ジュビロ磐田はなぜ清水に5-1で勝てたのか 公開TRMで見えた成果と次の課題
ジュビロ磐田が清水エスパルスに5-1で勝った最大の要因は、試合の早い段階から得点を重ね、選手が入れ替わっても優位を維持したことだ。
7月25日にヤマハスタジアムで行われた公開トレーニングマッチは45分×4本。磐田は1本目から3本目まですべて得点し、合計180分のうち135分間を無失点で終えた。単なる大量得点だけでなく、長時間の実戦で結果を継続できた点に価値がある。
- 合計スコアは磐田5-1清水
- 1本目は開始3分に植村洋斗が先制
- 2本目は井上潮音の2得点などで3-0
- 3本目もジョアン・ヴィクトルが追加点
- 失点は4本目の1点だけ
勝因は「先制」「連続得点」「継続性」
4本のスコアを分けて見ると、磐田がどこで試合を動かしたのかが明確になる。
開始3分の先制で主導権を握った
1本目は植村洋斗が3分に得点し、1-0で終了した。
180分に及ぶ長いトレーニングマッチでは、序盤の1点だけで全体の勝敗が決まるわけではない。それでも、立ち上がりから結果を出したことで、磐田は追う側ではなく、相手の反応を見ながら試合を進める側に回れた。
公式戦でも先制点は試合運びを大きく変える。開始直後から得点へ結び付けた事実は、新シーズンを見据えるうえで好材料だ。
2本目の3得点で差を決定的にした
最も重要だったのは2本目だ。磐田は18分に井上潮音、21分に小池直矢、40分に再び井上が得点し、45分間で3点を奪った。
特に18分から21分までの3分間で2得点したことが大きい。一度得点して落ち着くのではなく、短い間隔で追加点を奪い、清水が立て直す前に差を広げた。
井上が同じ45分間で2得点したことも見逃せない。中盤の選手が複数得点を記録すれば、相手は前線だけに警戒を集中できなくなる。得点源を増やすという意味でも、価値のある結果だった。
また、前日に2026/27シーズンのJFA・Jリーグ特別指定選手認定が発表された小池が、さっそく得点した。公式戦で同じ働きを再現できるかはこれからだが、新戦力が実戦で結果を残したことは選択肢の拡大につながる。
3本目も無失点で終えた
メンバー構成や組み合わせが変わりやすい長時間のTRMでは、時間の経過とともに試合の質が落ちることもある。
しかし磐田は3本目も15分にジョアン・ヴィクトルが得点し、1-0で終えた。3本連続で得点し、3本連続で無失点。この継続性こそ、5得点と同じくらい評価したい部分だ。
ここがポイント: 大勝の核心は一つの組だけが大量得点したことではない。1本目から3本目まで、異なる時間帯で得点と無失点を積み重ねたことにある。
5人分ではなく「4人で5得点」が示すもの
磐田の得点者は植村洋斗、井上潮音、小池直矢、ジョアン・ヴィクトル。井上が2点を挙げ、4選手で計5得点した。
この分散には意味がある。特定のストライカーだけに依存せず、複数の選手がゴールに関与したからだ。
- 植村洋斗:1本目3分
- 井上潮音:2本目18分、40分
- 小池直矢:2本目21分
- ジョアン・ヴィクトル:3本目15分
得点者の顔ぶれが広がれば、公式戦で相手が対策を立てにくくなる。ただし、公式発表には得点までの詳しい経過やシュート数などが掲載されていない。どの形が有効だったのかを断定するのではなく、まずは複数の選手が決め切った事実を成果として捉えるべきだろう。
秋葉忠宏監督の下で示した「結果を切らさない力」
この一戦は秋葉忠宏監督が率いる磐田にとって、清水を相手にした公開TRMだった。対戦相手との関係に注目が集まりやすいカードだが、重要なのは感情的な意味付けよりも、チームが180分をどう使ったかである。
磐田は1本目の先制だけで終わらず、2本目に3点、3本目にも1点を追加した。リードした後も得点を取りに行き、試合全体のスコアを広げた。
J2から上位を目指す戦いでは、優位な時間帯に1点だけで終わらず、追加点を奪えるかが問われる。清水戦で見せた連続得点を公式戦でも再現できれば、試合をより確実に運べる。
大勝でも残った二つの確認事項
5-1は明確な好結果だ。ただし、トレーニングマッチの数字をそのまま公式戦の力関係へ置き換えることはできない。
4本目の失点をどう捉えるか
磐田は4本目の5分に失点し、この45分だけは0-1だった。最初の3本で作ったリードが揺らぐ状況ではなかったものの、最後まで無失点を続けられなかった点は確認材料になる。
長時間の試合では疲労や大幅な選手交代がある。だからこそ、組み合わせが変わった状態でも守備の基準を保てるかが大切だ。失点場面の詳細は公式発表から判断できないため、原因の断定は避けたい。
公式戦で再現できるか
今回の試合は45分×4本で、1本目と2本目には5分間のクーリングブレイクも設けられた。通常の90分で行われる公式戦とは条件が異なる。
今後見るべきなのは、次の3点だ。
- 立ち上がりから相手を押し込み、先制点を奪えるか
- 得点直後に攻撃の手を緩めず、追加点を取れるか
- 選手交代後も攻守の強度を保てるか
5-1をシーズンへつなげるために
清水戦の5-1は、磐田が御前崎キャンプで積み上げてきたものを結果として示した一戦になった。開始3分の先制、2本目の連続得点、3本目まで続いた無失点。勝利の中身には、公式戦へ持ち込みたい要素が並んでいる。
一方で、本当の評価はリーグ戦が始まってから定まる。公開TRMで見えた強みを90分の公式戦でも再現し、4本目のように流れを渡した時間帯を短くできるか。次に注目すべきなのはスコアの大きさではなく、先制後も追加点を狙う姿勢が公式戦で続くかどうかだ。
