームは接戦を続けている。
今治は4試合すべて黒星。第2節のRB大宮アルディージャ戦では2得点を挙げたものの2-3で敗れ、第4節はモンテディオ山形に0-3で敗れた。リーグ最多の12失点をどう抑えるかが、アベル・モウレロ監督にとって最優先の課題だ。
両チームとも中3日、選手交代の判断も重要
両クラブは9月2日にルヴァンカップ1回戦を戦った。大分はロアッソ熊本に0-2、今治はツエーゲン金沢に1-2で敗れている。
ともに中3日で迎えるため、90分を通じた強度だけでなく、先発とベンチの配分が問われる。大分は熊本戦で田中悠也、戸根一誓、森山公弥、中川寛斗、茂平らを先発に起用し、後半には西村恭史、榊原彗悟、木本真翔、相澤デイビッドらを投入した。今治も金沢戦で複数の交代を行い、中井卓大ピピ、持井響太、古山兼悟らを後半から起用している。
このメンバー構成から第5節の先発を断定することはできない。ただ、両監督がコンディションと連係のどちらを優先するかは、試合のテンポを左右する。
大分の強み――中央を閉じ、奪った後に人数をかける
大分の勝ち筋は、守備の安定を手放さずに攻撃の人数を増やすことだ。 いわき戦の4得点は、そのバランスが機能した試合として重要になる。
第3節のいわき戦では宇津元伸弥、西村恭史、木本真翔が得点し、西村は2得点を記録した。特定のストライカーだけに依存せず、前線と中盤から得点者が出たことに意味がある。
一方、第4節の徳島戦と直近の熊本戦では無得点だった。守備が耐えても、攻撃側が相手の最終ラインを動かせなければ勝点3には届かない。
西村恭史をどこで前向きにさせるか
背番号7の西村は、リーグ4試合終了時点でチーム最多の2得点。低い位置でボールを受けるだけでなく、相手の中盤と最終ラインの間で前を向ければ、シュートとラストパスの両方を選べる。
今治が第2節、第3節と採用した4-2-3-1を継続すると仮定すれば、大分が狙いたいのは相手のダブルボランチ脇だ。サイドに相手を動かしてから内側へ差し込めれば、西村や前線の選手がゴールへ向かいやすくなる。
ただし、大分が人数を前に送りすぎると、奪われた直後に広いスペースを残す。ホームだからと開始直後から攻め急ぐより、今治の守備位置を動かしながら前進経路を増やす方が現実的だろう。
今治の反撃策――4-2-3-1の前でボールを失わない
今治は攻撃回数を増やす前に、攻撃の終わらせ方を整える必要がある。 中途半端な横パスや縦パスを奪われれば、大分の速い攻撃を自ら呼び込んでしまう。
今治は、いわき戦と大宮戦で4-2-3-1を採用。大宮戦では新井光と中井卓大ピピが中盤の底に並び、持井響太、駒井善成、森晃太が2列目、エジガル・ジュニオが最前線に入った。
この配置の利点は、中央に受け手を置きながら両サイドへ展開できることだ。一方で、前線の選手がボールを受けに下がりすぎると、ゴール前に入る人数が足りなくなる。リーグ4試合で3得点という数字を改善するには、サイドから運んだ後、逆サイドや2列目がペナルティーエリアへ入る必要がある。
駒井善成と中井卓大ピピが作る前進の角度
駒井は中央とサイドの間でボールを受け、周囲との短いパス交換に加われる。中井は後方から前線へボールを届ける役割を担える。両者が近づきすぎず、異なる高さで受けられれば、大分の守備ラインを一度に越えなくても前進できる可能性がある。
ただし、これは起用された場合の見立てだ。9月2日の金沢戦では駒井が前半26分から途中出場し、中井は後半28分から出場した。第5節の先発やプレー時間については、2026年9月5日時点で公式発表を確認できていない。
今治に必要なのは、ボール保持そのものではない。失った瞬間に相手を止められる位置で攻撃することだ。両サイドバックが同時に上がれば幅は作れるが、中央で奪われた際の防御人数が減る。まず片側で数的優位を作り、攻撃の終点をシュートやクロスに置けるかが鍵になる。
最大のマッチアップ――大分の2列目対今治の中盤守備
試合の中心は、大分の攻撃的な中盤が今治のボランチ背後へ入れるかどうかだ。 ここを大分が使えばホーム側が押し込み、今治が消せばアウェイ側にも反撃の時間が生まれる。
大分はリーグ戦で1試合平均481.8本のパス、平均保持率51.1%を記録している。極端にボールを持つチームではないが、相手を動かしてから前進する土台はある。
今治が中央を狭く守るなら、大分は三竿雄斗ら最終ラインからサイドへ運び、外側の選手を経由してハーフスペースへ戻す形が選択肢になる。三竿は第4節終了時点でチーム最多の2アシストを記録しており、後方から攻撃を始める役割も注目される。
今治側は、ボランチが大分の受け手を追いすぎないことが大切だ。中央から引き出されると、その背後へ別の選手が入る。最終ラインとの間隔を保ちながら、外へ誘導できれば、大分の攻撃をクロス中心に限定しやすい。
ここがポイント: 大分は中央への差し込みを増やしたい。今治は中央を閉じたまま、奪った直後に駒井や前線へつなげるかが問われる。
出場状況――今治はGK伊藤元太が出場停止
確定している欠場情報では、今治のゴールキーパー起用が変わる。 Jリーグは、伊藤元太に第5節の出場停止処分を科した。
伊藤は9月6日の大分戦に出場できない。今治の登録メンバーにはGK立川小太郎、高木和徹、山田陽介らがいるが、誰が先発するかについては、2026年9月5日時点で公式発表を確認できていない。立川は第3節の富山戦などで先発しており、起用された場合は最終ラインとの連係が重要になる。
大分は8月23日、背番号72のMF山口卓己が右膝内側側副靱帯を損傷したと発表した。山口は8月15日の仙台戦で負傷している。復帰時期は同発表に記載されておらず、第5節の出場可否については、2026年9月5日時点で公式発表を確認できていない。
そのほかの負傷者や当日のベンチ入りは、試合前に発表されるメンバー表で確認したい。公式発表のない欠場予想を前提に展開を決めつけることはできない。
展開予想――大分優位でも、早い時間の失点は避けたい
大分が守備の安定とホームの利を生かす展開を予想するが、ロースコアなら今治にも十分な機会がある。 大分の失点3、今治の失点12という差は明確だが、中3日の試合では選手交代によって流れが大きく変わる。
序盤は大分がボールを動かし、今治が中央を固める展開になりそうだ。大分がサイドから今治の守備を広げ、西村らを中央で前向きにできれば、先制点へ近づく。
今治は最初の20分を無失点で進めたい。大分が前へ出る時間帯を耐えた後、ボール奪取から駒井、持井、中井、エジガル・ジュニオらへ素早くつなげれば、ホーム側の背後を突く機会が生まれる可能性がある。
スコアを断定できる材料はない。ただ、試合の問いへの答えは明快だ。先に崩れないことが、両チームの攻撃を生かす前提になる。 大分は堅守を得点へ結びつけられるか。今治は失点を抑え、リーグ戦初勝点への時間を作れるか。最初のゴールだけでなく、そこへ至るまでの中盤の攻防を追いたい。
観戦時の注目点は次の3つだ。
- 大分が今治のダブルボランチ脇で前を向けるか
- 今治がボールを失った直後、大分の前進を止められるか
- 中3日の両チームが、後半の交代で強度を維持できるか
参照リンク
- Jリーグ公式・2026/27明治安田J2リーグ順位表(2026年8月29日更新)
- 大分トリニータ公式・次回試合情報 第5節FC今治戦
- FC今治公式・9月6日 大分トリニータ戦
- Jリーグ公式・大分トリニータ クラブ/選手情報(2026年9月4日更新)
- Jリーグ公式・FC今治 クラブ/選手情報(2026年8月28日更新)
- FC今治公式・2026/27シーズン新体制および方針発表(2026年7月5日)
- Jリーグ公式・大分 4-1 いわき(2026年8月22日)
- Jリーグ公式・徳島 1-0 大分(2026年8月29日)
- Jリーグ公式・今治 0-3 山形(2026年8月29日)
- Jリーグ公式・今治 2-3 大宮 ラインナップ(2026年8月15日)
- Jリーグ公式・富山対今治 ラインナップ(2026年8月22日)
- Jリーグ公式・熊本 2-0 大分(2026年9月2日)
- Jリーグ公式・金沢 2-1 今治(2026年9月2日)
- 大分トリニータ公式・山口卓己選手の負傷に関するお知らせ(2026年8月23日)
- Jリーグ公式・大分対今治 第5節 試合情報










