広島が2戦合計3-1で川崎Fを上回る 中村草太の連発が7位決定戦を動かした
前半44分の中村草太の一撃で、2試合の流れはほぼ決まった。サンフレッチェ広島は2026年6月6日のプレーオフラウンド第2戦で川崎フロンターレを1-0で下し、第1戦の2-1と合わせて2戦合計3-1。明治安田J1百年構想リーグの7-8位決定戦を制し、広島が7位、川崎Fが8位でこのラウンドを終えた。
広島は第1戦で早い時間に2点を奪い、第2戦ではアウェイでも18本のシュートを記録。川崎Fは第2戦の後半に押し込む時間を作ったが、2試合を通じて広島の先手を返し切れなかった。
- 第1戦:広島 2-1 川崎F(5月30日、Eピース)
- 第2戦:川崎F 0-1 広島(6月6日、U等々力)
- 2戦合計:広島 3-1 川崎F
- 得点者:中村草太が第1戦、第2戦ともに得点
2試合の結果と勝負の分岐点
まずは公式記録ベースで、2試合の流れを整理する。
| 試合 | 会場 | 結果 | 主な得点 |
|---|---|---|---|
| 第1戦 | エディオンピースウイング広島 | 広島 2-1 川崎F | 中村草太、加藤陸次樹、伊藤達哉 |
| 第2戦 | Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu | 川崎F 0-1 広島 | 中村草太 |
第1戦は前半11分に中村草太、20分に加藤陸次樹が決め、広島が2点を先行した。川崎Fは前半43分に伊藤達哉が返したが、後半は追いつけず。第2戦に向けて、川崎Fは1点差を追う立場になった。
第2戦の焦点は、川崎Fが先に1点を取って合計スコアを戻せるかだった。しかし、前半44分に再び中村が得点。これで川崎Fは90分の中で少なくとも2点が必要になり、試合運びの難度が一気に上がった。
広島は「守り切った」だけではない
スコアだけを見ると、第2戦は広島が1点を守り切った試合に見える。だが、公式スタッツでは広島がシュート18本、川崎Fが8本。特に前半だけで広島は15本のシュートを打っており、試合を受けるだけの入り方ではなかった。
前半に主導権を取った意味
第1戦でリードしていた広島にとって、最も避けたい展開は早い時間の失点だった。そこで前に出て、川崎Fを自陣に押し戻したことが大きい。
広島のバルトシュ・ガウル監督は第1戦後、第2戦で守りに入るつもりはないという趣旨を語っていた。実際、第2戦でも中村、加藤、東俊希、鈴木章斗らを先発に並べ、前半から相手ゴールへ向かう形を作った。
後半は課題も残した
一方で、第2戦後の広島側コメントでは、後半にチーム全体の距離感が開き、中央のスペースを使われた点も認められている。これは勝った側にも残る論点だ。
広島が2026/27シーズンへ持ち越すべき材料は、次の2つに分けられる。
- 良かった点:前半の圧力、2試合連続で先に試合を動かした得点力
- 修正点:押し込まれた時間帯の中央管理、ブロックが深くなった後の前進手段
ここがポイント: 広島は合計3-1で勝ったが、単純な逃げ切りではなく、前半に攻めてリードを広げたことが勝敗を分けた。
川崎Fは後半の圧力を得点に変えられなかった
川崎Fは第2戦で山口瑠伊、山原怜音、丸山祐市、橘田健人、脇坂泰斗、マルシーニョ、伊藤達哉、持山匡佑らが先発。長谷部茂利監督の下、ホームで逆転を狙った。
ただ、第2戦の前半はシュート1本。第1戦で1点を返していたため、立ち上がりから合計スコアを動かしたかったが、広島の前向きな守備と攻撃回数に押され、先に失点した。
後半は川崎Fが7本のシュートを放ち、広島を押し込んだ。ここで1点を取れていれば、終盤の空気は大きく変わっていたはずだ。だが、結果は無得点。2試合合計で見ると、川崎Fは第1戦終盤の伊藤達哉のゴール以外にスコアを動かせなかった。
中村草太の連続得点が示したもの
この2試合で最も結果に直結した選手は中村草太だった。第1戦は前半11分、第2戦は前半44分。どちらも広島にとって試合の前提を変える得点だった。
第1戦の先制点は、ホームで広島を落ち着かせた。第2戦の得点は、川崎Fに2点以上を求める状況を作った。単なる得点者ではなく、2試合制の主導権を広島側へ引き寄せた選手と言える。
ガウル監督は第1戦後、中村が新しい戦術に適応してきたこと、ゴール前での推進力が攻撃の違いを生んでいることに触れている。今回の2試合は、その評価を数字で裏づける形になった。
7位・8位という結果をどう見るか
Jリーグ公式のプレーオフラウンド特集では、このラウンドは各グループ同順位同士によるホーム&アウェイ方式の順位決定戦と説明されている。川崎F対広島は7-8位決定戦。したがって、広島は7位、川崎Fは8位という整理になる。
降格がかかる試合ではない。それでも、2026/27シーズンへ向けた意味は小さくない。
広島は、地域リーグラウンド終盤から続いた攻撃の勢いをプレーオフでも結果に変えた。中村、加藤、東らが絡む前線の形は、次のシーズンでも継続して見たい材料だ。
川崎Fは、ホームで後半に圧力を出せた一方、ビハインドの試合で前半から相手を崩し切る設計が課題として残った。伊藤達哉の第1戦ゴールは光ったが、2試合合計で1得点では逆転には届かない。
最後に見るべきポイントは明確だ。
- 広島は前半の攻撃量を90分の安定感につなげられるか
- 川崎Fは押し込む時間を決定機と得点に変えられるか
- 両チームとも、2026/27シーズンで同じ課題を繰り返さないか
この2試合の差は、合計スコア以上に「先に試合を動かした回数」に出た。広島は2試合とも先手を取り、川崎Fは追う展開を返し切れなかった。
