湘南ベルマーレは前節、FC今治を相手に試合終了間際の逆転ゴールで勝点3をつかみました。首位とは勝点2差の4位。一方の藤枝MYFCは、9月の4試合を3分1敗で終え、勝ち星から遠ざかったまま10月を迎えます。
勢いに乗るアウェイチームと、白星を渇望するホームチーム。この一戦で問われるのは、勝ち切れずにいる藤枝が、J2で3番目に失点の少ない湘南の守備から「決める1点」を奪えるかです。
両クラブにとって、これが公式戦での初対戦になります。
この記事で分かること
- 試合の開催条件と、両チームの第9節前の順位・直近の流れ
- 好調の川本梨誉と、湘南の堅守がどう噛み合うか
- 湘南の「終盤まで崩れない」粘りが、藤枝の課題とどう交差するか
- 試合を左右しそうな局面の見立て
試合の前提:9位の藤枝が4位の湘南をホームで迎える
順位差は5つですが、勝点差は小さく、どちらにとっても上位争いに直結する一戦です。
開催概要
| 大会・節 | 明治安田J2リーグ 2026 第9節 |
|---|---|
| 開催日 | 2026年10月3日(土) |
| キックオフ | 14:00 |
| 会場 | 藤枝総合運動公園サッカー場 |
| 対戦 | 藤枝MYFC(ホーム) vs 湘南ベルマーレ(アウェイ) |
第9節前の順位と直近の流れ
| 藤枝MYFC | 湘南ベルマーレ | |
|---|---|---|
| 順位 | 9位 | 4位 |
| 成績 | 3勝3分2敗 | 4勝3分1敗 |
| 直近の流れ | 9月の4試合は3分1敗で未勝利 | 3試合負けなし。前節・今治戦は終了間際の逆転勝ち |
| 監督 | 槙野智章監督 | 長澤徹監督 |
湘南は首位と勝点2差。8試合を終えて1敗という数字が、今季の安定感をよく表しています。
藤枝は負け数こそ2つですが、引き分けが3つ。そのすべてが9月に集中していることが、いまのチーム状況を物語っています。
出場停止については、Jリーグ公式が9月30日に発表した第9節第1日(10月3日)の出場停止選手に、藤枝のMF島野怜が含まれています。湘南の選手は含まれていません。負傷では、湘南のDF堂鼻起暉(左足関節外側複合損傷)と、藤枝のMF行友祐翔(左第5中足骨骨折)の離脱がすでに公表されています。今節の出場可否は、10月2日時点では確認できていません。
古巣対決という側面も
藤枝には、岡本拓也、吉田舜、梶川諒太と、湘南を古巣とする選手が複数在籍しています。初対戦のカードでありながら、相手をよく知る選手がホーム側にいる構図です。
論点1:好調の川本梨誉は、湘南の堅守をこじ開けられるか
この試合の最大の焦点は、好調な川本梨誉と湘南の失点の少なさがぶつかる局面です。
確認できている数字と言葉
川本梨誉は直近5試合で3得点を挙げています。チームが9月に勝てなかった期間も、得点の面では存在感を示してきたことになります。今節は出場すれば、Jリーグ通算150試合目(百年構想リーグを除く)の節目です。
川本本人は試合前、次のように語っています。
「ウチは勝てば乗れるという分かりやすいチームだと思うので、そのきっかけになれるように僕が点を取りたいと思います」
対する湘南は、失点数がJ2で3番目に少ないチームです。
Jリーグ公式サイトのプレビューが挙げる藤枝の課題
Jリーグ公式サイトの試合プレビューは、藤枝にとって「勝ち切る力という部分が大きな課題となっている」と書いています。同プレビューによれば、槙野智章監督は守備陣にも攻撃陣にも明確な指示と叱咤を与えているとのことです。
見立て:先制点の価値が極端に高くなる
9月の藤枝は「負けないが勝てない」試合が続きました。引き分けが多いということは、試合を動かす最後の1点が足りていない状態だと読めます。そこへ、失点の少ない湘南が相手として現れる。
藤枝が勝点3を取るには、川本の決定力が湘南の守備ブロックを一度でも破れるかどうかが大きな分かれ目になりそうです。川本自身が「勝てば乗れる」と語る通り、この1点はチームの流れを変えるきっかけとしての意味も持ちます。
逆に湘南から見れば、川本梨誉に仕事をさせない時間を長く保てるかが焦点になりそうです。
論点2:湘南の「終盤まで崩れない粘り」と、藤枝の勝ち切る力
二つ目の焦点は試合終盤です。湘南が見せた粘り強さに対して、藤枝がリードを守り切る、あるいは最後に突き放す力を出せるかが問われます。
長澤監督が今治戦後に語ったこと
湘南は前節の今治戦で、終了間際に逆転ゴールを奪って勝利しました。長澤徹監督は試合後、こう振り返っています。
「ミスが出たら全員でカバーすることを選手たちは見事にやって、最後ひっくり返すところまでいきました。そのチームのキャラクターとリアクションをまた次につなげていくことがすごく大事かなと思っています」
ミスを個人の問題で終わらせず、全員で取り返す。指揮官自身がそれを「チームのキャラクター」と表現している点は、この試合を見るうえでも重要です。
見立て:試合が終盤までもつれるほど湘南寄りの流れになりうる
湘南は失点が少なく、さらにビハインドからでも最後まで攻め切る試合を直前に経験しています。終盤までスコアが動かない、あるいは1点差の展開が続く場合、精神面で優位に立ちやすいのは湘南の側かもしれません。
藤枝にとっては、9月に積み重なった引き分けの記憶を、終盤の時間帯にどう上書きするかが課題になります。ホームの後押しを受けながら、リードした場合に試合を締める判断ができるかどうかが焦点になりそうです。
見立て:1点の重みが大きい、我慢比べの90分
ここまでの材料から言えるのは、大量得点の打ち合いよりも、1点を巡る緊迫した展開になる可能性が高いということです。
Jリーグ公式サイトのプレビューも、「1点の重みが大きい緊迫したゲームになる可能性が高い」とし、両ゴール前の攻防を大きな見どころに挙げています。
その根拠として、本記事は次の3点を重視しています。
- 湘南は失点数がJ2で3番目に少なく、3試合負けなし
- 藤枝は9月の4試合で3つの引き分けがあり、勝ち切れない試合が続いている
- 藤枝には直近5試合で3得点と好調の川本梨誉がいる
導入の問いへの答えとしては、「藤枝が湘南から1点を奪う力はあるが、それを勝点3につなげられるかは先制のタイミングと終盤の振る舞い次第」というのが本記事の見立てです。
一方で、先発メンバーは試合当日の発表を待つ必要があり、負傷者の出場可否もまだ確定していません。当日の先発によっては、この見立ての前提が変わる可能性もあります。
キックオフ前に押さえたいポイント
- 川本梨誉の起用:出場すればJリーグ通算150試合目。湘南の守備を相手に先制点を奪えるか
- 先制点の行方:失点の少ない湘南に先手を取られると、藤枝は追う展開で苦しくなりうる
- 終盤の時間帯:今治戦で逆転勝ちを果たした湘南の粘りに対し、藤枝が勝ち切れるか
- 古巣対決:岡本拓也、吉田舜、梶川諒太が湘南相手にどんな働きを見せるか
- 当日の先発発表:出場可否が見立てを左右するため、試合前の公式発表を確認したい
藤枝が10月最初の試合で連続未勝利を止めるのか。湘南が首位との勝点差を詰めるのか。初顔合わせの90分は、両クラブのこの先の順位争いを占う一戦になりそうです。




