山形は保持率51%でも無得点、札幌は後半2発――0-2を分けたシュートと交代の記録
62分に木戸 柊摩が先制し、85分には途中出場の荒野 拓馬が追加点。2026年10月21日、NDソフトスタジアム山形で行われた2026/27 明治安田J2リーグ 第12節は、北海道コンサドーレ札幌がモンテディオ山形に2-0で勝利した。
山形がボール保持率で上回った試合で、札幌の勝利はどこから説明できるのか。保持率は山形が51%、札幌が49%だった一方、シュート数と枠内シュート数では札幌が上回った。 ボールを持った割合と、シュートまで進んだ回数で優位が分かれた試合だった。
- 山形はシュート14本、枠内シュート6本を記録したが無得点。
- 札幌はシュート16本、枠内シュート8本を記録し、後半に2得点。
- 追加点を挙げた荒野は78分に出場。交代後の85分にスコアを動かした。
試合結果と得点経過――均衡を破ったのは62分
札幌は前半を0-0で終え、後半の2得点で勝敗を決めた。
- 大会:2026/27 明治安田J2リーグ 第12節
- 開催日:2026年10月21日
- 会場:NDソフトスタジアム山形
- 最終スコア:モンテディオ山形 0-2 北海道コンサドーレ札幌
- 62分:木戸 柊摩(北海道コンサドーレ札幌)が先制
- 85分:荒野 拓馬(北海道コンサドーレ札幌)が追加点
先制後も山形の得点はなく、札幌は1点差のまま迎えた終盤にリードを広げた。得点経過の上では、62分が均衡を破った局面、85分が山形に必要な得点を一つ増やした局面となる。
ただし、前半が無得点だったことから「互いに慎重だった」とまでは判断できない。得点の時刻は試合が動いた瞬間を示すが、それ以前の攻防の強弱までは示さないためだ。
保持率の山形、シュート数の札幌――優位は別の指標に表れた
全試合の集計では、山形が保持率とコーナーキック数、札幌がシュート数と枠内シュート数で上回った。
| 項目 | モンテディオ山形(ホーム) | 北海道コンサドーレ札幌(アウェイ) |
|---|---|---|
| シュート | 14 | 16 |
| 枠内シュート | 6 | 8 |
| ボール支配率 | 51% | 49% |
| パス成功率 | 82% | 84% |
| コーナーキック | 6 | 5 |
山形はボールを持ち、シュートも放った
山形のボール保持率は51%で、札幌の49%を上回った。コーナーキックも山形が6本、札幌が5本。山形はシュート14本、そのうち枠内シュート6本を記録している。
この数字からは、山形の敗戦を「攻撃できなかった」の一言で片付けるべきではないと考えられる。実際にシュートを放ち、枠内にも飛ばしていた。それでも得点には結び付かなかった点に、この試合の山形の課題が残る。
一方、枠内シュート6本を、そのまま六つの決定機と読み替えることはできない。枠内シュートはゴールの枠を捉えたシュートを示す指標であり、シュート位置や相手守備の寄せ方まで表すものではない。無得点の原因を決定力だけに絞るには、個々の場面を検討する必要がある。
札幌は保持率で下回っても、シュートでは上回った
札幌はシュート16本、枠内シュート8本で、山形をいずれも2本上回った。パス成功率も札幌が84%、山形が82%だった。
札幌の勝利は、シュート数と枠内シュート数の優位とは一致している。 保持率だけを見れば捉えにくい攻撃の違いが、シュートに関する記録には表れていると考えられる。
ただし、パス成功率が高かったことを、そのまま「山形の守備を崩せていた証拠」とするのは早い。どの位置で、どの方向へ通したパスかによって意味は変わる。同様に、シュート数の差だけで決定機の質や攻撃全体の完成度まで決めることはできない。
全試合の数字から、時間帯ごとの展開は決められない
保持率51%と49%、シュート14本と16本は、いずれも試合全体の集計だ。
そのため、山形が先制される前に押し込んでいたのか、失点後に保持率を高めたのかは、この数字だけでは分からない。札幌についても、リード後に意図的にボールを相手へ渡したという戦い方までは読み取れない。
ここで押さえたいのは、保持率の優位とシュート数の優位が別のチームに分かれたことだ。山形がボールを持った割合を、試合全体の優勢や得点機会の多さと同じ意味で扱わないことが、この0-2を読む出発点になる。
交代と得点のつながり――荒野は78分出場、85分に追加点
札幌では途中出場の荒野が追加点を記録し、山形では先制点を許した後の交代を経ても得点が生まれなかった。
交代と得点を時間順に並べると、両チームが人を入れ替えた時点とスコアの関係が見えてくる。
- 後半開始時、山形は吉尾 海夏に代えて野嶽 寛也を投入。
- 62分、札幌の木戸 柊摩が先制。
- 63分、山形はディサロ 燦シルヴァーノに代えて高橋 潤哉を投入。
- 66分、札幌は大森 真吾に代えてヴィニ ペイショット、木戸 柊摩に代えて宮澤 裕樹を投入。
- 73分、山形は川名 連介に代えて土居 聖真、堀金 峻明に代えて森 海渡を投入。
- 78分、札幌は青木 亮太に代えて荒野 拓馬を投入。
- 85分、荒野 拓馬が札幌の追加点を記録。
- 86分、山形は柳町 魁耀に代えて氣田 亮真を投入。札幌は木實 快斗に代えてパク ミンギュ、唐山 翔自に代えてスパチョークを投入。
追加点を担った途中出場選手
荒野は札幌が1-0でリードしていた78分に出場し、85分に得点した。先制点を挙げた木戸は、それより前の66分に交代している。
札幌にとっては、先制点の得点者が退いた後、途中出場選手が次の得点を担った点が重要と考えられる。得点という結果に限れば、札幌は選手交代後にもリードを広げられた。
ただし、交代の狙いや配置変更が追加点を生んだかどうかは、時系列だけでは特定できない。出場後に得点したという事実と、交代が得点の原因だったという評価は分けて捉える必要がある。
山形は選手を入れ替えても、追い付く得点を得られず
山形は先制点を許した直後の63分に高橋を投入し、73分には土居と森を送り出した。その後も得点はなく、85分に2失点目を喫した。
この経過から、追い掛ける状況での交代が得点には結び付かなかったことは分かる。一方、交代前後のシュート数や攻撃の内容を分けた記録ではないため、投入された選手の働きそのものを否定する材料にはならない。
警告は、40分の大森 真吾(北海道コンサドーレ札幌)に記録されている。この警告と66分の交代を結び付け、交代理由まで断定することも避けたい。
0-2が示した課題――保持の先に何を残せたか
この試合では、山形の保持率とコーナーキック数の優位が得点に結び付かず、札幌がシュート数と枠内シュート数で上回り、後半の2得点を勝利につなげた。
冒頭の問いへの答えは、62分と85分の得点局面、そして札幌がシュート16本、枠内シュート8本を記録した点にある。札幌の勝利を支える攻撃の記録はある一方、あらゆる指標で山形を上回った試合ではなかった。
山形については、保持率51%、シュート14本、枠内シュート6本という記録と無得点を併せて考える必要がある。ボールを持つ時間を増やすことだけでは、この敗戦の解決策にならない可能性がある。
この一戦をさらに掘り下げる際の焦点は、次の二つに絞られる。
- 山形: 枠内シュート6本は、どの位置から、どれほど相手守備の影響を受けて放たれたものだったか。
- 札幌: 木戸の先制点と荒野の追加点で、シュートに至るまでにどのような攻撃と守備の対応があったか。
山形の「持てた」と札幌の「決めた」の間に何があったのか。0-2の原因をさらに特定するには、保持率の大小より、二つの得点と山形の枠内シュートの中身を見ることが次の焦点になる。










