山形は3試合無得点を止められるか 宮崎の起点・橋本啓吾も焦点に
ゴール前へ人数をかけたい山形にとって、相手の攻撃の起点への対応も外せない。3試合無得点のモンテディオ山形がテゲバジャーロ宮崎を迎える一戦は、得点を取り戻すことと、宮崎の起点から動き出す選手を抑えることを両立できるかが見どころになりそうだ。
明治安田J2リーグ 2026/27 第13節は、10月25日14:00、NDソフトスタジアム山形でキックオフ。宮崎では橋本啓吾の先発復帰の可能性が挙がっており、起用されれば、山形は橋本本人と、その周囲の動きの両方に目を配る必要がありそうだ。
試合前に押さえたい点は、次の3つだ。
- 山形は直近のリーグ戦4試合で未勝利、3試合連続無得点。攻撃をゴール前のプレーにつなげ直せるか。
- 宮崎はリーグ戦7試合無敗。ただし、直近の経過を見ると、失点せずに勝ち続けているわけではない。
- 橋本の起用は未確定。出場する場合は、ボールの受け手としての働きと、2列目の選手の動きが焦点になる。
対戦の前提――勝利数は同じでも、ここまでの歩みは異なる
両チームはともに4勝だが、山形は敗戦が、宮崎は引き分けが多く、直近の結果にも差がある。
- 大会・節: 明治安田J2リーグ 2026/27 第13節
- 対戦: モンテディオ山形 vs テゲバジャーロ宮崎
- 開催日時: 2026年10月25日 14:00
- 会場: NDソフトスタジアム山形
10月23日に確認されたJリーグ公式試合ページの掲載値では、山形は12試合を終えて16位、4勝1分7敗。宮崎は同じく12試合で8位、4勝5分3敗となっている。掲載値の更新日時は明示されていない。
山形は第5節・甲府戦から第12節までの8試合で1勝1分6敗。直近のリーグ戦4試合では勝利がなく、直近3試合は得点もない。前節のホーム札幌戦は、後半に2失点して0-2で敗れた。
一方の宮崎は、第6節・藤枝戦から第12節までのリーグ戦7試合で4勝3分。3連勝の後に1-1の引き分けが3試合続き、前節の秋田戦で4試合ぶりに勝利した。
この違いからは、山形が攻撃の停滞を解きたい一戦であるのに対し、宮崎には負けずに積み重ねてきた結果を、さらに勝利へつなげたい一戦と捉えられる。ただし、順位差だけで当日の攻守の優劣まで決めることはできない。
山形の攻撃――無得点という結果より、相手に対応される過程に注目
山形の改善点を探るなら、最後のシュートだけでなく、そこへ至るプレーが途切れる場面に目を向けたい。
Jリーグ公式の見どころを執筆した佐藤円氏は、山形について、細かなミスによって相手に対応されるケースが多く、ゴール前での迫力あるプレーも減っていると評価している。
この評価を踏まえると、山形に求められるのは、単に攻撃回数を増やすことだけではなさそうだ。パスや次のプレーが途切れる間に相手が守備を整えるなら、前へ進んでも、ゴールへ迫る場面にはつながりにくい。ボールを受けた選手が次の味方へつなぎ、攻撃を止めずにゴール前へ持ち込めるかが、観戦時の手掛かりになる。
「攻めている時間」と「ゴールへ迫る場面」を分けて見る
山形の攻撃を追う際には、次のような場面に注目すると、無得点という結果の先まで見やすくなりそうだ。
- 前へ出したボールを味方が受けた後、さらに次のプレーへつながるか。
- ゴール前へボールが入るとき、受け手を支える選手が間に合っているか。
- 相手に攻撃を止められた後、同じ形を繰り返すだけにならず、別の進め方を選べるか。
これらは山形が当日採る戦術を示すものではなく、佐藤氏が指摘した攻撃の停滞を見極めるための着眼点だ。得点が生まれたかに加え、ゴール前のプレーを続けて作れたかまで見ることで、攻撃の変化を捉えやすくなる。
一方で、宮崎がどの守備方法で山形を止めるかまでは、確認できた材料から特定できない。山形の課題が、そのまま宮崎の得意な守り方と一致すると決めつけるのは早い。
宮崎の攻撃――橋本が出るなら、山形が見るべき相手は一人ではない
橋本が起点を担う場合、山形の守備では、ボールの行き先と周囲の動きを同時に捉えられるかが焦点になりそうだ。
佐藤氏は、前節でメンバー外だった橋本啓吾について、今節は先発に戻る可能性を挙げている。また、橋本を、ターゲットとして信頼を集め、2列目の選手を中心に周囲の動きを生み出す存在と評価している。
ここでいうターゲットは、前方で味方のボールの預け先になる役割だ。2列目は、その後ろから攻撃に加わる選手たちを指す。
この評価に沿えば、橋本が出場して起点を担うとき、山形が橋本との競り合いやボールへの対応に集中しすぎると、周囲から動く選手への対応が難しくなる可能性がある。反対に、周囲を気にして橋本に余裕を与えれば、宮崎は次の攻撃につなげやすくなるかもしれない。
山形にとっては、攻撃に出る人数だけでなく、ボールを失った後に誰が宮崎の起点へ対応し、誰が周囲を見るかも問われそうだ。ただし、具体的な配置や担当は、先発と当日の並びを見て判断する必要がある。
森岡陸の前節出場と、今回の起用は分けて考える
山形のセンターバック、森岡陸は、前々節の藤枝戦で前半に負傷交代し、中3日で迎えた前節の札幌戦ではフル出場した。
前節を最後までプレーしたことは確認できるが、それだけで今回の先発やコンディションまで確定するわけではない。森岡が出場する場合には、宮崎の前方の選手への対応と、そこから動く選手への受け渡しを追いたい。
宮崎にも出場条件による変更がある。山形から期限付き移籍中の安部崇士は、契約の関係でこの試合には出場できない。誰が代わりを務めるかによって守備の連係を見るポイントは変わり得るが、代役や布陣はまだ断定できない。
宮崎の7試合無敗――粘りはあるが、山形が得点できない根拠にはならない
宮崎の好調を評価する際も、負けていないことと、相手を無失点に抑えていることは分けて考えたい。
宮崎は前節の秋田戦まで、1-1の引き分けが3試合続いていた。秋田戦でも終盤に1-1とされたが、終了間際に得たPKを奥村晃司が決め、勝利をつかんだ。公式の見どころでは、奥村は宮崎のチーム得点王と紹介されている。
この経過は、宮崎が失点後も勝利を手にした事実を示す。一方で、失点した理由や、守備のどこに隙があったかまでは示していない。山形が同じように得点できるとも、宮崎の無敗が山形の攻撃を封じるとも言い切れない。
奥村についても、前節の決勝PKとチーム内での得点面の位置づけは注目材料になる。ただし、PKを決めた事実から、流れの中での得点パターンや今回の担当まで広げて考えることはできない。
前節の先発5人変更を、今回の予想へ直結させない
宮崎は前々節の磐田戦から中3日で迎えた秋田戦で、先発を5人入れ替えた。交代による投入は88分以降の3人だった。
前節で多くの選手を入れ替えたことは、今回のメンバーを見るうえでの背景になる。ただ、それがどの選手の疲労や調子を反映したものかは断定できない。橋本の復帰を含め、先発発表では名前だけでなく、誰が前方の預け先を担い、誰がその周囲から攻撃に加わるのかを確かめたい。
この一戦の見立て――山形の前進と、宮崎の起点への対応を一緒に見る
山形が無得点を止めるには、ゴール前へ迫る攻撃を増やしながら、宮崎に攻撃をつなぐ余裕を与えないことが重要になりそうだ。
山形には3試合連続無得点という結果と、細かなミスやゴール前の迫力を課題とする佐藤氏の評価がある。宮崎には7試合無敗という結果に加え、橋本を起点として周囲が動くという同氏の評価がある。この二つを合わせると、山形の攻撃再建だけで試合を語ることはできない。
橋本が出場するなら、山形が前へ人数をかけた場面の後、宮崎の最初の預け先と、その周囲の動きへどう対応するかが見どころになる。橋本が起用されなければ、宮崎が誰を起点にするかを見て、この対抗関係を捉え直したい。
勝敗を決めつけるより、序盤は次の3点を追うと、この試合の変化をつかみやすそうだ。
- 山形: 前へ進んだ攻撃が、ゴール前の次のプレーまでつながっているか。
- 宮崎: 橋本が起用されるか。起用された場合、周囲の選手がその働きに続けているか。
- 両チームの接点: 山形の攻撃が終わった直後、宮崎が起点を作れるか、それとも山形がそこで攻撃を止められるか。
山形の得点が戻るかを追うなら、シュートの瞬間とともに、その一つ前のつながり、そして攻撃が途切れた直後まで見届けたい。
