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清水が長崎を破った勝因は?116分の決勝弾につながった左サイドの連係

夜のスタジアムで左サイドから中央へ攻撃をつなぐオレンジのユニフォームの選手たちのイメージ。

清水が長崎を破った勝因は?116分の決勝弾につながった左サイドの連係

116分、藤井智也から松崎快へ、そして弓場将輝へ。清水エスパルスはこの連係から決勝点を奪い、V・ファーレン長崎を延長の末に2―1で破った。2026年10月7日、IAIスタジアム日本平で行われた天皇杯3回戦の結果である。JFAの試合情報

接戦を勝ち切れた理由は何か。得点経過から考えると、核心は左サイドで運ぶ選手、最後のパスを出す選手、中央で仕留める選手の役割が、延長終盤にもつながったことにある。途中出場の藤井と、先発した松崎、弓場の組み合わせが、長崎の粘りを上回ったと考えられる。

この記事では、次の3点から120分を振り返る。

  • 13分の先制点と116分の決勝点に共通する、左から中央への連係
  • 長崎が同点に追いついた攻撃の工夫と、清水が直面した難しさ
  • 交代選手と先発選手の組み合わせが、最後の得点に与えた意味
目次

先制と決勝点を結んだのは、左から中央へ届ける攻撃

清水の2得点は、どちらも左サイドから複数の選手を経由して中央のフィニッシュにつながった。

JFAが公表した10月7日の公式記録によると、得点経過は次の通りだった。

  • 13分:北川航也が先制。井上健太の左サイドからの攻撃に、ジャーメイン良、松崎快が関わり、北川が左足のワンタッチシュートで決めた。
  • 39分:チアゴ・サンタナが長崎の同点ゴールを記録。
  • 116分:弓場将輝が決勝点。藤井智也、松崎快とつなぎ、中央の弓場が右足のワンタッチシュートで決めた。

前半は1―1。後半と延長前半はともに無得点で、延長後半の1点が勝敗を分けた。JFA公式記録

先制点は、北川だけで完結しなかった

先制の場面では、井上が左から攻撃を始め、複数の選手を経由した後に北川が仕留めた。公式記録には、松崎も最後の受け渡しに関わった選手として記載されている。

ここから読み取れるのは、清水がゴール前へボールを届ける過程で、出し手を一人に任せなかったことだと考えられる。最初のボールに関わる選手と、その先でつなぐ選手がいる。その連係によって、北川がワンタッチで打てる攻撃を成立させたと捉えたい。

決勝点は、途中出場の藤井と先発組の接続

116分の得点経過には、左での藤井のドリブル、松崎のドリブルと中央へのゴロパス、弓場のワンタッチシュートが記録されている。

この場面の価値は、交代で入った選手が単独で勝負を決めたという説明だけでは収まらないと考えられる。藤井が運び、松崎が中央へ届け、弓場が仕留める。途中出場選手の働きが、長い時間を戦ってきた先発選手のプレーにつながった点に、清水の勝因を見いだせる。

さらに、最後に決めたのは先制点を挙げたFWではなく、MFとして先発した弓場だった。相手が前線の選手だけを警戒しても、それとは別の選手が中央でシュートを打つ。この得点は、清水が次の試合でも再現したい攻撃の一つと考えられる。

長崎の同点弾は、清水の守備に突きつけた課題

長崎はサンタナの決定力に加え、攻撃時の選手間の距離を近づける工夫で清水を苦しめた。

39分の同点弾は、公式記録では長谷川元希、米田隼也、松本天夢を経由し、チアゴ・サンタナが左足で決めた得点として記載されている。

長崎公式サイトの試合後コメントで、長谷川は、ボランチの一角を上げて松本をトップ下に置く形に取り組んだと説明した。得点場面についても、選手同士の距離が近くなり、その試みが表れたと振り返っている。長崎公式・試合結果とコメント

清水にとっての難しさは、サンタナとの一対一だけでは説明し切れないと考えられる。中央でボールをつなぐ相手が増えれば、誰が出し手に寄せ、誰が次の受け手を追うかが問われる。長崎の同点弾は、最後のシュートへの対応と、その手前の連係への対応を一緒に見直す必要がある場面と捉えられる。

先制しても、試合を簡単にはできなかった

長崎の高木琢也監督は試合後、立ち上がりの失点を反省する一方、同点に追いついてから粘り強く戦った点を評価した。長谷川も、守備では清水に多くの決定機を作らせなかったという認識を示している。

長崎側の説明を踏まえると、清水の勝利を一方的な攻撃の成功として捉えるのは難しい。先制後に追いつかれ、長く追加点を奪えなかった。だからこそ、116分にもう一度、運ぶところから中央のシュートまでをつなげた意味が大きかったと考えられる。

交代の成果は、最後の得点に関わった選手で見る

交代策で最も明確な成果は、65分に投入された藤井が、116分の決勝点の起点になったことだと考えられる。

清水の吉田孝行監督は、10分にウォン・ドゥジェを下げてディエギーニョを投入。その後、65分に北川航也と井上健太に代えて、嶋本悠大と藤井智也を送り出した。79分には木下康介、本多勇喜、101分には小塚和季が入った。交代の時刻と選手は、JFAおよびJリーグの公式記録に掲載されている。Jリーグ公式・試合結果

前線の顔ぶれが変わる中で、藤井は決勝点の連係に参加した。ただし、投入から得点までは約50分ある。交代直後に試合が一変したというより、延長を含む長い勝負の中で、交代選手を使った攻撃が最後に実を結んだと見るのが適切だと考えられる。

先発選手を残した意味も大きい

松崎と弓場には交代の記録がなく、両者は先発から試合終了まで出場した。

藤井の投入を評価するなら、残った選手との組み合わせも見たい。藤井が運んだボールを松崎が受け、その先を弓場が仕留めた。選手を入れ替えることと、ピッチに残る選手を生かすことが、同じ得点の中でつながったと考えられる。

一方、交代記録だけから、各投入の狙いや配置変更の細部まで断定することはできない。木下や嶋本の投入が相手の守備位置にどう影響したかは、得点への直接関与とは分けて評価する必要がある。

攻めた量を、最後の一撃に変えられた

清水は攻撃の回数で上回りながら、長崎の守備を崩すまで120分近い時間を要した。

公式スタッツでは、シュートは清水10本、長崎5本。コーナーキックは清水7本、長崎1本だった。Jリーグ公式では、枠内シュートも清水4本、長崎2本と記録されている。

数字は清水がより多くシュートを打ったことを示す。ただ、それだけで決定機の質や、試合全体の支配まで説明できるわけではない。長崎の5本には同点ゴールが含まれ、清水の追加点は116分まで生まれなかった。攻撃の量で上回っても、一発勝負の緊張は最後まで続いたと考えられる。

長崎の高木監督は決勝点について、ゴール前に人数はいたものの、清水のクロスとフィニッシュを評価した。

この相手監督の振り返りも踏まえると、勝敗を分けたのは、単にゴール前へ人数を送り込んだことだけではないと考えられる。最後のパスを届ける精度と、それをワンタッチで終える連係が、長崎の守備を上回ったという評価ができる。

次に残したいのは、左で作って中央で仕留める形

今回の勝因は、同点後に追加失点をせず、交代選手と先発選手をつないで最後の得点を作れたことにあると考えられる。

北川の先制点と弓場の決勝点は、得点者も途中の顔ぶれも異なる。それでも、左から複数の選手を経由し、中央でワンタッチのシュートに至った点は共通している。

次の試合で見たいのは、この連係をもっと早い時間帯に繰り返せるかどうかだ。

  • 左で運ぶ選手に、次のパスを受ける選手が近づけるか
  • FWに加え、中盤の選手も中央でシュートに関われるか
  • 攻撃の人数を増やしながら、長崎の同点弾のような中央の連係に対応できるか

116分の弓場の一撃は、4回戦進出を決めた。清水が次に持ち帰りたいのは、その得点に至るまでの藤井、松崎、弓場のつながりだと考えられる。

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