3連勝で復活のジュビロ磐田、この勢いは本物か!?
結論から言えば、ジュビロ磐田の3連勝は「本物になり得る」勢いです。ただし、まだ全面的な復活とまでは言い切れません。
4月18日のRB大宮アルディージャ戦で、磐田は1点ビハインドから73分にグスタボ・シルバ、90+8分に佐藤凌我が決めて2-1の逆転勝利。第9節のヴァンフォーレ甲府戦、第10節のAC長野パルセイロ戦に続く白星で、3月21日に大宮に1-4で敗れた流れをひっくり返しました。
- 3連勝の中身は、甲府戦1-0、長野戦1-1からPK4-1、大宮戦2-1
- 大宮戦は前回1-4で敗れた相手へのリベンジになった
- ただし長野戦、甲府戦とも相手にシュートを多く打たれており、内容面の課題は残る
- 今後の焦点は「勝ち切る力」を、90分の主導権につなげられるか
ここがポイント: 磐田は勝ち方を取り戻し始めた。だが、相手を押し切る強さまで戻ったかは、次の数試合で見極めたい。
何が起きたのか。3連勝の流れを整理する
磐田の流れは、4月4日の甲府戦から明確に変わりました。
第9節の甲府戦は、18分にグスタボ・シルバが決めた1点を守り切って1-0。Jリーグ公式の試合データでは、シュート数は磐田15本、甲府17本でした。相手にも十分にチャンスを作られながら、今季初の90分勝利を手にしたことが大きかった試合です。
続く第10節の長野戦は、16分にマテウス・ペイショットが先制。39分に藤川虎太朗に同点弾を許しましたが、90分を1-1で終えたあと、PK戦を4-1で制しました。Jリーグ公式ではシュート数が長野13本、磐田8本。GK川島永嗣がPK戦で流れを引き寄せた一方、試合内容には修正点も残りました。
そして第11節の大宮戦。大宮に19分、泉柊椰のゴールで先制されながら、磐田は終盤に反撃しました。73分にグスタボ・シルバ、90+8分に佐藤凌我が決めて2-1。ゲキサカの試合記録でも、後半アディショナルタイム8分の決勝点として記録されています。
直近3試合の結果
| 節 | 日付 | 対戦相手 | 結果 | 得点者 |
|---|---|---|---|---|
| 第9節 | 2026年4月4日 | ヴァンフォーレ甲府 | 1-0 | グスタボ・シルバ |
| 第10節 | 2026年4月12日 | AC長野パルセイロ | 1-1、PK4-1 | マテウス・ペイショット |
| 第11節 | 2026年4月18日 | RB大宮アルディージャ | 2-1 | グスタボ・シルバ、佐藤凌我 |
勢いを本物に見せている材料
磐田が変わったように見える最大の理由は、勝ち方が一つではなくなったことです。
グスタボ・シルバが得点の入口になっている
甲府戦の決勝点、大宮戦の同点弾はいずれもグスタボ・シルバ。3連勝のうち2試合で、試合の流れを動かす得点を決めています。
これは単なる個人名の話ではありません。磐田は苦しい時間帯でも、前線に「1点を作れる選手」がいることで、試合を壊さずに粘れるようになっています。
大宮戦では先制されたあと、73分に追いついたことで、90+8分の佐藤凌我の決勝点につながる土台ができました。終盤まで試合を生かしておける攻撃の出口があるのは、連勝中の大きな変化です。
交代選手が結果に絡んだ大宮戦
大宮戦の決勝点を決めた佐藤凌我は、3月21日の大宮戦でも途中出場していました。その前回対戦は磐田が1-4で敗れ、後半に一度はグスタボ・シルバの得点で1点差に迫りながら、すぐに突き放された試合でした。
同じ相手に、今度は終盤でひっくり返した。ここに意味があります。
- 前回対戦: 1-4で敗戦。後半の反撃後に失点し、流れを戻せなかった
- 今回対戦: 先制されても後半に同点、最後に逆転
- 変化: 途中出場の選手が試合の結末を変えた
長いシーズンでは、先発11人だけで勝ち続けることは難しい。交代カードが得点に直結した大宮戦は、磐田のベンチワークと前線の競争にとっても価値がある勝利でした。
川島永嗣のPK戦勝利も「勝ち癖」を支えた
長野戦は90分で勝ち切った試合ではありません。それでも、PK戦を制した意味は小さくありません。
Jリーグ公式の試合データでは、長野戦のシュート数は長野13本、磐田8本。Football LABのデータでも、磐田はボール保持率45.2%、ペナルティエリア進入6回にとどまっています。押し込んで勝った試合ではなく、耐えて勝った試合でした。
そこでGK川島永嗣がPK戦で存在感を示したことは、チームにとって現実的な支えになります。内容が整い切らない時期に、最後の局面で勝点を拾えるか。昇格を狙うクラブほど、この差があとで効いてきます。
それでも「完全復活」と言い切れない理由
3連勝は評価すべきです。ただ、数字を見ると、まだ危うさも残っています。
甲府戦と長野戦は、相手にも多く打たれている
甲府戦は1-0の勝利でしたが、シュート数は磐田15本、甲府17本。長野戦も長野13本、磐田8本でした。
つまり、3連勝のうち少なくとも2試合は、相手の攻撃を完全に抑え込んだ内容ではありません。スコアだけを見れば復調ですが、試合の中身を見ると、まだ守備の安定や前進の質には課題があります。
特に長野戦後、報道では志垣良監督が「修正が必要」と話したことも伝えられています。勝ったから問題が消えたのではなく、勝ちながら直す段階に入ったと見るべきです。
PK勝ちを「90分勝利」と同じには扱えない
J2・J3百年構想リーグの地域リーグラウンドは、90分で引き分けた場合にPK戦で完全決着をつける方式です。長野戦の勝利は大きいものの、90分のスコアは1-1でした。
ここを冷静に分けて見る必要があります。
- 甲府戦: 90分で1-0勝利
- 長野戦: 90分は1-1、PK戦で勝利
- 大宮戦: 90分で2-1勝利
3連勝という見え方は力強い一方で、内容はまだ発展途上です。本物の復活かどうかは、次に先制された試合、押し込まれた試合、主力を入れ替えた試合で再現できるかにかかっています。
立場ごとの見方。評価と慎重論はどこで分かれるか
3連勝をどう見るかは、立場によって少し変わります。
クラブ側・現場目線
現場にとっては、まず結果が出たことが大きいはずです。3月21日の大宮戦で1-4、3月29日のいわき戦で0-1と苦しい結果が続いたあと、甲府、長野、大宮から勝利を積み上げた。チームの空気を変えるには十分です。
ただし、長野戦で相手に押し込まれた時間や、甲府戦で17本のシュートを許した点を考えると、志垣監督の視点では「勝ったが、修正することは多い」という整理になるでしょう。
サポーター目線
サポーターにとって、大宮戦の逆転勝ちは特別です。
同じ大宮に3月は1-4で敗れ、4月は敵地で2-1の逆転勝ち。しかも決勝点は90+8分。これは順位表以上に、チームへの見方を変える一勝になります。
一方で、磐田をよく見ている人ほど、手放しでは喜び切れないはずです。J1復帰を目指すクラブとしては、勝つだけでなく、相手を押し込む時間をどれだけ増やせるかが問われます。
データ目線
データから見ると、直近3試合は「勝負強さは上向き、支配力はまだ不安定」という評価になります。
甲府戦は1点を守ったもののシュート数で上回られ、長野戦はFootball LABのデータでペナルティエリア進入が6回にとどまりました。大宮戦の詳細スタッツは確認できる範囲が限られますが、少なくともスコア推移としては終盤の決定力が勝敗を分けました。
勝てるチームに戻りつつある。ただし、試合を支配するチームに戻ったかは、まだ次の検証が必要です。
次に見るべきポイント
磐田の次戦は4月25日のFC岐阜戦。さらに4月29日に松本山雅FC戦、5月2日にいわきFC戦が続きます。クラブ公式サイトでも、この3試合が次のスケジュールとして掲載されています。
ここからが、本当に重要です。
FC岐阜戦で問われること
3連勝後のホームゲームは、勢いを順位表に反映させるチャンスです。大宮戦のような劇的勝利の直後は、入りの集中が難しくなることもあります。
見るべき点は明確です。
- 先制点を取れるか
- 相手にシュートを打たせすぎないか
- グスタボ・シルバ、マテウス・ペイショット、佐藤凌我をどう組み合わせるか
- 交代選手が再び終盤の強度を上げられるか
松本、いわきとの連戦が本当の試金石
松本といわきは、EAST-Bの流れを左右する相手です。特にいわきは第8節で磐田を1-0で破っており、リベンジの意味もあります。
3連勝が本物なら、次に必要なのは「劇的勝利」ではなく「再現性」です。90分の中で前から奪う時間を作り、押し込まれたときには守備の距離を保ち、終盤だけに頼らず得点を積む。そこまで見えれば、磐田の復調はかなり信頼できるものになります。
まとめ。勢いは本物の入口に立った
磐田の3連勝は、偶然だけでは片づけられません。甲府戦で1点を守り、長野戦でPK戦を制し、大宮戦で90+8分に逆転した。勝ち方の種類が増えたことは、チームの状態が上がっている証拠です。
ただし、相手にシュートを許す試合が続いている点、長野戦が90分では引き分けだった点を踏まえると、「完全復活」と断言するには早い。今の磐田は、結果が先に戻り、内容が追いかけている段階です。
次に見るべきポイントは、シンプルです。
- FC岐阜戦で連勝後の緩みを出さないか
- 松本、いわき相手に同じ勝負強さを出せるか
- グスタボ・シルバと佐藤凌我の得点関与が一過性で終わらないか
- 甲府戦、長野戦で見えた被シュートの多さを減らせるか
大宮戦の90+8分は、復活の号砲にはなりました。次は、その音を一試合だけの余韻で終わらせないことです。
