鳥取vs高知、復調の鍵は攻撃だけではない ロングパスの先の守備に注目
前からボールを奪いに出た鳥取が、長いパスでその守備を越されたら、後ろのサイドをどう守るか。10月25日の高知ユナイテッドSC戦では、鳥取の得点力と同じくらい、前からの守備を越された後の対応に注目したい。
高知は直近5試合すべてで複数失点している。しかし、それだけで鳥取の攻撃がうまくいくとは判断できない。鳥取自身にも、相手のロングパスとサイドへの対応という課題が指摘されているためだ。
この試合で鳥取は、攻撃と守備の両方を立て直せるか。高知にとっても、失点を抑えることと、相手の守備を越えて攻めることをどう両立させるかが焦点になりそうだ。
- 開催は2026年10月25日、13:00キックオフ。会場はAxisバードスタジアム。
- 鳥取は、前からボールを奪いに出た後のサイドの守備が注目点。
- 高知は、5試合続く複数失点を止めながら、攻撃の機会をつくれるか。
対戦の前提――ともに前節の複数失点から立て直す一戦
両チームとも、前節は3失点で敗れており、守備の修正が問われる対戦となる。
- 大会・シーズン・節: 明治安田J3リーグ 2026/27 第13節
- 対戦: ガイナーレ鳥取 vs 高知ユナイテッドSC
- 開催日時: 2026年10月25日、13:00
- 会場: Axisバードスタジアム
Jリーグ公式の対象試合ページに掲載された前節の結果は、鳥取がアウェイの熊本戦で0-3、高知がアウェイの鹿児島戦で1-3だった。
同ページのプレビューを執筆した石倉利英氏は、鳥取の熊本戦について、一進一退の攻防から69分の失点を機に崩れたと評している。一方、高知については、引き分けでも連敗を止めて勝点を伸ばすことが急務で、守備の立て直しが必要だと指摘している。Jリーグ公式の試合情報・プレビュー
この評価から考えると、鳥取には競り合っている時間帯の戦いを失点後も保つこと、高知には失点を重ねず試合を進めることが、それぞれ重要になりそうだ。ただし、石倉氏の評価は、高知が守備的な布陣を選ぶというチームの意思表明ではない。
最大の接点は、鳥取のプレスを越えた先のサイド
鳥取の守備を見るなら、最初のボールへの寄せだけでなく、その背後まで追いたい。
石倉氏は鳥取について、ロングパスでプレッシングを回避され、サイドのスペースを突かれる失点やピンチが増えていると評している。プレッシングとは、相手のボール保持者に近づき、時間やパスの選択肢を奪う守備のことだ。
この指摘を踏まえると、鳥取の課題は「前から追うか、追わないか」だけでは捉えにくい。前の選手が寄せても、相手が長いパスを通せば、その先の選手が対応する必要がある。高知戦でも同じ経路を使われた場合は、サイドに出たボールへ誰が近づき、中央を誰がカバーするかが焦点になると考えられる。
高知が使える可能性と、まだ判断できない点
高知にとっては、鳥取の最初の寄せを越えて前進する方法が一つの論点になりそうだ。短いパスをつなぐのか、長いボールを使うのかによって、鳥取の守備が対応する場所も変わると考えられる。
ただし、高知がロングパスを得意としていることや、この試合で積極的に採用することまでは確認できていない。鳥取に指摘されている課題は、相手が自動的に利用できる弱点を意味するわけではない。
観戦では、次の流れを一続きで追うと、両者のかみ合わせを捉えやすそうだ。
- 鳥取が前から寄せたとき、高知はどこへボールを出そうとするか。
- 長いパスが出た場合、高知は味方につなげられるか。
- 鳥取はサイドへ運ばれても、中央へのパスやクロスを防げるか。
長いボールを蹴らせたことと、攻撃を止めたことは分けて見たい。 鳥取がその先のボールを回収できれば、前からの守備が攻撃の出発点になる可能性もある。
高知の5試合連続複数失点は、鳥取の攻略法までは示さない
高知の失点記録は守備の苦しさを示すが、鳥取がどこを攻めればよいかまでは説明していない。
Jリーグ公式の対象試合ページによると、高知は前節まで11試合連続で失点し、直近5試合はいずれも複数失点だった。
鳥取にとっては得点を目指したい相手の状況だが、この数字だけから、中央、サイド、セットプレーのどこに攻略の余地があるかを特定することはできない。高知が失点を重ねてきたことと、今回も同じように失点することは別の話になる。
鳥取の攻撃を評価する際は、得点の有無に加えて、どのような形でゴールへ近づいたかを見たい。高知の守備を動かしてシュートまで運べたのか、それとも攻めても最後の場面で止められたのかで、攻撃の手応えは違ってくるはずだ。
高知についても、無失点の時間の長さだけでなく、その間に鳥取の攻撃へどう対応しているかが判断材料になりそうだ。危険な場所へ入れさせずに守れているなら、守備の立て直しを考えるうえで前向きな材料になると考えられる。
藤森隆汰の1得点を、今回はどの状況につなげるか
高知の攻撃では、藤森隆汰が前節に得点した事実を押さえつつ、今回の得点機が生まれる状況に注目したい。
藤森は鹿児島戦の終盤、0-3の状況から1得点を挙げた。
この得点は高知の攻撃について確認できる具体的な材料だが、3点を追う終盤の1点でもある。それだけで攻撃全体が改善したことや、鳥取のサイドの課題を突けることまでは判断できない。
藤森が起用される場合は、どの時間帯、どのスコアの局面でゴールに近づけるかを見たい。同点の時間帯に得点機をつくる場合と、点差が開いてから攻め込む場合では、試合への影響も変わると考えられる。
高知が失点を抑えながら攻撃の機会をつくれれば、鳥取には守備への備えを保ったまま得点を狙う難しさが生まれそうだ。逆に、高知が押し込まれ続ける展開なら、前へ運んだボールを味方につなげられるかが重要になるだろう。
見立て――鳥取の復調は、得点と「その後ろ」をセットで見る
鳥取が立て直せるかを判断するには、攻撃の結果と、相手に前からの守備を越された後の対応を併せて見る必要がありそうだ。
鳥取は前節0-3で敗れ、高知は5試合続けて複数失点している。同時に、鳥取にはロングパスでプレッシングを回避され、サイドを使われるという指摘がある。
この材料からは、鳥取が高知の守備に迫る展開だけでなく、高知が鳥取の寄せを越えて攻撃へ移る展開も考えておきたい。どちらが優位かを断定するより、両チームがそれぞれの守備の課題をどう処理するかに注目するのが、この一戦を読む手掛かりになる。
参照した公式情報では、先発や布陣、具体的な修正策を確認できていない。試合当日は、次の3点を確かめたい。
- 鳥取: 長いパスで前からの守備を越されても、サイドから決定機をつくらせずに対応できるか。
- 高知: 鳥取の攻撃に対し、危険な場所への侵入を抑えられるか。
- 攻守の接点: 鳥取が攻めた後、高知がボールを前へ運んだ場面で、どちらが次のプレーを成功させるか。
鳥取が得点したとしても、同じ守備の経路からピンチを重ねるなら課題は残る。高知も、失点を抑えるだけでなく攻撃へつなげられるか。ボールが鳥取の最初の寄せを越えた瞬間、その先のサイドに目を向けたい。
