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レノファ山口の反発力はJ2復帰の土台になるか 百年構想リーグで見えた前進と未完成

レノファ山口の反発力はJ2復帰の土台になるか 百年構想リーグで見えた前進と未完成

結論から言えば、レノファ山口の今の好調は、1年でのJ2復帰に向けた土台にはなり得る。ただし、それは2026年前半の百年構想リーグで直接J2に戻れる、という意味ではない。Jリーグ公式が示している通り、この特別大会には昇格・降格がなく、本当の勝負は2026年8月開幕の2026/27シーズンに移る。

そのうえで見ると、5月9日のテゲバジャーロ宮崎戦を前にした山口には、上向きと呼べる材料がある。5月6日の滋賀戦は4-1で快勝。Jリーグ公式プレビューでも、山口はWEST-Bで4位をキープし、宮崎に次ぐ得点力を持つチームとして整理された。一方で、宮崎に0-3、鳥取に1-4で崩れた試合もあり、J2復帰を本気で狙うなら、攻撃の勢いだけでは足りないこともはっきりしている。

  • 2026年前半の百年構想リーグは、昇格・降格なしの特別大会
  • 山口は5月6日の滋賀戦で4-1勝利。直近では大勝と大敗の両方を経験している
  • 攻撃は分散得点で伸びているが、ボールロスト後の守備と試合運びはまだ不安定
  • 1年でJ2に戻るための焦点は、2026/27シーズンに再現できる形を今どこまで固められるかだ

ここがポイント: 今の山口は「もう戻れる」段階ではなく、「戻るための型が見え始めた」段階にいる。

目次

まず整理したい事実 今大会ではJ2復帰は決まらない

ここは先に押さえておきたい。

Jリーグの特別大会「明治安田J2・J3百年構想リーグ」は、シーズン移行期の2026年前半に行われる大会だ。公式発表では、この大会に昇格・降格はない。つまり、山口がこの春にどれだけ勝っても、その時点でJ2復帰が決まるわけではない。

一方で、2025年12月のクラブ編成発表では、レノファ山口FCは2026特別シーズンと2026/27シーズンの区分でJ3側に入っている。J2復帰を本当に実現するには、2026年8月8日・9日に開幕する2026/27シーズンのJ3で昇格圏を争える力を整えることが必要になる。

だから今回のテーマは、「今の好調でそのまま上がれるか」ではなく、今の内容が次の本番につながる中身かで見るのが正確だ。

好調の中身 山口は何を積み上げているのか

数字だけを見ると、山口は波が大きい。それでも、上向き材料ははっきりある。

分散得点は明確な前進

4月18日の鹿児島戦は古川大悟の2得点で2-1勝利。4月25日の北九州戦は藤岡浩介、中島賢星が決めてPK戦勝ち。4月29日の琉球戦は輪笠祐士、成岡輝瑠の得点で2-0勝利。さらに5月6日の滋賀戦では野寄和哉、田邉光平、山本駿亮、奥山洋平で4得点を奪った。

この並びで大事なのは、特定の1人に頼っていないことだ。

  • 古川大悟の一発で終わっていない
  • 藤岡浩介、中島賢星の新戦力が結果を出している
  • 輪笠祐士、成岡輝瑠の中盤勢も点に絡んでいる
  • 滋賀戦では途中出場を含めて複数のアタッカーが仕留めた

Jリーグ公式の5月8日プレビューでも、山口は宮崎に次ぐ得点力を持つチームとして紹介された。これは偶然ではなく、前線と2列目に得点源が散っていることの表れだ。

新体制でも攻撃の出口が複数ある

山口は2026シーズンから小田切道治監督体制に入った。クラブ発表のスタッフ体制を見ると、ベンチは新任中心で組み替えられている。そのなかで、序盤から得点の形をいくつか作れているのは小さくない。

特に目立つのは、前線の入れ替えがそのまま攻撃の停滞につながっていない点だ。藤岡や野寄、山本駿亮、奥山といった顔ぶれが試合ごとに役割を変えながら結果を出している。1年での復帰を狙うチームに必要なのは、エース依存ではなく、連戦でも回る攻撃だ。山口はその入口には立っている。

まだ足りない部分 大敗した試合が示した限界

ただし、前向きな話だけで終わらせると見誤る。

強度を上げられた相手に崩れる時間がある

4月5日の宮崎戦は0-3負け。5月2日の鳥取戦は1-4負けだった。どちらも失点が続く時間帯を止め切れず、主導権を失っている。

レノファ山口の公式サイトに掲載された宮崎戦後のコメントでも、相手の強度、セカンドボール回収、つなぎの連係ミス、前がかりになった後のショートカウンター対応が課題として語られていた。ここは実際のスコアとも一致する。

山口の課題は大きく分けると次の3つだ。

  • 相手の圧力を受けたときに、前進の一本目が乱れる
  • 押し返したい時間帯ほど、ボールロスト後の守備が開く
  • 失点後に試合を落ち着かせる運びがまだ弱い

J2復帰を狙うなら、4-1で勝てる日があるだけでは足りない。0-3や1-4になりかけた試合を、0-1や1-2で止める力が必要になる。

宮崎との差は順位以上に「再現性」にある

5月8日のJリーグ公式プレビューでは、宮崎は前節終了時点で勝点40でWEST-Bの1位を確定。しかも前回対戦では山口に3-0で勝っている。

この差は、単純な勝点差だけではない。

宮崎は勝ち筋を何度も再現できている。一方の山口は、良い日は一気に点を取れるが、悪い日の崩れ方もまだ大きい。ここが「勢いがあるチーム」と「昇格を現実化するチーム」の境目だ。

立場ごとに見ると評価はどう分かれるか

見方を整理すると、山口への評価は次のように分かれる。

クラブ側の視点

クラブ公式の発信や試合後コメントからは、攻守で主導権を握る意識は明確だ。その一方で、宮崎戦後にはセカンド回収やカウンター対応への反省も出ており、現場は課題をかなり具体的に把握している。

Jリーグ公式の視点

Jリーグ公式は5月8日時点で、山口を「4位をキープし、宮崎に次ぐ得点力を持つチーム」と見ている。つまり上位争いの一角としては認めつつ、宮崎の独走を止める本命まではまだ届いていない、という位置づけだ。

外から見た実戦評価

外から見て最も評価できるのは、得点の分散と反発力だ。鳥取に4失点した直後、滋賀戦で4得点を返したのはチームが沈み切っていない証拠でもある。

逆に最大の懸念は、試合の振れ幅が大きいことだ。昇格争いは、快勝の数より連敗しない能力で決まる。ここが山口の次の試験になる。

1年でのJ2復帰へ 今後の注目点

山口の好調を本当に「足がかり」にできるかは、ここからの数週間でかなり見えてくる。

  • 5月9日の宮崎戦で、前回の0-3負けからどこまで修正できるか
  • 5月16日の鳥栖戦、5月23日の熊本戦で上位圏相手に勝点を積めるか
  • 攻撃の分散を保ったまま、失点の出方を抑えられるか
  • 2026/27シーズン開幕までに、小田切体制の基準点をどこまで上げられるか

今のレノファ山口は、すでに完成した昇格候補ではない。ただ、点の取り方が増え、反発力も出てきた。だからこそ見たいのは次の一歩だ。宮崎や鳥栖のような上位相手に、山口の形がどこまで通用するか。そこを越えられれば、この春の好調は「一時の波」ではなく、J2復帰への現実的な準備だったと評価できる。

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