今治の連勝を八戸は止められるか 古巣対戦で問われる速い攻撃と守備の粘り
ボールを奪った今治が、八戸の守備が整う前にゴールへ迫れるか。今回の見どころは、連勝中の今治が攻守の働きをどうつなぎ、次の相手から好機を作れるかにあると考える。
FC今治とヴァンラーレ八戸は、2026年10月17日14:00、アシックス里山スタジアムで対戦する。2026/27明治安田J2リーグ 第11節。今治はリーグ戦で今季初の連勝を達成し、八戸は連敗で今治と入れ替わって降格圏に入った。
ただし、試合前の勝敗成績はともに3勝1分6敗。直近の流れだけで、今治優位と決めつけられる対戦ではない。
- 今治の焦点:直接ゴールへ向かう攻撃を、今回も得点につなげられるか。
- 八戸の焦点:今治の前からの守備を越え、ゴール前まで攻撃を運べるか。
- ベンチの背景:八戸の倉石圭二監督と今治の久保山由清監督は、かつて今治で監督とヘッドコーチとして組んだ間柄だ。
同じ3勝1分6敗でも、直近の歩みは対照的
両者の違いは、ここまでの勝利数よりも、直近の結果に表れている。
試合の基本情報は次のとおり。
- 大会:2026/27明治安田J2リーグ 第11節
- 対戦:FC今治 vs ヴァンラーレ八戸
- 開催日:2026年10月17日
- キックオフ:14:00
- 会場:アシックス里山スタジアム
Jリーグ公式の対象試合ページには、10月17日0時33分時点で、今治が17位、八戸が19位と掲載されている。両者とも10試合を終えて3勝1分6敗。掲載順位の更新日時は明記されていないため、ここでは対象試合前に掲載されていた順位として扱う。
今治はリーグ戦の開幕から4連敗を喫したが、前々節の栃木C戦で久保山由清監督の新体制初勝利を挙げた。続く前節の徳島戦にも勝ち、今季初のリーグ戦連勝を達成している。
一方の八戸は、前節の大宮戦に敗れて今季3度目のリーグ戦連敗となり、今治と入れ替わって降格圏に入った。
この経過からは、今治には上向いた戦いを継続する期待が、八戸には連敗を止める必要があると考えられる。ただし、通算の勝敗成績は同じだ。今治の連勝は期待材料でも、両者の力関係が固まったことを示す材料にはならない。
今治の攻撃は、奪った後の一手が見どころ
今治の攻撃を見るなら、ボールを持つ長さより、奪ってからゴールへ向かうまでの動きに注目したい。
Jリーグ公式プレビューの執筆者・松本隆志氏は、今治について、従来のパスサッカーから攻守の積極性とカウンターを重視する方向へ転換したと評価している。攻撃陣には、より直接的にゴールを目指す姿勢が表れているとも記している。
この評価を踏まえると、八戸戦では、今治がボールを奪った直後に前方へパスを出せるかが注目点になりそうだ。前へ急ぐだけではパスを失う可能性もある。受け手が動き、周囲が次のパスやこぼれ球に備えられれば、速い攻撃を一度きりで終わらせずに済むと考えられる。
八戸側から見れば、失った直後に今治の前進を遅らせられるかが対抗点になりそうだ。ただし、八戸がどの位置で守り、誰が最初に寄せるかはまだ分からない。低く構える、前から奪いにいくといった具体策を、試合前から決めつけることはできない。
得点の継続を支える選手と、攻撃方法は分けて見る
今治のエジガル ジュニオは、前節までリーグ戦3試合連続で得点している。また、U-21日本代表としてアジア競技大会を戦った梅木怜は前節からチームに合流し、徳島戦では後半開始から出場して今治の2点目を決めた。
エジガル ジュニオの得点継続に加え、合流した梅木も得点を残したことは、今治の攻撃への期待を高める材料と考えられる。梅木については、前節のように途中から試合へ影響を与える可能性も含め、起用が注目されそうだ。
ただし、得点記録だけで、カウンターへの転換が得点を生んだとは言い切れない。今回も、得点の有無と、そこへ至るパスや動きは分けて見たい。速攻が止められた場合に、今治が次の攻撃をどう作るかも見どころになりそうだ。
八戸には、今治のプレスを越えた後の攻撃が必要
八戸が流れを変えるには、今治の最初の寄せをかわすだけでなく、その先でシュートまで進むことが重要になりそうだ。
松本氏は今治の守備について、高い位置から能動的にプレスをかけ、自陣ゴール前でも粘り強さを取り戻したと評価している。一方、八戸については、得点力不足に悩む状況が長く続いていると記している。
この組み合わせでは、八戸にとって二つの局面が焦点になると考える。最初は、自陣で今治の寄せを受けたとき。次は、それを越えて相手ゴールへ近づいたときだ。
- 自陣では、ボールを失ってすぐにシュートを受ける展開を避けられるか。
- 前進できた場面では、前方の選手を孤立させず、次のパスやシュートへつなげられるか。
- ゴール前では、今治の守備に止められても、こぼれ球から攻撃を続けられるか。
八戸が今治のプレスを越えられれば、前へ出た選手の背後を使う機会が生まれる可能性はある。ただし、それだけで好機になるとは限らない。前進した選手に味方が追いつけなければ、今治に守備を整える時間を与えることも考えられる。
今治にも逆の課題がありそうだ。前線が追っても後方が連動できなければ、最初のプレスを越された後の守備が難しくなる。高い位置で奪えた回数だけでなく、奪えなかったときに八戸の攻撃をどう止めるかにも注目したい。
得点力不足という評価から、八戸が攻撃を作れないとまで判断することはできない。今回の攻防では、ゴール前へ運べないのか、運んだ後に仕留められないのかによって、見えてくる課題も変わるはずだ。
倉石監督の古巣対戦は、今治の変化を測る一戦
両監督の関係は興味深い背景だが、対策の成否は実際の攻防で確かめたい。
八戸の倉石圭二監督は、明治安田J2・J3百年構想リーグの途中まで今治を指揮した。当時、ヘッドコーチとして組んでいたのが、現在の今治を率いる久保山由清監督だ。
かつて同じチームを指導した関係から、互いの判断を意識する場面はあるかもしれない。ただ、今治には攻守の方向転換があったと松本氏が評価している。過去に知っていたチーム像が、そのまま現在の対策に使えるとは限らない。
観戦する側としては、「古巣を知っているから止められる」という説明を先に置くより、次の場面を追うと監督同士の対戦も見やすくなりそうだ。
- 今治が速く攻めようとしたとき、八戸はその最初のパスを妨げられるか。
- 八戸が前進したとき、今治は前から追い直すのか、自陣で守る形へ移るのか。
- 交代後、それまで難しかった攻撃や守備に変化が生まれるか。
なお、本稿では出場停止と負傷離脱の状況を網羅していないため、挙げた選手全員の出場可能性を保証するものではない。ここで挙げた選手の先発や出場を確定するものではなく、当日のメンバー発表によって注目する組み合わせは変わり得る。
見立て――今治は得点の継続、八戸は前進を好機に変えられるか
今治が試されるのは、変えた攻撃を得点へつなぎながら、八戸に攻め込まれた場面でも守備を保てるかだと考える。
今治にはリーグ戦連勝とエジガル ジュニオの3試合連続得点という期待材料がある。一方、八戸と通算の勝敗成績は同じであり、八戸の具体的な対策も試合前には分からない。このため、ここでは勝敗やスコアの予想には広げない。
14:00のキックオフ後、まず追いたいのは、今治が奪ったボールをどこへ運び、八戸がそれをどこで止めるか。八戸が最初のプレスを越えた場面では、その攻撃がシュートまで続くかを見たい。
今治が得点しても、それが速攻によるものか、別の攻め方によるものかで評価は変わる。八戸も、得点だけでなく、今治の守備を越えて好機を作れたかが大切になる。この二つの攻防が、連勝の継続と連敗脱出を分ける焦点になりそうだ。



