富山、9戦負けなしへ問われる守備――札幌のミドルにどう向き合うか
富山の攻撃力だけで、この試合の優位は決められない。リーグトップタイの総得点を誇るカターレ富山に対し、北海道コンサドーレ札幌も今季のリーグ戦で無得点に終わったのは1試合だけ。富山のクラブ記録更新を左右するのは、攻める時間だけでなく、札幌にシュートを打たれる局面への対応になりそうだ。
10月25日14時、富山県総合運動公園陸上競技場で行われる明治安田J2リーグ 2026/27 第13節。富山はリーグ戦8試合負けなし、札幌は今季初のリーグ戦2連勝で、この対戦を迎える。
富山は攻撃の実績を得点につなげながら、札幌のミドルシュートにも対応できるか。 ここを軸に、両チームの見どころを整理したい。
- 富山は引き分け以上で、J2でのクラブ記録を更新する9試合負けなしへ。
- 富山のシュート、枠内シュート、スルーパスの総数は、10月20日時点でリーグトップ。
- 札幌は直近2試合で、青木亮太、木戸柊摩、荒野拓馬がミドルシュートから得点している。
対戦の前提――ともに前節を無失点勝利で終えた
両チームとも、前節の勝利を次の試合につなげたい状況にある。
- 大会:明治安田J2リーグ 2026/27 第13節
- 対戦:カターレ富山 vs 北海道コンサドーレ札幌
- 開催日時:2026年10月25日(日)14:00
- 会場:富山県総合運動公園陸上競技場
Jリーグ公式の試合ページに掲載されたプレビューによると、富山は前節の大宮戦に3対0で勝利。リーグ戦8試合負けなしとなり、J2におけるクラブ記録に並んだ。札幌も前節の山形戦を2対0で制し、今季初のリーグ戦2連勝を記録した。いずれも10月23日確認時点の情報だ。
ただし、前節が無失点だったことだけで、今回も相手の攻撃を抑えられるとは判断できない。富山には得点とシュートの累積実績があり、札幌には得点を続けてきた実績がある。双方に、前節とは別の守備の課題が生まれると考えられる。
富山の攻撃――札幌はシュートに至る前に止められるか
富山の強みを考えるうえでは、得点だけでなく、シュートを積み重ねてきた点が重要になる。
公式掲載プレビューでは、富山の総得点はリーグトップタイ。さらに10月20日時点で、次の3項目がリーグトップと紹介されている。
- シュート総数
- 枠内シュート総数
- スルーパス総数
スルーパスは、相手の守備の間や背後へ送り、味方の抜け出しを狙うパスを指す。富山は、ゴールを狙って打つ回数と、相手の守備を抜こうとするパスの両方で、累積の実績を持っている。
札幌の立場では、最後にシュートを防ぐだけでなく、その手前で富山の攻撃を終わらせられるかが焦点になりそうだ。抜け出す選手とパスの出し手のどちらにも対応を迫られれば、シュートを打つ選手への寄せが遅れる可能性がある。
一方、総数が多いことと、この試合で効率よく得点できることは別だ。 スルーパスのうち何本がシュートや得点につながったかは、この数字だけでは分からない。枠内シュート総数も、そのまま決定機の数を表すわけではない。
観戦では、富山のシュート数だけでなく、札幌の選手が近くにいる状態で打っているのか、十分な余裕を持って打てているのかも見たい。前者が続くなら札幌の守備が攻撃の質を抑えている可能性があり、後者が増えるなら富山が累積の強みを目の前の好機へ変えている、と考えられる。
札幌の反撃――富山はミドルを打つ選手に近づけるか
富山の守備には、ゴール前を守るだけでなく、その外側からのシュートへの対応も求められそうだ。
公式掲載プレビューによると、札幌が今季のリーグ戦で無得点に終わったのは1試合のみ。前々節の秋田戦では青木亮太、前節の山形戦では木戸柊摩と荒野拓馬が、それぞれミドルシュートを決めている。
この3人の得点は、今回の対戦で富山が注意したい距離を具体的に示している。ミドルシュートは、ゴールからある程度離れた位置から狙うシュート。富山がペナルティーエリア内への侵入を防いでも、その手前で札幌の選手に打つ時間を与えれば、攻撃を終わらせられない可能性がある。
寄せる選手と、その後ろを守る選手
注目したいのは、札幌の選手がシュートを選べる位置でボールを持ったときの富山の対応だ。
ボールを持つ選手へ近づけば、打つ時間を削れる可能性がある。その反面、前へ出た選手の背後にスペースが生まれることも考えられる。富山にとっては、誰が寄せるかに加え、その後ろを誰が埋めるかも争点になりそうだ。
札幌側から見るなら、ミドルを警戒させた先に、別の選択肢を作れるかにも注目したい。富山が前へ出てくれば、その背後を狙う余地が生まれる可能性がある。ただし、実際の配置や攻撃の進め方は、当日の起用と試合展開を見て判断する必要がある。
直近2試合の得点は、今回の成功を保証しない。札幌が同じ距離から打てるのか、富山が打つ前に制限できるのか。 過去のゴールを、今回の具体的な攻防へ置き換えて見ることが大切になりそうだ。
ゴール前の注目点――平尾と田川が出場すれば、対応の違いも見たい
両GKが起用されれば、シュートへの対応に加え、富山で時間をともにした2人の対戦にも関心が集まりそうだ。
Jリーグ公式掲載プレビューの執筆者・赤壁逸朗氏は、富山のGK平尾駿輝について、明治安田J2・J3百年構想リーグの途中から先発に定着し、持ち味のセービング力を発揮していると評している。
同プレビューによると、札幌のGK田川知樹は2023年から3季にわたって富山でプレーした。今回が初めての古巣戦となる。平尾も、田川のサッカーへの向き合い方を尊敬し、多くを学んできたことと、同じピッチに立つ楽しみを語っている。
両者が出場する場合、富山のシュートに田川が、札幌のミドルに平尾がどう対応するかが見どころになる。ただし、守備をGKだけの仕事として捉えるのは避けたい。シュートの前に味方がどれだけ相手へ寄せられたか、GKの視界を確保できたかによっても、対応の難しさは変わると考えられる。
出場停止、負傷による離脱、今回の出場可否については、10月23日時点で公式発表を確認できていない。ここで挙げた選手の先発を前提とせず、当日のメンバー発表を確認したい。
見立て――記録更新の鍵は、攻撃力と守備の対応を分けて見ること
富山の記録更新を考えるなら、攻撃指標の良さだけでなく、札幌の得点機会をどう減らすかまで見る必要がある。
公式掲載プレビューによると、富山は2025シーズンの札幌戦で2戦2敗。カップ戦を含む通算対戦成績も、富山の1勝5分9敗となっている。
この過去の成績は、富山の現在の攻撃実績だけで勝敗を決めつけないための材料にはなる。ただし、過去の結果だけで、今の両チームの戦術的な相性まで説明することはできない。
今回の見立ては、富山が持つ攻撃の量と、札幌が持つ得点の継続性がぶつかる試合、というものだ。富山がシュートを増やしても、札幌に打つ余裕を与えれば、試合を支配できているとは限らない。札幌もミドルでの得点実績がある一方、富山に繰り返しシュートを許す展開を望むとは考えにくい。
富山の9試合負けなしには、引き分けでも届く。無失点が記録更新の必須条件ではないからこそ、失点の有無だけでなく、その前後に両チームがどう対応するかにも目を向けたい。
キックオフ後は、次の3点が試合の読み解き方になりそうだ。
- 富山は、相手に寄せられる前にシュートを打てているか。
- 札幌は、直近に得点したミドルの距離で前を向き、打つ時間を作れているか。
- 富山は、ミドルを打つ選手へ寄せながら、その背後も守れているか。
富山が攻撃実績を今回の得点へ変え、札幌のシュートも制限できれば、記録更新へ近づくはずだ。最初に見たいのは、札幌がゴール前の少し外側でボールを持った瞬間。そこで富山の誰が前へ出て、誰が後ろを埋めるかに、この対戦の争点が表れそうだ。
参照リンク
- Jリーグ公式:カターレ富山 vs 北海道コンサドーレ札幌/明治安田J2リーグ 2026/27 第13節・試合情報、プレビュー(2026年10月23日確認。プレビューの公開日・更新日は不明)
