甲府は枠内シュート5本を放ちながら、ゴールネットを揺らせないまま90分を終えた。決着をつけたのは、後半16分にピッチへ送り出された磐田の川合徳孟。投入から13分後の後半29分(試合時間74分)、この試合唯一の得点が生まれた。
2026/27明治安田J2リーグ 第6節、ヴァンフォーレ甲府対ジュビロ磐田は0-1。2026年9月12日、JIT リサイクルインク スタジアムでの一戦だった。
では、この試合の何が勝敗を分けたのか。公式記録では、磐田が支配率とCK数で上回り、途中出場の川合が決勝点を挙げたことが確認できる。以下、確認できた記録からその中身を追っていく。
この記事で分かること
- 公式記録で確定している結果・得点・交代・警告
- シュート10対14、CK2対11という数字が示す試合の形
- 途中出場の川合徳孟が決勝点を挙げた流れと、その前後の交代
- 現時点で公式に確認できていない論点
公式記録で固まった試合の骨格
まず動かない事実から。スコアは甲府0-1磐田、得点は1つだけだ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会 | 2026/27明治安田J2リーグ 第6節 |
| 開催日 | 2026年9月12日 |
| 会場 | JIT リサイクルインク スタジアム |
| スコア | ヴァンフォーレ甲府 0 – 1 ジュビロ磐田 |
| 得点 | 後半29分(74分)川合 徳孟(磐田) |
| 入場者数 | 9,289人 |
| コンディション | 曇り/気温25.5℃/湿度84% |
警告は両チーム1枚ずつ。磐田のイアゴ テレスが後半20分(65分)に、甲府のスタチオーリ ミケーレが後半アディショナルタイム(90+5分)に受けている。退場者はいない。
湿度は84%だった。ただし、この数値だけから選手の疲労や交代の効果を判断することはできない。
数字が示す試合の形——枠内シュートは僅差、CK数には開き
磐田はシュート数とCK数で上回ったが、枠内シュートの差は1本だった。シュートが生まれた経緯や決定機の質までは、これらの集計値だけでは分からない。
主なスタッツは次の通り。
| 項目 | 甲府 | 磐田 |
|---|---|---|
| シュート | 10 | 14 |
| 枠内シュート | 5 | 6 |
| ボール支配率 | 40% | 60% |
| パス成功率 | 73% | 81% |
| コーナーキック | 2 | 11 |
枠内5対6——枠内シュートの数は僅差だった
シュート10対14、枠内5対6。差はあるが、試合を一方的と呼べるほどではない。甲府はシュート10本のうち半分を枠に飛ばしており、精度の面ではむしろ磐田(14本中6本)を上回る。「守勢に回って何もできなかった」試合ではなかったことは、この数字から読み取れる。
それでも甲府は無得点に終わった。枠内シュート数だけでは、各シュートの難易度やGKの対応を切り分けて評価することはできない。
CK 2対11——磐田が多く得た攻撃機会
差が際立つのはコーナーキックだ。11対2、実に5倍以上。磐田がCKから攻撃を再開する機会を多く得たことは分かるが、CKに至ったプレーや連続して攻めた時間の長さは別途確認が必要だ。
磐田の支配率は60%、パス成功率は81%。ボール保持とCK数で磐田が上回った一方、甲府も枠内シュート5本を記録した。この違いを、攻撃時間や守備の質と同一視しないことが大切だ。
CK数の差と決勝点の因果関係は、この記録だけでは確定できない。
交代カードの使われ方——決勝点は「後から入った選手」が決めた
この試合では、途中出場の選手が決勝点を挙げたという交代と得点のつながりが明確だ。
時系列で並べると次のようになる。
- 前半26分:甲府 藤井一志 → 大島康樹
- 後半16分(61分):甲府 村上千歩 → 和田拓也/佐藤和弘 → 黒川淳史
- 後半16分(61分):磐田 小原基樹 → 川合徳孟
- 後半28分(73分):磐田 イアゴ テレス → 為田大貴/乾貴士 → 佐藤大樹
- 後半29分(74分):川合徳孟が決勝点
- 後半36分(81分):甲府 内藤大和 → スタチオーリ ミケーレ/武井成豪 → 水野颯太
- 後半38分(83分):磐田 松原后 → 吉村瑠晟/太田龍之介 → ユーリ ララ
同じ61分、違う結末
注目すべきは、両チームが同じ後半16分に動いていることだ。甲府は2枚、磐田は1枚。そして磐田が入れた1枚が、13分後にスコアを動かした。
もちろん、交代した監督の意図を記録から断定することはできない。記録上は、川合の投入が61分、為田と佐藤大樹の投入が73分、川合の得点が74分と続く。公式速報では為田にアシストが記録されており、途中出場の2人が得点とアシストを担った。
前半26分の交代が意味するもの
甲府の藤井一志から大島康樹への交代は前半26分。今回参照した試合サマリーには、交代の理由は記載されていない。負傷や戦術上の理由をここで断定することは避けたい。
甲府は61分と81分にも2人ずつを交代し、計5人を投入した。磐田も61分に1人、73分と83分に2人ずつの計5人を投入している。交代の時刻には違いがあるが、ベンチワークの自由度や残された選択肢までは記録だけでは判断できない。
0-1というスコアの読み方
ここがポイント: 甲府は枠内5本を記録しながら無得点。試合を決めたのは、途中出場の川合徳孟が挙げた1点だった。CK数は甲府2本、磐田11本だが、試合全体の合計であり、得点前だけの数ではない。
この試合を「完敗」と表現するのは記録と合わない。枠内シュート数の差は1本だった。ただし決定機の質は別の問題であり、磐田が勝った理由を保持やCKの数だけに還元することはできない。
甲府から見れば、枠内シュート5本を記録しても得点には届かなかった。その攻撃機会の内容を映像や速報で振り返ることが、次の検討につながる。
一方で、磐田の14本というシュート数は、60%の支配率に対して突出して多いわけではない。押し込みが自動的にフィニッシュへ結びついていたわけではなく、実際に決まったのは投入13分後の川合による1点だけだった。この試合の磐田を「完成された攻撃」と評価するのは早い。
次に確認したい点
- 甲府:枠内5本を得点に変えられなかったのは1試合だけの偏りか、続く節でも同じ傾向が出るか
- 甲府:前半26分の交代が以降の試合の起用に影響するか
- 磐田:CK11本のような押し込みを、セットプレーからの得点に結びつけられるか
- 磐田:61分・73分・83分と段階的にカードを切る終盤の作り方を再現できるか
9,289人が見守ったスタジアムで動いた数字は1点だけ。だがその1点は、ベンチから出てきた選手が13分で決めたものだった。途中出場の川合と為田が得点に関与した点は、今後の起用を考えるうえでも注目したい。
