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日本の初戦オランダ戦はどこが危ないのか 発表26人から読むグループF最大の壁

日本の初戦オランダ戦はどこが危ないのか 発表26人から読むグループF最大の壁

日本代表にとって、グループFで最も重い相手は初戦のオランダだ。理由は単純な名前負けではない。最終ラインの強度、中盤の前進力、サイドの推進力がそろい、試合の主導権を握る形がすでに見えているからだ。

前回この記事を書いた時点では、オランダ代表のワールドカップメンバーは未発表だった。しかし、王立オランダサッカー協会(KNVB)は5月27日、ロナルド・クーマン監督が選んだ26人を発表した。これで、日本が初戦で向き合う相手の輪郭はかなり具体的になった。

  • 日本の初戦は2026年6月15日5:00キックオフ、日本時間、Dallas Stadium
  • グループFは日本、オランダ、チュニジア、スウェーデン
  • 48チーム制では各組上位2チームに加え、3位の成績上位8チームも決勝トーナメントへ進む
  • オランダは5月27日にワールドカップメンバー26人を発表
  • ファン・ダイク、デ・ヨング、ガクポ、デパイら主力が入り、守備と中盤の厚みが目立つ構成になった

ここがポイント: オランダ戦は「勝たなければ終わり」ではないが、ここで大きく崩れるとチュニジア戦、スウェーデン戦の計算が一気に苦しくなる。勝点1でも価値が高い初戦だ。

目次

まず事実整理 日本は初戦でいきなり欧州の強豪と当たる

JFAの大会ページでは、日本はグループFでオランダ、チュニジア、スウェーデンと対戦する。初戦はオランダ戦。日本時間では6月15日5:00、会場はDallas Stadiumと発表されている。

日本の3試合は次の流れだ。

試合日時(日本時間)対戦相手会場
MD12026年6月15日 5:00オランダ代表Dallas Stadium
MD22026年6月21日 13:00チュニジア代表Estadio Monterrey
MD32026年6月26日 8:00スウェーデン代表Dallas Stadium

大会方式も重要だ。JFAの大会概要では、48カ国が12組に分かれ、各組上位2チームと3位の成績上位8チームがノックアウトステージへ進むと説明されている。

つまり、日本はオランダに負けたら終わりではない。それでも初戦で大敗すれば、得失点差と心理面の両方で後が重くなる。オランダ戦の現実的な目標は、勝点を取りに行きながら、少なくとも試合を壊さないことになる。

オランダの26人から見える「後ろから試合を支配する設計」

オランダはロナルド・クーマン監督がワールドカップ本大会に向けた26人を発表した。キャプテンのフィルジル・ファン・ダイク、ビルドアップの中心になるフレンキー・デ・ヨング、前線のコーディ・ガクポ、メンフィス・デパイらが入り、経験と個の強度を両立したメンバーになっている。

発表された26人のメンバーは次の通りです。

ポジション選手所属クラブ
GKマルク・フレッケンレヴァークーゼン
GKロビン・ルーフスサンダーランド
GKバルト・フェルブルッヘンブライトン
DFネイサン・アケマンチェスター・シティ
DFフィルジル・ファン・ダイクリヴァプール
DFデンゼル・ダンフリースインテル
DFヤン・ポール・ファン・ヘッケブライトン
DFユリエン・ティンバーアーセナル
DFミッキー・ファン・デ・フェントッテナム・ホットスパー
DFヨレル・ハトチェルシー
MFライアン・フラーフェンベルフリヴァプール
MFトゥーン・コープマイネルスユヴェントス
MFタイアニ・ラインデルスマンチェスター・シティ
MFマルテン・デ・ローンアタランタ
MFフレンキー・デ・ヨングバルセロナ
MFクインテン・ティンバーマルセイユ
MFジャスティン・クライファートボーンマス
MFフース・ティルPSV
MFクリセンシオ・サマーフィルウェストハム
MFマッツ・ウィーファーブライトン
FWメンフィス・デパイコリンチャンス
FWコーディ・ガクポリヴァプール
FWブライアン・ブロビーサンダーランド
FWドニエル・マレンローマ
FWヴァウト・ヴェグホルストアヤックス
FWノア・ラングガラタサライ

最終ラインが高くても破綻しにくい

まず目を引くのは守備陣だ。

  • フィルジル・ファン・ダイク(リヴァプール)
  • ネイサン・アケ(マンチェスター・シティ)
  • ユリエン・ティンバー(アーセナル)
  • ミッキー・ファン・デ・フェン(トッテナム・ホットスパー)
  • デンゼル・ダンフリース(インテル)

JFAの対戦国情報でも、オランダは経験豊富な最終ラインと高いビルドアップ能力が特徴として紹介されている。今回の26人を見ても、その見立ては変わらない。

日本にとって厄介なのは、前から奪いに行っても、相手センターバックが慌てずに外せることだ。逆に引きすぎると、フレンキー・デ・ヨングを中心に中央から押し込まれる。

日本が中途半端な高さで守ると、次の2つを同時に受ける。

  • 後方からの縦パスで中盤を越される
  • サイドに展開され、クロスや折り返しで押し込まれる

特に初戦は、入りの15分でオランダのセンターバックに自由な配球を許すかどうかが大きい。

中盤でデ・ヨングを前向きにさせないこと

中盤では、フレンキー・デ・ヨング、タイアニ・ラインデルス、ライアン・フラーフェンベルフ、マッツ・ウィーファー、トゥーン・コープマイネルスらが入った。保持、運搬、球際、前線への接続を分担できる構成だ。

オランダの攻撃は、単にサイドから速いだけではない。中盤で相手のプレッシャーを受けながら前進できる選手がいるため、守備側は「奪いに行く」か「下がって守る」かを何度も迷わされる。

JFAの対戦国情報でも、デ・ヨングは配球力とボールを前進させる運搬力を持つ要として紹介されている。ここを自由にすると、日本の守備ブロックは左右に揺さぶられ、久保建英や堂安律ら攻撃陣がカウンターに出る距離も長くなる。

日本が狙いたいのは、奪い切る守備だけではない。

  • デ・ヨングの受ける角度を限定する
  • 中央で前を向かせず、横パスに逃がす
  • 奪った直後は一気に背後へ運ぶ

この3つがつながれば、オランダの強みを日本の速攻の入口に変えられる。

前線は高さと推進力の両方を持つ

前線では、ガクポ、デパイ、ブロビー、マレン、ヴェグホルスト、ノア・ラングが選ばれた。ここから読めるのは、クーマン監督が1つの攻撃パターンだけで大会に入るつもりではないことだ。

ガクポやラング、マレンはサイドから前を向いて運べる。デパイは中央で受けて攻撃を作れる。ブロビーやヴェグホルストを使えば、より直接的に高さとフィジカルで押し込む形も作れる。

日本にとって嫌なのは、次のような展開だ。

  • 前半はデ・ヨングを起点に保持され、左右に振られる
  • 後半にヴェグホルストやブロビーを使われ、クロス対応を迫られる
  • セットプレーや二次攻撃で押し返される
  • 日本が前に出た裏を、ガクポやマレンに走られる

オランダは一方的に速攻だけを狙う相手ではない。保持で押し込み、必要なら高さでも殴れる。だから日本は、時間帯ごとの守り方を変える準備が必要になる。

日本のメンバー構成から見える対抗策

JFAの招集メンバーには、オランダのクラブでプレーする選手が複数入っている。板倉滉はアヤックス、渡辺剛と上田綺世はフェイエノールト、冨安健洋はアヤックス、小川航基はNECナイメヘン所属として掲載されている。

これは単なる所属国の話ではない。日本がオランダのテンポ、守備者の距離感、空中戦の強度を想定しやすいという意味を持つ。

守備は「耐える」だけでは足りない

オランダ相手に5バック気味で構える時間は出るだろう。だが、ただ下がるだけではガクポ、ダンフリース、マレン、ラングのような推進力を受け続けることになる。

日本が必要とするのは、守った後の一歩目だ。

  • センターバックが跳ね返した後、セカンドボールを拾う
  • 遠藤航や田中碧、佐野海舟が中央の回収地点を消す
  • 久保、堂安、中村敬斗、伊東純也、前田大然らが外へ逃げず、縦の出口を作る

この出口がなければ、守備はすぐ次の守備になる。オランダ戦で最も避けたいのは、奪っても3秒で失う展開だ。

攻撃は背後と逆サイドを急ぎたい

オランダは後方の個が強い一方、サイドバックやウイングバックが高い位置を取る時間もある。日本が勝機を作るなら、そこを突くしかない。

狙いは分かりやすい。

  • 相手の高いサイドの背後へ走る
  • 片側に寄せてから逆サイドへ逃がす
  • 上田綺世や小川航基に早めに当て、2列目が拾う
  • ファン・ダイクやアケが前に出た背後を、前田や伊東のスピードで突く

細かくつなぐだけでは、オランダの守備陣に整う時間を与える。日本は保持と速攻を使い分ける必要がある。特に前半のうちに一度でも背後を取れれば、オランダの最終ラインを数メートル下げられる。

日本が警戒すべき3つのポイント

オランダはグループF最大の格上だ。ただし、強い相手だからといって、すべてを受け身で考える必要はない。大事なのは、どこを消し、どこなら受け入れるかを整理することだ。

1. デ・ヨングの前進を止める

最重要は中央だ。デ・ヨングが前を向いて運べる時間が増えると、オランダは一気に楽になる。日本の中盤は、ボールを奪えなくても、受ける角度と次のパスコースを限定しなければならない。

完全に消すのは難しい。だからこそ、中央で前進されるより、外へ逃がして守備の基準を作る方が現実的だ。

2. サイドで押し込まれ続けない

ダンフリース、アケ、ティンバー、ハト、ファン・デ・フェンの使い方次第で、オランダのサイドは高さもスピードも出せる。日本のサイドが下がり続ければ、久保や堂安、三笘薫らが攻撃に出る距離は長くなる。

日本は守るだけでなく、相手サイドの背後へ一度走らせる必要がある。オランダのサイドを押し下げられれば、デ・ヨングの前進ルートも狭くなる。

3. セットプレーで失点しない

ファン・ダイク、ファン・デ・フェン、アケ、ブロビー、ヴェグホルストがいる相手に、セットプレーを何本も与えるのは危険だ。日本が試合を壊さないためには、流れの中の守備だけでなく、CK、FK、ロングスロー後の二次攻撃まで管理する必要がある。

オランダ戦での勝点1は十分に価値がある。しかし、そのためには「いい時間帯を作る」だけでは足りない。悪い時間帯に失点しないことが、同じくらい重要になる。

オランダ、チュニジア、スウェーデンと比べた危険度

グループFの相手は性格が違う。JFAの対戦国情報では、オランダはFIFAランキング7位、チュニジアは44位、スウェーデンは38位とされている。

  • オランダ: グループ最大の格上。初戦から強度と個の質を突きつけてくる
  • チュニジア: 日本が勝点3を取りに行きたい相手だが、守備的な試合になると難しい
  • スウェーデン: 最終戦で当たる欧州勢。勝点計算と前線の破壊力が重なる

オランダ戦は「どこまで耐え、どこで刺すか」が焦点になる。チュニジア戦は、日本が主導権を握ったときに崩し切れるかが問われる。スウェーデン戦は、最終戦の勝点状況まで含めた実務的な難しさがある。

だからこそ、初戦のオランダ戦で大きく崩れないことは重要だ。勝点を取れれば理想。取れなくても、得失点差とチームの心理状態を壊さずに次へ進む必要がある。

立場ごとの見方 発表26人で焦点はよりはっきりした

同じオランダ戦でも、見る立場によって焦点は少し変わる。

森保監督側の見方

JFAの組み合わせ決定時のコメントで、森保一監督はオランダを「世界のトップ・オブ・トップ」と表現し、チュニジアの堅守や欧州プレーオフ勝者の力にも触れている。日本側の公式な受け止めは、オランダだけを特別視しすぎず、3試合すべてを厳しい戦いとして準備するというものだ。

これは妥当だ。オランダ戦だけに全振りして、チュニジア戦やスウェーデン戦で強度を落とすわけにはいかない。

クーマン監督側の見方

FIFAのインタビューで、ロナルド・クーマン監督はオランダを優勝候補筆頭とは位置づけていない一方、どの相手にも勝てるだけの能力があるという趣旨を語っている。

今回の26人を見ると、その言い方は現実的だ。絶対的な本命と言い切るほどではないが、後方、中盤、前線に欧州主要リーグの主力級が並ぶ。日本から見れば、初戦で当たる相手としては十分すぎるほど危険だ。

日本の読者が見るべき点

サポーター目線では、ファン・ダイクやガクポの名前に目が行きやすい。だが試合を分けるのは、むしろ地味な場面だ。

  • 日本のボランチがデ・ヨングの前進を止められるか
  • オランダの右サイドを押し下げられるか
  • 日本がセットプレーで失点しないか
  • 先制された場合に焦って前がかりになりすぎないか
  • 奪った直後に、久保や堂安、前田、上田へ前向きのボールを届けられるか

スター選手を止めるというより、オランダに「いつもの前進」をさせないこと。そこが勝点への近道になる。

では、オランダはどれほど危険なのか

結論から言えば、オランダはグループFで日本にとって最大の壁だ。チームの完成度、選手層、過去の大会経験を合わせると、危険度は最上位に置くべき相手になる。

ただし、絶望的な相手ではない。日本には欧州主要リーグでプレーする選手が多く、オランダ国内でプレーする選手もいる。相手の強度を知らないままぶつかる試合ではない。

日本がオランダ戦で見るべき現実的なラインは、次の3つだ。

  • 勝点3: 最高の結果。背後への速攻とセットプレーで先に動かした場合に見える
  • 勝点1: 十分に価値がある結果。グループ突破計算を大きく助ける
  • 1点差負け: 内容次第ではまだ立て直せる。ただし得失点差を壊さないことが条件

5月27日にオランダの26人が発表されたことで、焦点はより具体的になった。クーマン監督がデ・ヨングの相棒に誰を置くのか。右サイドをダンフリースの高さで押すのか、マレンやラングの推進力を使うのか。日本の初戦対策は、そこから一段具体的になる。

オランダ戦は、グループ突破を決める試合ではないかもしれない。しかし、グループ突破の難易度を大きく変える試合であることは間違いない。

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