シュート13本ずつで0-4――札幌が今治を突き放した得点のタイミング
シュートは両チームとも13本。それでも、FC今治と北海道コンサドーレ札幌の一戦は0-4で決着した。何がこの差を生んだのか。記録から浮かぶのは、札幌が前半終了間際と後半開始直後に得点を重ね、今治のハーフタイムの3人交代後にもリードを広げたことだ。
2026年11月3日、アシックス里山スタジアムで行われた明治安田J2リーグ 2026 第15節。札幌はヴィニ ペイショットの2得点などで勝利した。攻撃の回数だけでは説明できない4点差を、シュートの内訳と得点・交代の時間から読み解く。
- シュートは13本対13本、枠内シュートは今治5本、札幌6本。
- 札幌は26分、44分、52分、73分に得点。前後半の境目で0-1を0-3にした。
- 今治はハーフタイムに3人を交代。札幌は61分に投入した唐山 翔自が4点目を挙げた。
試合結果と経過――札幌は前後半に2点ずつ
札幌は前半に2点を先行し、後半も2点を加えて無失点で終えた。
- 大会:明治安田J2リーグ 2026 第15節
- 開催日:2026年11月3日
- 会場:アシックス里山スタジアム
- 最終スコア:FC今治 0-4 北海道コンサドーレ札幌
得点はすべて札幌だった。
- 26分:ヴィニ ペイショット
- 44分:木實 快斗
- 52分:ヴィニ ペイショット
- 73分:唐山 翔自
札幌は26分の先制に続き、44分に追加点を記録した。後半は52分に3点目、73分に4点目。今治は最後まで得点を記録できなかった。Jリーグ公式の試合記録
同じ13本でも、得点に結び付いた数が違った
シュート総数の差ではなく、シュートを得点へつなげた結果に大きな開きがあった。
| 項目 | FC今治(ホーム) | 北海道コンサドーレ札幌(アウェイ) |
|---|---|---|
| シュート | 13 | 13 |
| 枠内シュート | 5 | 6 |
| ボール支配率 | 53% | 47% |
| パス成功率 | 81% | 81% |
| コーナーキック | 7 | 4 |
シュート数は今治13本、札幌13本。枠内シュートは今治5本に対して札幌6本だった。ボール支配率は今治53%、札幌47%で、パス成功率はともに81%。コーナーキックも今治7本、札幌4本と、今治が上回った。
この数字からは、今治がボールを持つ時間やシュートに至る機会をまったく作れなかった試合とは考えにくい。とりわけ枠内シュートの差は1本であり、4点差を単純に「札幌が打ち続け、今治が何もできなかった」と説明するのは適切ではないだろう。
枠内シュート1本差を、どう読むか
札幌は6本の枠内シュートを記録して4得点。今治は5本の枠内シュートを記録したが、得点は0だった。
札幌が得点に結び付けた一方、今治は枠内へ飛ばしても得点を得られなかった。 この違いが、結果を分けた最も直接的な数字と考えられる。ただし、それをそのままシュート技術だけの差と評価することはできない。
枠内シュートの本数は、打った位置、相手選手の寄せ方、コースの厳しさまでは表さない。同じ枠内1本でも得点の難しさは異なるため、この集計だけで攻撃側の決定力と守備側の対応を切り分けるのは難しい。
今治にとっては、シュート数を増やすことに加え、13本のうちどれだけを得点しやすい状況で打てたかが検討点になるだろう。札幌についても、4得点の評価と、相手に13本、うち枠内5本を許した守備の評価は分けて考える必要がある。
今治の保持率とコーナーキックは、反撃の成果とは別
今治はボール支配率とコーナーキック数で上回り、パス成功率では札幌と並んだ。
それでも無得点だったことから、今治にはボールを持った後の攻撃を得点へつなげる課題が残ったと考えられる。一方で、保持率53%という数字だけから「試合を支配した」と評価するのも早い。札幌がリードしていた時間を含む試合全体の集計であり、どの場所で、どのスコアのときにボールを持ったかまでは分からないためだ。
コーナーキック7本も攻撃機会の一つではあるが、その数をそのまま決定機の数として扱うことはできない。今治の攻撃を評価するうえでは、回数を確保した点と、得点を得られなかった点の両方を見るべきだろう。
44分と52分の得点で、今治が追う点差が広がった
札幌は前半終了間際と後半開始直後に得点し、今治が追う点差を短い区間で広げた。
26分の先制点に続き、44分には木實 快斗が得点。今治は0-2でハーフタイムを迎え、後半開始時に次の3人を交代した。
- エジガル ジュニオ → 古山 兼悟
- 山田 貴文 → 柴野 快仁
- 駒井 善成 → 持井 響太
その後、52分にヴィニ ペイショットが自身2点目を挙げ、スコアは0-3になった。
今治にとって、後半の最初の得点をどちらが奪うかは重い意味を持っていたはずだ。1点を返せば1点差になる状況で、逆に3点差へ広がった。3人を入れ替えて迎えた後半の早い段階で失点したことが、追い上げを難しくしたと考えられる。
ただし、52分の失点を交代の失敗と結び付けることはできない。交代と失点の順番は確認できても、失点場面で誰がどの役割を担い、何が崩れたかは、この記録だけでは説明できないからだ。
この試合では、今治が反撃に移りたい節目で、札幌が次の得点を奪ったことが大きかったと考えられる。4得点という合計だけでなく、44分と52分に点差が広がった順序に、試合を読む手がかりがある。
交代後にも得点した札幌、最後まで無得点だった今治
札幌は2得点のヴィニ ペイショットを下げた後にも追加点を挙げた。
61分、札幌は3人を交代した。
- 堀米 悠斗 → 木戸 柊摩
- ヴィニ ペイショット → 荒野 拓馬
- スパチョーク → 唐山 翔自
70分にはアマドゥ バカヨコに代えてティラパットを投入。73分、途中出場の唐山 翔自が4点目を記録した。
唐山の得点は、交代選手が実際にスコアを動かしたという点で意味がある。札幌にとっては、2得点した選手の交代後も得点が続いた。一方、交代が攻撃の形をどう変えたか、唐山への投入時の指示が何だったかまでは断定できない。
今治は76分に森 晃太から久保 恵音、83分に梶浦 勇輝からウェズレイ タンキ、90+4分にガブリエル ゴメスから丸山 大和へ交代した。札幌は80分に内田 瑞己から青木 亮太、90+4分に浦上 仁騎からキム ゴヌンへ交代している。
警告の記録は、35分の内田 瑞己(北海道コンサドーレ札幌)だった。
今治の後半の交代はいずれも得点にはつながらなかった。ただ、76分以降はすでに4点差の状況だったため、札幌の61分の交代と成果だけを横並びにして、選手起用の優劣を決めるべきではないだろう。交代時点の点差と残り時間を含めて評価する必要がある。
4点差の核心は、攻撃回数よりも得点への結び付き
この試合の差は、シュートの量よりも、得点を奪えたかどうかと、そのタイミングにあったと考えられる。
札幌は今治と同じ13本のシュートから4得点を挙げ、44分と52分には点差を広げた。さらに途中出場の唐山が追加点を記録し、守備では今治を無得点に抑えた。
今治は保持率53%、シュート13本、枠内シュート5本、コーナーキック7本を記録した。それでも得点はなかった。攻撃機会を作った数字が残るだけに、課題を単に「攻められなかった」の一言で片付けると、見直すべき部分を絞りにくくなるだろう。
振り返る際の焦点は、次の3点になる。
- 今治の攻撃:シュート13本を、どれだけ得点しやすい位置や状況で打てていたか。
- 今治の守備:44分と52分の失点で、前後半の境目に何が起きたか。
- 札幌の攻守:4得点につながった機会の作り方と、枠内シュート5本を受けながら無失点で終えた対応を、それぞれどう評価するか。
0-4は明確な結果だ。ただ、その内側を確かめるなら、13本対13本という総数から一歩進み、得点場面と今治の枠内シュートを照らし合わせることが、両チームの差を具体的に捉える次の焦点になる。










