広島vs川崎F展望:初戦の1点が重くなる7-8位決定戦、鍵は広島のクロスと川崎Fの中央突破
サンフレッチェ広島と川崎フロンターレのプレーオフラウンドは、第1戦でどちらが試合を動かすかが大きい。5月30日(土)14:00、エディオンピースウイング広島で行われる7-8位決定戦の第1戦は、2試合合計で最終順位を決める形式だ。
広島は地域リーグラウンド終盤に京都戦4-0、名古屋戦4-2と得点を伸ばしてきた。一方の川崎Fも最終節で水戸に3-1と勝ち、直前の町田戦は1-1からPK勝ち。勢いだけなら両チームとも悪くない。
先に押さえたいポイントは次の通り。
- 第1戦:2026年5月30日(土)14:00、Eピースで広島 vs 川崎F
- 第2戦:2026年6月6日(土)19:00、U等々力で川崎F vs 広島
- 広島は地域リーグラウンドで30勝点、29得点21失点
- 川崎Fは28勝点、23得点27失点
- 広島は東俊希の供給力、荒木隼人の空中戦が強み
- 川崎Fはエリソンの決定力と、チームとしてのパス量が焦点
ここがポイント: 第1戦は延長戦・PK戦なし。広島がホームで先行できるか、川崎Fが失点を抑えて等々力に持ち帰れるかで、第2戦の性格が大きく変わる。
試合の基本情報
まずは日程と大会形式を整理しておきたい。
| 大会 | 明治安田J1百年構想リーグ プレーオフラウンド |
|---|---|
| カード | サンフレッチェ広島 vs 川崎フロンターレ |
| 位置づけ | 7-8位決定戦 第1戦 |
| 日時 | 2026年5月30日(土)14:00キックオフ |
| 会場 | エディオンピースウイング広島 |
| 第2戦 | 2026年6月6日(土)19:00、Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu |
Jリーグ公式の大会概要では、プレーオフラウンドは各グループ同順位同士のホーム&アウェイ方式。第1戦で90分を終えて同点でも延長戦やPK戦は行わず、2試合合計で並んだ場合は第2戦後に延長戦、なお決まらなければPK戦に進む。
つまり、初戦の1点差は重い。ただし、初戦だけで勝負を決めに行きすぎると、第2戦の川崎Fホームでリスクを抱える。広島は先制、川崎Fは最少失点。この構図が見えやすい。
地域リーグラウンドの数字から見る両チーム
広島と川崎Fは、ともに各地域グループ4位から7-8位決定戦へ回った。順位は近いが、数字の出方は少し違う。
| チーム | 勝点 | 得点 | 失点 | 得失点差 |
|---|---|---|---|---|
| サンフレッチェ広島 | 30 | 29 | 21 | +8 |
| 川崎フロンターレ | 28 | 23 | 27 | -4 |
広島は18試合で29得点。Jリーグ公式のチームスタッツでも1試合平均得点1.6が上位に入り、攻撃面の出力は安定している。終盤の京都戦4-0、名古屋戦4-2も、その数字を裏づける結果だ。
川崎Fは23得点に対して27失点。得点力そのものが低いわけではないが、複数失点の試合をどう減らすかが課題になる。特に第1戦はアウェイ。2点目を取りに行く時間帯と、失点を避ける時間帯の線引きが勝敗を分ける。
広島の見どころ:幅を使った攻撃とセットプレー後の圧力
広島の攻撃でまず見たいのは、左サイドからのボールの入り方だ。
Jリーグ公式の選手スタッツでは、東俊希がアシスト7で上位に入っている。広島が押し込む時間を作れれば、東のクロスやサイドチェンジから川崎Fの最終ラインを動かせる。
東俊希の供給と荒木隼人の高さ
広島の強みは、単にクロスを入れることではない。
- 東俊希が外から質の高いボールを入れる
- 相手DFが下がる
- こぼれ球やセカンドボールを拾って二次攻撃につなげる
- 荒木隼人らがセットプレーや空中戦で圧力をかける
荒木はJリーグ公式スタッツで空中戦勝利数の上位に名前がある。第1戦で広島が主導権を握るには、流れの中だけでなく、CKやFK後の混戦をどれだけ得点機会に変えられるかが大きい。
ホーム初戦で急ぎすぎないこと
広島はホームで先に点を取りたい。ただし、川崎Fには中央を使って一気に前進する力がある。前がかりになった背後を使われると、第2戦を前に苦しい展開になる。
広島に必要なのは、前半から圧力をかけつつ、失った直後の守備を切らさないこと。特にサイドバック、ウイングバック周辺の背後は、川崎Fが狙いやすい場所になる。
川崎Fの見どころ:エリソンの一撃とパスで逃げる力
川崎Fは、アウェイで受けに回るだけのチームではない。
Jリーグ公式のチームスタッツでは、川崎Fは1試合平均パス数511.2回で上位に入っている。ボールを持つ時間を作れれば、広島の圧力を外し、試合を落ち着かせられる。
エリソンをどこで使うか
注目はFWエリソン。Jリーグ公式の選手ページでは背番号9、得点総数7、左足得点数6が確認できる。川崎Fが押し込まれる時間帯でも、エリソンに前向きでボールが入れば一発で流れを変えられる。
川崎Fとしては、次の形を何度作れるかが重要になる。
- 中盤で広島のプレスを外す
- エリソンへ縦パス、またはサイドから斜めのボールを入れる
- こぼれ球を拾って二次攻撃に移る
- 広島の最終ラインを下げ、東俊希の前進回数を減らす
単発のカウンターだけでは広島の圧力を受け続ける。ボール保持で休む時間を作れるかが、川崎Fの現実的な勝ち筋だ。
失点27をどう扱うか
川崎Fの不安材料は失点数だ。地域リーグラウンド18試合で27失点は、7-8位決定戦に入るチームとしては軽くない。
ただし、プレーオフは2試合制。第1戦で無理に勝ち切るより、1点差以内で等々力へ持ち帰る考え方もある。広島のクロス対応、セットプレー対応、セカンドボール回収。この3つを整理できれば、第2戦で主導権を握る余地は残る。
勝敗を分ける3つのポイント
このカードは、派手な撃ち合いよりも、局面の取り合いで傾きそうだ。
1. 広島の先制点
広島が先に取れば、Eピースの空気も含めて試合を押し込める。特に東俊希のクロス、セットプレー、二次攻撃からの得点は現実的なルートだ。
一方で、先制できない時間が長くなると、川崎Fがパスでリズムを作り始める。広島は前半の入りでどこまで川崎Fのビルドアップを制限できるか。
2. 川崎Fの被カウンター管理
川崎Fがボールを持つ展開になっても、奪われた直後の守備が甘いと広島に一気に運ばれる。失点27という数字を踏まえれば、攻撃時の立ち位置そのものが守備になる。
特に広島のサイドに時間を与えないこと。クロスを上げられる前に寄せるか、上げさせても中央で跳ね返すか。ここは90分を通して問われる。
3. 第2戦を見据えた交代策
第1戦は延長戦もPK戦もない。終盤に1点を取りに行くのか、1点差を守るのか、同点でも良しとするのか。監督の判断がかなり表に出る。
広島のバルトシュ・ガウル監督は、ホームで勝ち切るための交代をどこで切るか。川崎Fの長谷部茂利監督は、エリソンを生かす攻撃と、アウェイでの失点管理をどう両立するか。終盤15分はベンチワークも見どころになる。
試合展開の予想
立ち上がりは広島が前から圧力をかけ、川崎Fがパスで外そうとする展開を予想する。
広島はホーム初戦で主導権を握りたい。川崎Fは無理に打ち合うより、まず失点を抑えてエリソンへの供給機会を待つはずだ。広島が前半に先制すれば2点目を狙う流れになり、川崎Fが前半を0-0で折り返せば後半はかなり拮抗する。
スコア予想としては、広島がやや優勢。ただし差は大きくない。
- 広島が勝つ場合:2-1、または1-0
- 引き分けの場合:1-1
- 川崎Fが勝つ場合:0-1、または1-2
第1戦だけを見れば、広島の得点力とホーム開催を評価したい。ただし2試合合計で考えると、川崎Fが1点差以内で第2戦へ戻した場合、等々力での逆転余地は十分にある。
今後の注目点
この7-8位決定戦は、優勝争いとは別の意味で見応えがある。両チームとも上位に届かなかった理由を抱えながら、それでも攻撃の武器ははっきりしているからだ。
試合前に見るべきポイントは絞れる。
- 広島は東俊希のクロスから何本決定機を作れるか
- 荒木隼人を中心に、空中戦とセットプレーで優位を取れるか
- 川崎Fはエリソンへ前向きのボールを届けられるか
- 川崎Fのパス保持が、守備の休息にもなっているか
- 第1戦終盤、両監督がリスクを取るのか、次戦を優先するのか
最初の90分で決着はつかない。それでも、第2戦の景色はこの初戦でかなり決まる。広島がホームで先に押し切るのか、川崎Fが等々力へ望みを持ち帰るのか。見るべきは、ゴールの数だけでなく、どちらが第2戦の条件を設計できるかだ。
