シュート20対5でも今治は勝ち切れず 甲府の先制と57分の同点から読む1対1
FC今治はシュート20本、ヴァンフォーレ甲府は5本。それでも、得点は1対1だった。今治はなぜ、シュート数の優位を勝利に変えられなかったのか。
結果を分けたのは、甲府が前半34分に先制し、今治の得点が後半12分の同点弾にとどまったことだ。今治は枠内シュートでも5対2と上回ったが、その差は勝ち越し点には結び付かなかった。ただし、この数字だけで決定力不足を原因とすることはできない。
- 甲府が先行:前半34分、武井 成豪が先制点。
- 今治が追いつく:後半12分(57分)、梶浦 勇輝が同点弾。
- 攻撃量と得点が一致せず:シュートは20対5、枠内シュートは5対2でも、最終スコアは1対1。
試合結果――甲府が先制し、今治が後半に追いついた
この試合は、甲府のリードを今治が取り消し、両チームとも勝ち越せないまま終わった。
2026年10月31日、アシックス里山スタジアムで行われた2026/27明治安田J2リーグ第14節は、FC今治1-1ヴァンフォーレ甲府。前半34分に甲府の武井 成豪が得点し、後半12分に今治の梶浦 勇輝が同点に戻した。その後、得点はなかった。Jリーグ公式試合記録
今治は一度もリードを奪えず、甲府は先制したものの逃げ切れなかった。同じ引き分けでも、今治には逆転まで届かなかった結果、甲府にはリードを維持できなかった結果が残ったと捉えられる。
シュート20対5――今治の優位は「本数」に明確に表れた
今治は攻撃に関する複数の集計値で甲府を上回ったが、好機の質まで同じように上回ったとは判断できない。
| 項目 | FC今治(ホーム) | ヴァンフォーレ甲府(アウェイ) |
|---|---|---|
| シュート | 20 | 5 |
| 枠内シュート | 5 | 2 |
| ボール支配率 | 60% | 40% |
| パス成功率 | 77% | 69% |
| コーナーキック | 8 | 6 |
公式記録では、今治のシュートは20本、甲府は5本。枠内シュートも今治5本、甲府2本だった。ボール保持率は60%対40%、パス成功率は77%対69%で、いずれも今治が高かった。
これらを合わせると、今治はボールを持つ割合が高く、より多くのシュートを記録した試合だったと整理できる。単にボールを保持しただけで終わったわけではなく、シュートの本数にも差が表れている。
枠内シュートの差も、得点差にはならなかった
枠内シュートは、ゴールの枠を捉えたシュートを示す。今治はこの本数でも甲府を上回った一方、両チームの得点は1ずつだった。
ここから今治の「決定力不足」を結論にするには、材料が足りない。ゴールまでの距離、シュート時の相手の寄せ、コース、GKの対応によって、同じ枠内シュートでも得点の難しさは変わるためだ。
今治が多く打ったことと、今治に得点しやすい場面が多かったことは分けて考えたい。 この試合で明確なのは、シュート数と枠内シュート数の優位が、追加の得点にはならなかった点である。
保持率とパス成功率は、時間帯ごとの展開を示さない
保持率60%、パス成功率77%は、今治の試合全体の数値だ。甲府の40%、69%との比較から全体像はつかめるが、前半34分の先制前後や、57分の同点後だけを切り出すことはできない。
そのため、「先制された今治が押し込み続けた」「甲府が同点後に守備を固めた」といった展開までは、この集計から説明できない。今治がどの時間帯に、どの位置でボールを持ったかによって、保持率の意味は変わる。
甲府の5本――少ないシュートでも先に得点した意味
甲府はシュート数で下回りながら先制しており、攻撃量だけでは試合の評価が完結しないことを示した。
甲府は全体でシュート5本、枠内シュート2本を記録し、前半34分に武井 成豪が得点した。コーナーキックは甲府6本、今治8本だった。
シュート数には大きな開きがある一方、コーナーキックの本数は比較的近い。この違いからも、甲府の攻撃機会をシュート5本という一つの数字だけで評価するのは慎重であるべきだろう。ただし、コーナーキックがどれほど危険な場面につながったかや、先制点との関係は、本数だけでは分からない。
甲府にとって評価できる結果は、先に得点してリードを得たこと。一方、今治に同点を許し、その後は再び前に出る得点を挙げられなかった。
今治の20本を「攻め切れなかった」と読むだけでは、甲府が先制した事実が薄れてしまう。逆に、甲府の1失点を「守備が機能した証拠」とするにも、個々のシュートへの対応を確かめる必要がある。攻撃量では今治、先制という結果では甲府に、それぞれ異なる評価材料があったと考えられる。
交代と警告――同点弾は後半開始時の交代後に生まれた
得点と交代の前後関係は追えるが、交代が得点を生んだという因果関係までは断定できない。
両チームは後半開始時に選手を入れ替えた。今治は2人、甲府は1人を投入し、その後の後半12分に今治が同点に追いついた。
交代の経過
以下は「退いた選手 → 入った選手」の順。
- 後半開始・今治:安部 裕葵 → 中井 卓大 ピピ、近藤 高虎 → 柴野 快仁。
- 後半開始・甲府:佐藤 和弘 → 大島 康樹。
- 後半21分(66分)・甲府:熊倉 弘達 → 末木 裕也、水野 颯太 → 小林 岩魚。
- 後半26分(71分)・今治:菊地 健太 → ウェズレイ タンキ。
- 後半32分(77分)・甲府:黒川 淳史 → 藤井 一志。
- 後半41分(86分)・今治:土屋 巧 → 丸山 大和、梶浦 勇輝 → 駒井 善成。
今治は後半開始時の2人交代後に追いつき、同点弾を挙げた梶浦は86分まで出場した。甲府も同点後に交代を重ねたが、スコアは最後まで変わらなかった。
ただし、投入された選手が同点弾にどう関わったか、交代によって配置や役割がどう変わったかは、交代記録だけでは説明できない。ここでは、後半開始時の交代と57分の得点を、時間的な前後関係として捉えるのが妥当だろう。
警告の経過
- 前半9分:警告・小出 悠太(ヴァンフォーレ甲府)。
- 後半14分(59分):警告・遠藤 光(ヴァンフォーレ甲府)。
遠藤の警告は今治の同点弾の後に記録された。ただし、警告後に守備の寄せ方が変わったかなど、プレーへの影響を時刻だけから判断することはできない。
勝ち切れなかった理由――量の差を、そのまま決定力の差にしない
今治が勝利に届かなかったのは、甲府に先行され、得点が追いつく1点にとどまったためであり、その具体的な原因をシュート本数だけで特定することはできない。
今治は20本を打ち、枠内にも5本を送った。甲府は5本のシュートで先制したが、1点のリードを守り切れなかった。この組み合わせこそ、1対1を振り返るうえで外せない事実だ。
両チームに残る論点は異なると考えられる。
- 今治:多くのシュートのうち、どの場面で得点につながる余地があったのか。狙いやすい位置から打てていたかが、追加点を考える際の焦点になる。
- 甲府:先制後に追加点を狙える場面があったのか。また、57分の失点時に何が起きたかが、リードを保てなかった理由を読む焦点になる。
20対5という数字は、今治の攻撃量を伝える。しかし、勝敗の境目をさらに具体化するには、今治の枠内シュート5本の内容と、甲府の先制点・今治の同点弾に至るプレーを照らし合わせたい。そこが、単なる「打ったのに勝てなかった」から一歩踏み込むための確認点になる。










