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モンテディオ山形は何に迷っているのか ロングボール化と低シュート数で読む現在地

モンテディオ山形は何に迷っているのか ロングボール化と低シュート数で読む現在地

モンテディオ山形の現在地をひと言でまとめるなら、目指すサッカーを捨てたわけではないが、勝つための近道として別の解を並行して探している状態だ。5月6日終了時点でEAST-Aグループ6位、勝点19。数字だけ見れば致命傷ではないが、15試合で15得点18失点という収支は、上位を追うチームとしては物足りない。

特に気になるのは、連戦の中で攻撃の入り口がはっきり固定されていないことだ。保持して押し込むのか、前線へ早く届けるのか。ここ数試合の山形は、その二つの間を行き来しながら答えを探しているように見える。

  • 5月6日時点の順位はEAST-Aグループ6位、15試合で勝点19
  • 直近3試合は秋田に0-2、栃木SCに2-2からPK勝ち、群馬に1-2
  • Football LABの5月5日更新では1試合平均シュート9.0、チャンス構築率7.8%と攻撃量が伸びていない
  • 一方で失点は1試合平均1.0に収まるが、被シュート15.4本と守備はかなり耐えている
  • 次のSC相模原戦は、方向性を整理できるかを見る試合になる

ここがポイント: 山形の問題は「理想を持っていること」ではなく、理想と現実の間で、どの局面をどこまで割り切るかがまだ定まっていないことだ。

目次

何が起きているのか

直近の流れを追うと、山形の揺れはかなりはっきり見える。

  • 4月25日 仙台戦は0-1。シュート数は10対17で押し返す時間が限られた
  • 4月29日 秋田戦は0-2。公式戦評でも攻守両面で主導権を握られた内容だった
  • 5月3日 栃木SC戦は2-2で、PK戦の末に勝利。連敗は止めたが90分では勝ち切れなかった
  • 5月6日 群馬戦は1-2。12本のシュートを打ちながら、後半アディショナルタイムに失点した

結果だけなら持ち直しの途中とも言える。ただ、試合内容まで含めると、毎試合の勝ち筋がまだ同じ形で再現されていない。

5月10日のSC相模原戦が重要なのはそのためだ。山形は3月1日の前回対戦で1-2と敗れ、シュート数も3対12と大きく押し込まれた。今回も同じように相手に走らされるなら、課題は一時的な不調では済まない。

迷いの正体は「保持」か「直線」か

山形の戦評を読むと、ここ数試合は前線へ早く届ける形が繰り返し出てくる。群馬戦では、クラブ公式が「自陣から送られる球足の長いボール」で相手のライン間や背後を突いたと整理している。八戸戦でも、前線を目掛けるボールを多く使いながら勝利を拾った。

これは悪いことではない。むしろ、連戦で確実に前進するための現実的な選択だ。ただし、それがチーム全体の基準として固まったのか、相手ごとの応急処置なのかがまだ見えにくい。

攻撃は「誰が決めるか」より「どこから作るか」が曖昧

攻撃陣だけを責めるのはズレている。実際、得点は特定の1人に偏っていない。

  • Football LABの5月5日更新では、土居聖真、寺山翼、ディサロ燦シルヴァーノ、高橋潤哉、氣田亮真が各2得点
  • 氣田亮真はアシスト4でチームのチャンスメイクを支えている
  • それでも1試合平均シュートは9.0、チャンス構築率は7.8%にとどまる

つまり、決め手不足というより、そもそも安定してシュートまで運べる形が少ない。群馬戦の前半は横山塁や榎本啓吾が絡んで好機を作ったが、押し切れなかった。栃木SC戦も2点は取ったが、試合全体を支配して勝った形ではない。

渋谷飛翔が1試合平均ロングパス数で上位に入っていることも、今の山形の傾向を示す。後方から一気に前進する選択自体は有効だが、それを回収して二次攻撃に変える設計がまだ細い。

守備は崩壊していないが、安定もしていない

守備の数字は少し複雑だ。失点は1試合平均1.0で大崩れではない。しかしFootball LABでは、被ゴール期待値が1.585、被シュートが15.4本、被チャンス構築率が12.9%となっている。

この差が意味するのは、守備が完全に整っているというより、GKや相手の決め切れなさに助けられている部分があるということだ。

秋田戦では押し込まれ、群馬戦では左サイド対応がずれた時間帯があり、横内昭展監督も試合後にその整理を口にした。後半に追いついても最後に勝点を落としたのは、集中力だけの問題ではなく、守備の基準が90分を通して一本化されていないからだろう。

起用の変化は、答えを探している証拠でもある

山形は連戦の中で起用もかなり動かしている。

  • 栃木SC戦では吉尾海夏がリーグ戦初先発でボランチ起用
  • 群馬戦では横山塁がリーグ戦初先発
  • 八戸戦では榎本、柳町魁耀、高橋潤哉がリーグ戦初先発で結果につなげた

これは迷走と決めつけるより、横内監督が手持ちのピースから再現性のある組み合わせを探している段階と見るほうが近い。

ただし、探している時間は無限ではない。横内監督は2025年6月の就任時に、まず目の前の試合を大事にしながら戦い抜く姿勢を示していた。その路線は今も変わらないはずだが、5月に入った今は「耐えながら勝つ」だけでなく、「どうやって主導権を握るか」まで答えを出したい時期に入っている。

今の山形をどう見るべきか

現時点での結論はシンプルだ。山形は理想を見失ったというより、理想に到達する手順を短くするのか、正面から積み上げるのかで揺れている

その揺れは、次のような形で表れている。

  • ボールを握り切る試合が少ない
  • それでもロングボール主体に完全には割り切っていない
  • 得点者は分散しているが、攻撃の出発点が固定されない
  • 守備は失点数だけ見ると持っているが、被シュート数は重い

5月10日のSC相模原戦で見るべきポイントもはっきりしている。

  • 前回対戦のようにシュート数で押し負けないか
  • 氣田亮真と高橋潤哉に頼るだけでなく、二列目とSBがどう厚みを出すか
  • 先制したあと、あるいは追いついたあとに試合を自分たちのテンポへ戻せるか
  • ロングボールを使うにしても、回収役と押し上げの距離感が整うか

山形の現在地は、上位争いから脱落したチームのものではない。だが、何を軸に勝つのかが曖昧なままでは、6位前後で足踏みする危険が大きい。相模原戦は勝敗だけでなく、このチームがどのサッカーで浮上するのかを示せるかが問われる。

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