C大阪が前半3発で3位確定、FC東京は後半の猛攻届かず
明治安田J1百年構想リーグのプレーオフラウンド3-4位決定戦は、セレッソ大阪が2戦合計5-3でFC東京を上回り、最終順位3位で大会を終えた。
第1戦は2-2。第2戦は2026年6月6日にMUFGスタジアムで行われ、C大阪が本間至恩の先制点と櫻川ソロモンの2得点で前半に3点を奪った。FC東京は後半に佐藤龍之介が1点を返し、シュート16本、CK11本まで押し込んだが、前半の3失点が重かった。
- 第1戦:C大阪 2-2 FC東京
- 第2戦:FC東京 1-3 C大阪
- 2戦合計:FC東京 3-5 C大阪
- 最終順位:C大阪3位、FC東京4位
- 第2戦の分岐点:C大阪の前半の決定力と、後半に耐えた守備
ここがポイント: 第2戦は「FC東京が攻めた試合」でもあり、「C大阪が勝ち方を選べた試合」でもあった。数字上はFC東京がシュートとCKで上回ったが、C大阪は前半の3点で試合の条件を一気に変えた。
2試合の流れを先に整理する
このカードは一発勝負ではなく、ホームアンドアウェイの2試合で3位を決める対戦だった。
第1戦はC大阪が2度追いついた
5月30日の第1戦は、C大阪のホームで2-2。FC東京は36分のオウンゴールで先制し、49分にマルセロ ヒアンが勝ち越し点を決めた。
それでもC大阪は45+2分に柴山昌也、79分に登里享平が得点。2度リードされながら追いついたことで、第2戦を「勝てば3位」の状態に戻した。
この第1戦で効いたのは、C大阪の途中出場組だった。本間至恩、香川真司、登里享平が絡んだ同点弾は、第2戦にもつながる伏線になった。
第2戦は前半でC大阪が主導権を握った
6月6日の第2戦は、FC東京が立ち上がりにゴールネットを揺らしたものの、VARを経てノーゴール。直後の10分、C大阪は本間至恩が先制した。
さらに35分、櫻川ソロモンがPKを決めて0-2。43分には柴山昌也のクロスから櫻川が再び得点し、前半だけで0-3となった。
FC東京は62分に佐藤龍之介が反撃弾を決めたが、そこから2点を返すことはできなかった。
| 試合 | 日程 | 会場 | 結果 | 主な得点者 |
|---|---|---|---|---|
| 第1戦 | 2026年5月30日 | YANMAR HANASAKA STADIUM | C大阪 2-2 FC東京 | 柴山昌也、登里享平、オウンゴール、マルセロ ヒアン |
| 第2戦 | 2026年6月6日 | MUFGスタジアム | FC東京 1-3 C大阪 | 佐藤龍之介、本間至恩、櫻川ソロモン2得点 |
勝敗を分けたのは「前半の質」と「後半の耐久力」
第2戦のスタッツだけを見ると、FC東京が一方的に劣っていたわけではない。公式記録では、シュートはFC東京16本、C大阪9本。CKもFC東京11本、C大阪1本だった。
それでもスコアは1-3。理由ははっきりしている。C大阪は前半の少ない決定機を得点に変え、FC東京は押し込んだ時間に追いつけなかった。
C大阪は左サイドと流動性で前半を動かした
C大阪側の試合後コメントでは、前半の攻撃について「流動的に動いて、相手が困る立ち位置を取り続けた」という田中駿汰の言葉が残っている。
本間至恩も、香川真司と登里享平が良い立ち位置を取ったことで自分が生かされたと振り返った。柴山昌也が中央や逆サイドに入ってくる動きも、攻撃のバランスを作った。
第1戦の終盤に見えた左サイドの活性化を、第2戦の前半に持ち込めたことが大きい。C大阪は単に前から勢いよく入ったのではなく、相手が捕まえにくい立ち位置を作りながら、背後も狙った。
櫻川ソロモンの2得点が試合の条件を変えた
櫻川ソロモンは35分に自ら得たPKを決め、43分にはヘディングで追加点を奪った。
本人は試合後、PKについて「自分が取ったPK」だから蹴りたい意思を示したと説明している。第1戦で途中出場から流れに絡み、第2戦で先発して2得点。C大阪にとっては、チアゴ アンドラーデらの負傷交代があった中で、前線の選択肢が結果を出した形だ。
この2点目、3点目で、FC東京は後半に最低でも3点が必要な状況になった。試合の見方はここで変わった。
FC東京は後半に形を作ったが、決め切れなかった
FC東京の後半は悪くなかった。むしろ、交代策で流れを変え、C大阪を押し込んだ時間は長かった。
公式スタッツの16本のシュート、11本のCKは、その圧力を示している。ただし、スコアを動かせたのは佐藤龍之介の1点だけだった。
俵積田晃太と山田楓喜の投入で左から加速
FC東京は後半16分、遠藤渓太とマルセロ ヒアンに代えて俵積田晃太と山田楓喜を投入した。直後に佐藤龍之介のゴールが生まれ、そこから左サイドの突破と即時回収で攻勢を強めた。
山田楓喜のシュートがクロスバーを叩いた場面もあり、流れとしては2点目、3点目が見えていた。だが、C大阪のGK中村航輔を中心に最後のところで止められた。
松橋力蔵監督は試合後、チャンスを決め切れなかったことが敗戦につながったと振り返っている。内容の一部を評価できても、3位決定戦では前半の失点と決定力不足がそのまま順位に出た。
佐藤恵允の負傷交代も響いた
前半29分、FC東京は佐藤恵允に代えて野澤零温を投入した。佐藤恵は右サイドの得点力を持つ選手で、立ち上がりにもゴールに近い場面へ関わっていた。
早い時間の交代は、FC東京の攻撃プランに少なからず影響した。後半に再加速できたからこそ、前半のうちに選択肢を失った痛さも残る。
両監督と選手の見方
試合後のコメントを並べると、両チームの受け止め方は対照的だ。
C大阪側: 成長は認めるが、満足はしない
アーサー パパス監督は、前半を高く評価しつつ、後半はFC東京の圧力を受けた難しい展開だったと見ている。そのうえで、関東アウェイの大事な試合で勝ち切ったことをチームの成長として受け止めた。
ただし、3位で終えたことを「満足」とはしていない。1位と3位の差は大きい、という趣旨の発言からも、C大阪の次の基準は「良いチーム」ではなく、タイトル争いに置かれている。
FC東京側: 4位は成果でも、何も得ていないという悔しさ
松橋力蔵監督は、地域リーグラウンド2位、総合4位という成績について、良い試合と結果が多かったことは認めている。一方で、4位でもタイトルを得たわけではないという現実を強調した。
FC東京にとっては、若いアタッカーの伸び、後半に押し込める攻撃力、交代選手の推進力は材料になる。だが、勝負どころで前半に3点を失った守備対応と、押し込んだ時間帯の決定力は来季への宿題として残った。
最終順位と次に見るべきポイント
C大阪はWESTリーグ2位、最終順位3位。FC東京はEASTリーグ2位から総合4位で大会を終えた。
百年構想リーグはこの試合で終了しており、次の焦点は2026/27シーズンへの接続になる。
- C大阪は、終盤5試合17得点の攻撃を来季序盤から再現できるか
- 櫻川ソロモン、本間至恩、柴山昌也らの役割が固定化されるか
- 香川真司、登里享平、田中駿汰の立ち位置と若手・新戦力の組み合わせをどう整理するか
- FC東京は、佐藤龍之介を軸にした攻撃を勝負どころの得点へ結びつけられるか
- FC東京は、前半に流れを失った時の守備修正と試合管理を改善できるか
この2試合で見えた差は、単純な力の差ではない。C大阪は流れが来た前半に3点を取り切り、FC東京は流れを取り返した後半に1点で止まった。
来季に向けて再現すべきものは、C大阪にとっては前半の流動性と決定力。FC東京にとっては後半の圧力を、試合開始からスコアに変えることだ。
