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カマタマーレ讃岐は「遠征型キャンプ」ではなく宝山湖で再始動――4得点に表れた夏の積み上げ

夏の練習場で攻撃練習に取り組むサッカーチームのイメージ。

カマタマーレ讃岐は「遠征型キャンプ」ではなく宝山湖で再始動――4得点に表れた夏の積み上げ

後藤優介が2得点、佐野竜眞と禹相皓もゴール。カマタマーレ讃岐は7月26日の香川県サッカー選手権大会決勝でSONIO高松を4-0で下し、天皇杯出場を決めた。

この試合で見えたのは、6月25日に宝山湖OKURAボールパークで始まった約1カ月の準備が、得点の形と無失点という結果に結びついたことだ。クラブは遠征や宿泊を伴う「夏季キャンプ」としては発表しておらず、香川県内の拠点で練習と実戦を重ねる形で新シーズンへの準備を進めた

この記事で分かることは次の3点だ。

  • 6月25日以降の始動スケジュールと公開範囲
  • 愛媛FCとのトレーニングマッチ、SONIO高松戦から見えた強化点
  • 8月9日のJ3開幕後に問われる攻守の課題
目次

6月25日に宝山湖で始動、県外キャンプの発表はなし

讃岐の夏のチーム作りは、宝山湖OKURAボールパークを中心とした通常拠点で始まった。

クラブが6月18日に公表した2026/27シーズンの始動概要は次の通りだ。

  • 始動日時:2026年6月25日(木)午前9時
  • 場所:宝山湖OKURAボールパーク(香川県三豊市)
  • 練習見学:指定エリアから可能
  • 撮影:静止画のみ可能。動画撮影は禁止
  • 練習内容の記録やSNS投稿:禁止
  • 選手の参加:コンディションによって全体練習に参加しない場合あり

クラブからは、別の開催地へ移動する合宿日程や宿泊期間、キャンプ参加者一覧は発表されていない。そのため、確認できる準備期間を「遠征型の夏季キャンプ」と断定することはできない。

一方、6月25日は単なる公開練習日ではなく、2026/27シーズンのトップチーム始動日だった。大嶽直人監督のもと、8月9日の明治安田J3リーグ開幕へ向けたチーム作りがここから始まっている。

猛暑下での公開には制限も

クラブは6月25日から9月中旬ごろまでを夏季期間とし、香川県内に熱中症警戒アラートが発表された日は、公開練習後のファンサービスを実施しない方針を示した。練習場での飲食物の差し入れも、この期間は受け付けない。

公開練習へ足を運ぶ場合は、当日の実施時刻だけでなく、ファンサービスの有無もクラブ公式サイトや公式Xで確認したい。夏場は天候や選手のコンディションによる変更があり得る。

実戦の焦点は「保持」とゴール前へ入る人数

夏の準備で輪郭が見えた攻撃テーマは、ボールを簡単に失わず、相手陣深くから複数人でゴール前へ入ることだった。

7月26日のSONIO高松戦は、その途中経過を公式戦で確認できた一戦だ。讃岐は前半2-0、後半2-0の計4-0で勝利。後藤優介が2得点を挙げ、佐野竜眞と禹相皓も得点した。

後藤は試合後、ワイドの選手が相手陣の深い位置まで進む回数と、そこからのクロスが増えていると説明した。先制点では上野輝人のクロスに対し、大野耀平だけでなく後藤もゴール前へ走り込んだ。最初の選手が合わせられなくても、次の選手が仕留められる配置だった。

これは得点者の個人技だけで片づけられない。重要なのは、次の動きが連続していた点だ。

  • ワイドの選手が深い位置を取る
  • 中央へ複数人が入る
  • 最初の選手が触れない場合にも備える
  • ボールを失った後の切り替えにつなげる

佐野の得点にも連係が表れた。佐野は、大野が空中戦で競り勝つことを見込んで背後へ走り、GKとの1対1を決めたと振り返っている。味方の特徴を前提に次の場所へ動く形は、チームとして再現できるかどうかが大切になる。

保持への挑戦は守備リスクと表裏一体

後藤は、最終ラインの選手がボール保持に取り組んでいることにも言及した。前線には、その保持を支えるために動き続ける役割が求められる。

ただし、保持時間が増えれば自陣でのミスが失点機に直結する危険も増す。後藤自身も、小さなミスから相手に一度の好機を決められる可能性を課題として挙げた。

ここがポイント: 讃岐の夏の積み上げは、保持そのものではなく、保持から相手陣深くへ進み、複数人でゴール前へ入るところまでつながるかで評価したい。

無失点でも、90分の強度と連係は完成途上

4-0という結果は前進を示したが、大嶽監督は開幕メンバーも戦い方も固まったとは見ていない。

SONIO高松戦後、大嶽監督は選手たちに先発の保証はないと伝えたことを明かした。リーグ開幕までに問われるのは、チーム戦術をどこまで理解し、90分間にわたって高い強度を維持できるかだ。

監督が挙げた残りの強化点は具体的だった。

  • 90分間プレーするためのコンディション向上
  • 攻撃時の連係と崩しに関わる人数の増加
  • 攻守の切り替え
  • 守備で一度外されても追い直す「二度追い」

相手の強いプレスを受けた序盤に失点せず、徐々に流れを引き寄せたことはプラス材料だ。後藤も、押され気味の時間を我慢したことが自分たちのペースにつながったと振り返った。

ただ、J3では相手のプレス強度も、ボールを奪った後の速さも一段上がる。SONIO高松戦でできた「耐える時間の守備」と「流れをつかんだ後の前進」を、リーグ戦の90分で再現できるかが次の基準になる。

公開トレーニングマッチと公式戦が競争の場に

遠征型キャンプの代わりに、通常練習と段階的な実戦が選手間競争を進める場になった。

クラブは7月12日に愛媛FCとのトレーニングマッチを宝山湖OKURAボールパークで公開した。観戦は抽選制とされ、練習試合であってもサポーターが新チームを確認できる機会が設けられた。

ただし、クラブの公開案内では試合結果や出場メンバー、個々のプレー評価までは示されていない。結果が確認できない試合から序列や戦術の成否を決めつけることはできない。

その意味で、7月26日のSONIO高松戦は大きかった。公式記録と監督・選手のコメントがそろい、準備期間の成果を初めて具体的に読み取れる試合になったからだ。

6月の敗戦から何が変わったか

讃岐は6月5日、明治安田J2・J3百年構想リーグのプレーオフラウンド第2戦でAC長野パルセイロに敗れ、全体38位で大会を終えた。その20日後に新シーズンへ向けて再始動し、約1カ月後のSONIO高松戦では4得点・無失点で勝った。

対戦相手も大会の性質も異なるため、2試合のスコアだけで単純比較はできない。それでも、準備期間後の公式戦で次の成果を残した意味は明確だ。

  • 90分を無失点で終えた
  • 得点者が3人に分散した
  • クロス、背後への走り、セカンドプレーから得点した
  • 天皇杯出場という結果を確保した

得点の分散は、後藤一人にフィニッシュを依存しなかったことを示す。佐野が公式戦で結果を残し、禹も得点したことで、開幕前の前線・中盤の競争には具体的な材料が加わった。

8月の開幕3連戦で積み上げの真価が分かる

夏の準備に対する最初の本格評価は、アウェイ3連戦となるJ3開幕から始まる。

讃岐の2026/27明治安田J3リーグ序盤の日程は、移動を伴う試合が続く。

  • 8月9日:福島ユナイテッドFC戦(とうほう・みんなのスタジアム)
  • 8月15日:ギラヴァンツ北九州戦(ミクニワールドスタジアム北九州)
  • 8月23日:高知ユナイテッドSC戦(高知県立春野総合運動公園陸上競技場)
  • 8月29日:鹿児島ユナイテッドFC戦(四国化成MEGLIOスタジアム、ホーム開幕戦)

さらに、8月19日には天皇杯1回戦が組まれている。リーグ開幕後の短い期間に公式戦が重なるため、先発11人だけでなく、交代選手を含む選手層とコンディション管理が重要になる。

注目点は絞りやすい。

  • 相手のプレスを受けても、後方からの保持を続けられるか
  • ワイドが深い位置を取り、ゴール前へ複数人が入れるか
  • ボールを失った直後の切り替えと二度追いが機能するか
  • 先発変更や途中交代があっても、攻守の強度を落とさないか

SONIO高松戦の4-0は、夏の準備が向かう方向を示した。しかし、完成を証明したわけではない。福島、北九州、高知とのアウェイ3試合で同じ攻撃の形を作り、90分間の強度を保てるか。そこが宝山湖で重ねた準備の最初の答えになる。

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