松本17本・山口12本でも0―2 交代選手の連続得点が分けたアルウィンの一戦
68分に郡司璃来、70分に野村直輝。レノファ山口FCは、63分に投入した2人の得点で松本山雅FCを破った。2026年10月25日、サンプロ アルウィンで行われた2026/27明治安田J3リーグ第13節は、松本0―2山口で終了した。
シュート数で上回った松本が、なぜ無得点で敗れたのか。記録から最も具体的に読み取れる分岐点は、山口の交代選手2人が出場から5分、7分で得点し、松本の3人交代より先に2点差をつけたことにある。ただし、シュートの本数だけでは、両チームが作った決定機の質まで説明できない。
- 松本のシュートは17本、山口は12本。枠内シュートはともに11本。
- 山口は63分に3人を交代し、そのうち郡司と野村が続けて得点した。
- 松本は71分に3人、76分に2人を交代したが、得点には届かなかった。
試合を動かしたのは、63分投入の2人だった
山口の2得点は、いずれも途中出場した選手によるものだった。
Jリーグ公式の試合記録では、山口は63分に田邉光平に代えて伊藤拓巳、中島賢星に代えて野村直輝、渡邉颯太に代えて郡司璃来を投入している。
その後、68分に郡司が先制し、70分に野村が追加点を挙げた。出場から得点までの時間は郡司が5分、野村が7分。山口は2分間隔でスコアを動かした。
この経過からは、交代が得点者の顔ぶれを直接変えたことが分かる。一方、2人の投入によって配置や攻撃経路がどう変わったかは、交代と得点の記録だけでは判断できない。選手交代の効果は結果に表れているが、その仕組みを特定の戦術に結び付けるには、得点場面の組み立てまで見る必要がある。
松本にとって重かったのは、先制された直後に追加点を許したことだと考えられる。1点を追う状況から、同点にするために2得点が必要な状況へ、短い間に変わったためだ。
シュート17対12、CK12対0でも得点差は逆になった
松本はシュートとCKの本数で上回ったが、その差を得点には変えられなかった。
シュートは松本17本、山口12本。枠内シュートはともに11本だった。CKは松本12本に対し、山口は0本。松本には複数の攻撃指標で山口を上回る数字が残った一方、得点は0対2だった。
本数の多さと、決定機の質は分けて読む
松本のシュート数は、無得点という結果だけでは見えない攻撃面の材料になる。ただし、これをそのまま「松本が試合を支配した」と評価するのは難しい。
シュートの位置、相手の寄せ方、GKとの距離などが分からなければ、17本の中にどれだけ得点しやすい場面があったかは判断できない。山口の12本についても同じだ。枠内シュートが同数でも、止めやすいシュートと至近距離からのシュートでは意味が違う。
したがって、この試合を単に「松本の決定力不足」と片付けるのは早いと考えられる。松本が好機を逃したのか、山口が難しい形で打たせたのか、あるいはその両方だったのか。本数の比較だけでは切り分けられない。
CK12本は攻撃の材料だが、優勢の証明にはならない
松本は12本のCKを得たが、試合を通じて得点を挙げられなかった。山口はCK0本で2得点を記録した。
松本にはセットプレーから得点を狙う機会があった一方、その回数が得点に結び付かなかった点は振り返る対象になる。ただし、CK後にどんなシュートへつながったかまでは、この数字から分からない。
山口についても、CKがなかったことを攻撃の弱さと同一視できない。少なくとも、CKの獲得数で上回らなくても2得点を挙げた。攻撃を評価する際は、相手陣内で得た回数と、実際にゴールへ結び付けた場面を分けて考える必要がありそうだ。
松本の5人交代は、2点を追う状況で行われた
松本の交代策を評価するうえでは、すべてが2失点後だったという順序が重要になる。
松本は71分に3人、76分に2人を交代した。山口も76分と90分に選手を入れ替えている。
- 71分・松本:田口裕也に代えて藤枝康佑、田中想来に代えて井上愛簾、佐藤亮に代えて安永玲央。
- 76分・松本:村上陽斗に代えて金子翔太、佐相壱明に代えて北爪健吾。
- 76分・山口:山本駿亮に代えて大岩一貴。
- 90分・山口:郡司璃来に代えて藤岡浩介。
山口は同点の時間帯に投入した選手が得点し、松本は2点を追う時間帯に5人を投入した。両チームの交代は、置かれた条件が異なる。
松本の交代後に得点が生まれなかったことは結果として残った。ただし、そこから途中出場選手の働きが乏しかったとまでは断定できない。交代前後のシュートや決定機を分けた記録がなければ、攻撃が改善したかどうかは判別できないためだ。
警告は次の2件だった。
- 76分:警告・安永玲央(松本山雅FC)。
- 90+1分:警告・大岩一貴(レノファ山口FC)。
いずれも山口の2得点後の出来事であり、先制点や追加点を説明する要因には置けない。
結果を分けたのは、攻撃の回数より得点へ変えた局面
この試合で最も明確な差は、山口が交代選手の連続得点を得た一方、松本はシュート17本とCK12本を得点へつなげられなかったことにある。
山口にとっては、63分に入った郡司と野村が短時間で結果を出し、無失点で勝利した点が収穫になる。ただし、この1試合の数字から、相手のシュートを許しても問題のない守りだったとまでは評価できない。
松本にとっては、攻撃の本数が残ったことと、得点できなかったことを同時に検討する必要がありそうだ。本数をさらに増やすだけで解決するのか、それともシュートを打つ位置や、CKから最初にボールへ触る形に課題があったのかで、必要な改善は変わる。
振り返りの焦点は2つに絞られる。
- 山口の63分の交代から、郡司と野村の得点へどう攻撃がつながったか。
- 松本の17本のシュートと12本のCKに、どれだけ得点へ直結する場面があったか。
交代選手が決めた山口と、攻撃回数を得点に変えられなかった松本。 0―2の理由をさらに掘り下げるなら、次に見るべきは本数の差ではなく、この2つの局面の中身だ。

