秋田、保持率39%でもシュートは今治を上回る――鈴木翔大の88分弾が決めた1―0
64分に途中出場した鈴木翔大が、88分に決勝点を挙げた。2026年10月25日、ソユースタジアムで行われた2026/27明治安田J2リーグ第13節は、ブラウブリッツ秋田がFC今治に1―0で勝利した。
保持率61%の今治に対し、秋田はどこで勝利をつかんだのか。記録に表れているのは、保持率39%でもシュート13本、枠内シュート5本を記録し、途中出場の鈴木が唯一の得点を挙げたという関係だ。今治はシュート12本、枠内シュート4本。ボールを持つ割合と、シュート数の優位は一致しなかった。
- 秋田は保持率で下回った一方、シュート数と枠内シュート数では各1本上回った。
- 今治は保持率61%、パス成功率70%を記録したが、無得点に終わった。
- 決勝点は88分。64分から出場した鈴木翔大が試合を動かした。
試合結果と主要データ――保持とシュートで優位が分かれた
今治が保持率とパス成功率で上回り、秋田がシュート数と枠内シュート数で上回った試合だった。
- 大会:2026/27明治安田J2リーグ 第13節
- 開催日:2026年10月25日
- 会場:ソユースタジアム
- 結果:ブラウブリッツ秋田 1―0 FC今治
- 得点:88分、鈴木翔大(ブラウブリッツ秋田)
| 項目 | ブラウブリッツ秋田(ホーム) | FC今治(アウェイ) |
|---|---|---|
| シュート | 13 | 12 |
| 枠内シュート | 5 | 4 |
| ボール支配率 | 39% | 61% |
| パス成功率 | 48% | 70% |
| コーナーキック | 7 | 6 |
秋田のパス成功率は48%、今治は70%。CKは秋田7本、今治6本だった。Jリーグ公式の試合記録では、ボール保持やパスの成功に関する指標と、シュートやCKの本数で、両チームの大小関係が分かれている。
この組み合わせからは、今治が多くボールを保持するなかでも、秋田が相手を上回る本数のシュートを記録した試合と読むのが妥当だろう。秋田を「ボールを持てず、攻撃できなかった側」と捉えると、シュートの記録を説明できない。
秋田の収穫――保持率の低さがシュート数の少なさにつながらなかった
秋田の勝利を読むうえでは、保持率39%とシュート13本をセットで見ることが重要になる。
秋田は今治より保持率、パス成功率ともに低かったが、シュートは13対12、枠内シュートは5対4だった。CKも7対6で秋田が上回った。
これらは、秋田がボール保持の割合で下回りながらも、シュートやCKを得ていたことを示す材料になる。保持率だけを根拠に、今治が攻守のすべてで優勢だったと評価するのは難しい。
ただし、本数の差は、そのまま決定機の質の差にはならない。枠内シュートには、GKが比較的対応しやすいものも、得点に近いものも含まれる。5対4という数字だけから、秋田のほうが明確に良い機会をつくったとまでは判断できない。
パス成功率48%についても、秋田がどこで、どのようなパスを失敗したかによって評価は変わる。相手ゴールへ向かう難しいパスと、自陣でのミスを同じ意味で扱うことはできない。この数字だけで、ロングボールや速攻の有効性まで結論づけるのは避けたい。
今治の課題――保持の優位は、シュートの優位にならなかった
今治は保持率61%、パス成功率70%を記録した一方、シュート数と枠内シュート数では秋田を下回った。
それでも、今治には12本のシュートと4本の枠内シュートがある。無得点という結果だけで、ゴールを狙う機会自体がなかった試合とは扱えない。
今治側の課題として考えられるのは、保持やパス成功率で上回ったことを、相手以上のシュート数や得点へ結び付けられなかった点だ。ただし、その理由が最後のパスにあったのか、シュートの選択や精度にあったのか、秋田の守備対応にあったのかは、この集計だけでは絞り込めない。
ここで分けたいのは、「無得点だった」という結果と、「攻撃が機能しなかった」という評価である。今治の枠内シュート4本は、秋田だけが攻撃できていたという読みへの反対材料になる。一方で、保持の優位を示す数字も、今治のほうが勝利に近かったと断定する根拠にはならないだろう。
決勝点の意味――64分投入の鈴木翔大が88分に結果を変えた
勝敗を直接分けたのは、途中出場した鈴木翔大による88分の得点だった。
秋田は64分、半田航也に代えて鈴木翔大を投入。同じ時間に、中野嘉大に代わって長谷川巧も出場した。その後、鈴木がこの試合唯一のゴールを挙げている。
交代記録を時刻順に整理すると、両チームは得点前までに次の選手を送り出していた。
- 52分・今治:古山兼悟に代えて持井響太。
- 64分・秋田:半田航也に代えて鈴木翔大、中野嘉大に代えて長谷川巧。
- 68分・今治:駒井善成に代えて加藤潤也。
- 72分・秋田:大石竜平に代えて岩井琢朗。
- 86分・秋田:藤山智史に代えて水谷拓磨、梅田魁人に代えて佐川洸介。
- 87分・今治:エジガルジュニオに代えてウェズレイタンキ、森晃太に代えて近藤高虎。
鈴木の途中出場と決勝点を結び付ければ、秋田が交代選手の得点によって勝利したことは明確だ。ただし、交代後に攻撃全体が改善したという評価には、交代前後のプレーや機会の比較が必要になる。
また、今治の87分の2枚替えの後、88分に秋田の得点が記録されている。時間的には隣り合う出来事だが、それだけで交代が失点の原因だったとは判断できない。選手が入れ替わった事実と、守備の連係が崩れたという説明は分けて考える必要がある。
警告は、26分に吉田謙(ブラウブリッツ秋田)、85分に梅木怜(FC今治)、90+3分に土井紅貴(ブラウブリッツ秋田)に記録されている。
清水サポーターが持ち帰りたい点――保持率の先にあるシュートを見る
清水エスパルスのサポーターがこの一戦から読み取れるのは、保持率で下回る相手でも、シュート数まで少ないとは限らないという具体例だ。
秋田は保持率39%で、シュート13本、枠内シュート5本。今治は保持率61%で、シュート12本、枠内シュート4本だった。そこへ、64分から出場した鈴木翔大の88分の得点が加わり、1―0という結果になった。
清水の試合を振り返る際にも、ボールを持った割合だけで安心したり、持てなかった割合だけで悲観したりするより、次の点を重ねて見ることが役立つだろう。
- 保持の優位が、相手を上回るシュートにつながっているか。
- 相手に許したシュートは何本で、どのような場面から生まれたか。
- 途中出場選手の得点と、交代による試合内容の変化を区別できているか。
この試合では、今治の保持の優位に対して、秋田はシュート数で下回らず、最後は交代選手が得点した。勝敗を分けた答えはそこにある。一方、秋田がどのように13本を生み、鈴木の決勝点へつなげたのかというプレーの中身は、総数だけでは説明し切れない。保持率と結果の間を埋めるには、シュートに至る局面を見る必要がある。










