FC大阪がPK戦を制し31位、磐田は二度のリードを守れず32位に沈む
ヤマハスタジアムの第2戦は、ジュビロ磐田が二度リードしながら、FC大阪が二度追いついた。最後は2-2のままPK戦に入り、FC大阪が5-4で制して31位。磐田は第1戦に続くPK戦での敗戦となり、32位で明治安田J2・J3百年構想リーグを終えた。
この試合の分岐点は、磐田が109分に勝ち越したあと、120+2分に舘野俊祐の同点ゴールを許した場面にある。シュート数は磐田16本、FC大阪13本。磐田が押し切れる数字は作ったが、FC大阪は交代策と終盤の粘りで試合をPK戦まで持ち込んだ。
- 第1戦:栃木シティ 3-3 磐田、PK3-1で栃木Cが勝利
- 第1戦:FC大阪 0-1 レイラック滋賀FC
- 第2戦:磐田 2-2 FC大阪、PK4-5でFC大阪が勝利
- 結果:FC大阪が31位、磐田が32位
- 公式レギュレーション:J2・J3はホーム&アウェイ制ではなく、各グループ同順位同士のノックアウト方式
まず事実整理:これは「合計スコア勝負」ではなかった
このプレーオフラウンドは、J2・J3の各グループ同順位同士による順位決定戦だ。Jリーグ公式の特集ページでは、第1戦と第2戦の日程が示されている一方で、J2・J3については「H&A制ではない」ノックアウト方式と明記されている。
そのため、磐田とFC大阪の第2戦は「第1戦との合計スコアで突破を争う試合」ではなく、29-32位決定戦の第1戦で敗れたチーム同士が31-32位を決める試合だった。
29-32位決定戦の流れ
| 試合 | カード | 結果 | 意味 |
|---|---|---|---|
| 第1戦 | 栃木シティ vs ジュビロ磐田 | 3-3、PK3-1 | 磐田は31-32位決定戦へ |
| 第1戦 | FC大阪 vs レイラック滋賀FC | 0-1 | FC大阪は31-32位決定戦へ |
| 第2戦 | ジュビロ磐田 vs FC大阪 | 2-2、PK4-5 | FC大阪が31位、磐田が32位 |
第1戦の磐田は、栃木C戦で3-3まで持ち込まれ、PK戦で敗れた。FC大阪も滋賀に0-1で敗れた。どちらも第2戦では、順位をひとつでも上げて終えることが目的になった。
第2戦の得点経過:磐田が先に動かし、FC大阪が追いつく
第2戦は90分で決着せず、延長戦でも一度ずつゴールが生まれた。スコアだけを見ると打ち合いだが、流れは「磐田が逃げる、FC大阪が引き戻す」の繰り返しだった。
- 59分:為田大貴が決めて磐田が先制
- 79分:久保吏久斗が決めてFC大阪が同点
- 109分:石塚蓮歩が決めて磐田が勝ち越し
- 120+2分:舘野俊祐が決めてFC大阪が再び同点
- PK戦:FC大阪が5-4で勝利
磐田にとって痛かったのは、109分の勝ち越しを試合終了まで運べなかったことだ。延長後半の終盤で1点を守り切れば31位。ところが、アディショナルタイムに追いつかれ、精神的にも重い形でPK戦へ入った。
FC大阪側から見れば、これは単なる粘り勝ちではない。72分に入った久保が79分に同点弾を決め、リードされても試合を終わらせなかった。公式記録上のシュート数では磐田が上回ったが、FC大阪は少ない余白を最後まで得点に変えた。
勝敗を分けた要因:磐田の「優勢」とFC大阪の「終盤力」
数字は磐田寄りだった。Jリーグ公式のテキスト速報では、シュートは磐田16本、FC大阪13本。CKも磐田5本、FC大阪3本だった。
ただし、この試合で問われたのは本数そのものではない。リードしたあとの試合管理と、延長戦の最後にもう一度ゴール前へ入っていく力だった。
磐田は交代選手が結果を出したが、逃げ切れなかった
磐田は106分に渡邉りょうから石塚蓮歩へ交代し、その石塚が109分に勝ち越し点を挙げた。延長後半に投入した選手がすぐに結果を出した点は、起用としては明確に効いている。
問題はその後だ。残り時間は長くなかったが、FC大阪に120+2分の同点弾を許した。第1戦の栃木C戦でも延長後半に得点しながら、その直後にマテウス・ペイショットが114分に追いついている。2試合続けて終盤にスコアが動いたことは、磐田の試合の閉じ方に課題を残した。
FC大阪は「追う展開」で交代策が実った
FC大阪は79分に久保吏久斗、120+2分に舘野俊祐が得点した。とくに久保は72分に菅原龍之助に代わって入った直後の同点弾で、試合を延長戦へ押し戻す役割を果たした。
FC大阪のクラブ公式に掲載された藪田光教監督のコメントでは、最後までチャレンジする姿勢を選手に伝えたこと、そしてJ2の磐田を相手に2得点できた点に触れている。第1戦で無得点に終わったチームが、第2戦では二度追いついた。そこに、今後へ持ち込める材料がある。
ここがポイント: 磐田はゴールを奪う手段を持っていたが、試合を終わらせる守備と時間の使い方で詰め切れなかった。FC大阪は劣勢の時間を受け入れながら、交代選手と終盤の圧力でPK戦まで持ち込んだ。
第1戦から見えた両チームの位置
この第2戦だけでなく、第1戦からの流れを見ると、両チームの課題は少し違う。
磐田は2試合連続で延長戦とPK戦を経験した。栃木C戦では3-3、FC大阪戦では2-2。得点は取れている。一方で、失点も止まらない。勝ち切るためには、終盤の守備強度、交代後の配置整理、リード時のボール保持の質を見直す必要がある。
FC大阪は滋賀戦を0-1で落としたあと、磐田戦で2得点を挙げた。クラブ公式は明治安田J2・J3百年構想リーグを31位で終えたと発表し、8月から始まる2026/2027シーズンへ向けてJ3優勝とJ2昇格を目標に掲げている。第2戦の粘りは、その目標へ向けた材料にはなるが、90分で主導権を握る時間をどれだけ増やせるかは残る課題だ。
次に見るべきポイント
Jリーグ公式のレギュレーションでは、明治安田J2・J3百年構想リーグの結果による昇格・降格はない。だからこそ、この31位・32位という結果は順位表上の上下だけでなく、2026/2027シーズンへ何を持ち越すかが重要になる。
- 磐田:得点力を結果につなげる一方、終盤の失点とPK戦への弱さをどう整理するか
- FC大阪:磐田相手に2度追いついた粘りを、次は90分内の勝利へどう変えるか
- 両チーム共通:延長戦まで戦った負荷を、次シーズン準備でどう回復と修正につなげるか
磐田は「勝てる展開を作る力」は見せた。FC大阪は「負けない展開へ引き戻す力」を見せた。差が出たのは、最後の数分とPK戦。次に問われるのは、その差を偶然で終わらせず、2026/2027シーズンの具体的な修正点に落とし込めるかだ。
