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清水、広島に0―4敗戦 前後半をまたぐ失点と「シュート10本・枠内2本」の隔たり

広島とのアウェー戦を終え、ピッチに立つ清水の選手をイメージしたイラスト。

清水、広島に0―4敗戦 前後半をまたぐ失点と「シュート10本・枠内2本」の隔たり

前半41分に先制され、後半5分には2点差。2026年10月24日、エディオンピースウイング広島で行われた2026/27明治安田J1リーグ 第12節は、ホームのサンフレッチェ広島が清水エスパルスに4―0で勝利した。清水はアウェーで無得点に終わった。

清水はどこで試合を取り戻せなくなったのか。得点経過で注目したいのは、前半終盤の先制点に続き、後半早々にも失点したことだ。さらに、清水はシュート10本を放ちながら枠内は2本。敗因を最後の決定力だけに絞るには、この攻撃の数字も検討する必要がある。

  • 清水は0―1で折り返したが、後半5分に途中出場の浅野拓磨に追加点を許した。
  • シュートは広島16本、清水10本。枠内シュートは広島6本、清水2本だった。
  • 広島はその後も2得点。4点目はオウンゴールで、4失点すべてを相手のシュートの決定力で説明することはできない。
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試合の分岐点は、1点差で迎えた後半の入り

清水は前半を1点差で終えたものの、後半開始から5分で追う点差が広がった。

Jリーグ公式の試合記録による得点経過は次の通りだ。

  • 前半41分:松本泰志が広島の先制点。広島が先制した。
  • 後半5分:浅野拓磨が追加点。広島のリードは2点に広がった。
  • 後半24分:鈴木章斗が得点。広島のリードは3点に広がった。
  • 後半30分:オウンゴールで広島に追加点。広島4―0清水。

清水は後半開始時にカピシャーバに代わって藤井智也が出場した。後半4分、清水は木下康介に代わってオ セフンが出場した。同じ後半4分、清水は平戸太貴に代わって小塚和季が出場した。広島は後半開始時に加藤陸次樹に代わって浅野拓磨が出場した。浅野拓磨は後半5分に追加点を記録した。

この経過から、清水にとって重かったのは、後半に入って選手を入れ替えた直後にも得点差を広げられたことだと考えられる。1点を返せば同点という状況から、追いつくために2得点が必要な状況へ変わった。

ただし、交代の直後に失点したことと、交代が失点を招いたことは別だ。時間的な前後関係だけで、投入された選手や配置変更を原因にはできない。広島について確認できる具体的な成果は、後半から入った浅野が追加点を挙げたことにある。

清水が点差を縮める前に、後半24分には鈴木章斗の得点、後半30分にはオウンゴールが続いた。結果として、0―2からの反撃は得点に結び付かず、差はさらに広がった。

その他の交代と警告

両チームは前半にも選手を交代している。後半の追加点に関わる交代以外の記録は以下の通りだ。

  • 前半17分・広島:川村拓夢に代わり川辺駿。
  • 前半27分・清水:弓場将輝に代わり小泉慶。
  • 後半25分・広島:菅大輝に代わり東俊希。
  • 後半25分・広島:鈴木章斗に代わりクシニ イェンギ。
  • 後半37分・広島:鮎川峻に代わり小林志紋。
  • 後半42分・清水:嶋本悠大に代わり大畑凜生。

警告は次の2件だった。

  • 後半17分:警告・ジャーメイン良(清水エスパルス)。
  • 後半45+3分:警告・荒木隼人(サンフレッチェ広島)。

交代の理由や各選手への指示までは、この時刻の記録だけでは判断できない。早い交代を負傷と結び付けたり、終盤の交代を特定の戦術意図で説明したりすることは避けたい。

シュート10本は残したが、枠内では広島に差をつけられた

清水の攻撃を「何もできなかった」と片付けるのは適切ではない一方、広島はシュート数と枠内シュート数の両方で上回った。

項目 サンフレッチェ広島(ホーム) 清水エスパルス(アウェイ)
シュート 16 10
枠内シュート 6 2
ボール支配率 57% 43%
パス成功率 80% 74%
コーナーキック 7 4

清水はシュート10本、枠内シュート2本。広島はシュート16本、枠内シュート6本だった。ボール保持率は広島57%、清水43%、パス成功率は広島80%、清水74%。コーナーキックも広島7本に対して清水4本だった。

「打てた」と「相手ゴールを脅かした」は分けて考えたい

清水にもシュートまで到達する攻撃はあった。ただ、シュート数だけで攻撃を肯定すると、枠内シュートが2本にとどまった点を見落とす可能性がある。

広島との差は、放った本数だけでなく、枠を捉えた本数にも残っている。このため、清水の無得点を「好機は十分に作ったが、最後だけ決まらなかった」と説明する根拠は足りない。シュートを打つ前の運び方や、打つ位置と状況も検討対象になると考えられる。

一方で、枠内シュート2本を、そのまま決定機2回とは読み替えられない。枠外でも得点に近いシュートはあり得るし、枠内でも得点の難しいシュートはある。今回の本数だけでは、清水がどれほど質の高い機会を作れたかまでは判断できない。

保持率の差だけで、攻撃の方法までは決められない

広島は保持率とパス成功率でも清水を上回った。シュート数、枠内シュート数と合わせれば、広島が複数の攻撃指標で優位だったことは確認できる。

ただし、保持率43%だから清水が一貫してカウンターを狙った、パス成功率74%だから広島の前線守備に崩された、とまでは説明できない。ボールを持った場所や失った位置がなければ、数字と具体的な戦術を結び付けるのは難しい。

また、これらはすべて試合全体の数字だ。清水が0―1の時間帯にどれだけ反撃できたか、0―2になってからシュートを増やしたかという違いは分からない。最終的な数字を、試合中のどの時間帯にも当てはめないことが大切になる。

4失点の重さと、決定力だけでは説明できない敗戦

清水の課題は、無得点と失点の積み重ねを両方から捉える必要があると考えられる。

広島は松本、浅野、鈴木の得点に加え、オウンゴールで4点目を記録した。清水は前半41分の失点後、得点を返せないまま後半にも3失点した。

この経過は、清水が1点差を維持して同点を狙う展開に持ち込めなかったことを示している。ただし、4失点をすべて同じ守備上の問題で括ることも、広島の枠内シュート6本と4得点を直接結び付けて決定力を評価することもできない。4点目にはオウンゴールが含まれるためだ。

清水側で収穫の手掛かりとできるのは、シュート10本を記録した点だろう。ただ、それを攻撃の好内容と評価するには、打つまでの過程やシュートの難しさを確かめる必要がある。逆に、0―4という点差だけから、すべての攻撃や守備対応が機能しなかったと結論づけるのも早い。

今回の敗戦を捉える軸は、前半終盤から後半早々にかけて点差を広げられた経過と、枠内シュート数にも残った攻撃の差にあると考えられる。清水が試合を取り戻せなかった理由を詰めるには、次の場面を具体的に見ることが重要になる。

  • 前半41分の先制点と後半5分の追加点で、失点に至る守備対応はどう違ったか。
  • 清水のシュート10本は、どこから、どのような体勢で放たれたか。
  • 0―1、0―2の局面で、清水は得点に近づく攻撃を作れていたか。

「決め切れなかった」で終えるには、枠内2本という数字が残る。「守れなかった」で終えるには、失点ごとの検証が要る。清水が見直したいのは、点差が広がった場面と、10本のシュートを得点につなげるまでの過程だ。

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