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失点数ワーストの川崎から月間ベストセーブ選出のスベンドブローダーセン、それでも守備は立て直せないのか?

失点数ワーストの川崎から月間ベストセーブ選出のスベンドブローダーセン、それでも守備は立て直せないのか?

答えから言えば、川崎フロンターレの守備は立て直せる。ただし、スベンド ブローダーセンの好セーブを前提に耐える形では長続きしない。

Jリーグ公式順位表では、4月12日更新時点で川崎Fは明治安田J1百年構想リーグ EAST 5位。10試合で18失点は横浜F・マリノスと並ぶEAST最多で、月間ベストセーブ受賞という明るい材料と、守備全体の数字の重さが同時に出ている。

  • ブローダーセンは3月度のJ1 EAST月間ベストセーブを初受賞
  • 対象は3月14日、鹿島アントラーズ戦25分のセーブ
  • 川崎Fは10試合14得点18失点、勝点14でEAST 5位
  • Football LABでは被シュート16.0、被チャンス構築率15.1%、被ゴール1.8がいずれも下位水準
  • 立て直しの鍵はGK個人ではなく、クロス対応、こぼれ球、ペナルティエリア前後の守り方にある
目次

何が起きているのか

まず事実を整理したい。ブローダーセンの受賞は、川崎Fにとって守備の崩壊を隠すニュースではない。むしろ、最後に質の高いGKがいることを確認させるニュースだ。

川崎F公式によると、3月度の月間ベストセーブに選ばれたのは、3月14日の鹿島アントラーズ戦、25分のプレーだった。本人はコメントで、早く動いてコースを空けないこと、ファーサイドを味方がブロックしたためニアに集中できたことを説明している。

ここが重要だ。ブローダーセンは「自分だけで止めた」とは言っていない。味方のブロックでシュートコースが限定され、GKがニアを守る判断をできた。つまり、川崎Fが再現すべきなのはスーパーセーブそのものではなく、GKが読むべきコースを絞れる守備である。

一方で、順位表の数字は厳しい。

項目川崎F意味
EAST順位5位上位進出圏からは差がある
成績10試合 3勝2PK勝1PK負4敗勝ち切る試合と崩れる試合が混在
得点14攻撃力は完全に沈んでいない
失点18EAST最多タイ
得失点差-4打ち合いで勝点を削られている

10試合で14得点なら、攻撃面だけで下位に沈む数字ではない。問題は、リードや均衡を保つ時間を守備が作り切れていないことにある。

好セーブと失点増は矛盾しない

GKが目立つチームは、必ずしも守備が安定しているチームではない。むしろ、相手に決定機を与える回数が多いからこそ、GKのプレーが試合の見出しになりやすい。

Football LABの4月13日更新データを見ると、川崎Fの守備はそこに近い。

  • 被シュート:16.0、リーグ19位
  • 被チャンス構築率:15.1%、リーグ19位
  • 被ゴール:1.8、リーグ20位
  • 被ゴール期待値:1.965
  • ブローダーセンの1試合平均セーブ数:2.7

被攻撃回数は105.9でリーグ2位と表示されており、単純に押し込まれ続けているチームというより、相手の攻撃がシュートまで進んだ時の危険度が高い。攻撃を受ける総量よりも、最後に撃たれる形が悪い。

クロスとこぼれ球が重い

失点パターンも分かりやすい。Football LABでは、川崎Fの失点18のうち、クロスから5、こぼれ球から5。どちらも27.8%を占めている。

この2つは、GKだけで処理し切るには限界がある。

  • クロスからの失点は、サイドでの寄せ、ボールホルダーへの圧力、中央のマーク受け渡しが問われる
  • こぼれ球からの失点は、シュートブロック後の二次対応、セカンドボール回収、ラインを下げた後の押し返しが問われる
  • セットプレーからの失点も2あり、競り合い後の処理まで含めた整備が必要になる

ブローダーセンが1本を止めても、こぼれ球を拾われれば次のシュートが来る。クロスに触れても、中央の回収が遅れれば再び押し込まれる。川崎Fの守備課題は「最後の一手」ではなく、その一つ前と一つ後にある。

ここがポイント: 月間ベストセーブは守備立て直しの材料だが、失点を減らす答えそのものではない。

長谷部体制でどこを直すべきか

川崎Fは長谷部茂利監督の下で、ボールを持つ時間を作りながら試合を進めたいチームだ。だからこそ、守備の修正も「ただ下がる」だけでは足りない。

1つ目は、撃たせる場所を限定すること

ブローダーセンの受賞プレーでは、本人がニアに集中できたと説明している。これは守備側がファーを切ったから成立した。

同じ考え方をチーム全体に広げるなら、必要なのは次の整理だ。

  • サイドで簡単にクロスを上げさせない
  • クロスを上げられても、中央でフリーの選手を作らない
  • シュートブロック後のこぼれ球に、最初に反応する選手を明確にする
  • GKが飛び出す範囲とDFが処理する範囲をそろえる

守備の人数を増やすだけでは、川崎Fらしい攻撃への接続が鈍る。ボールを奪った後に前へ出るためにも、まずは相手の選択肢を狭めて、回収位置を決めたい。

2つ目は、試合ごとの崩れ幅を小さくすること

Jリーグ公式の選手ページに掲載されたブローダーセンの出場記録を見ると、川崎Fは2月8日の柏レイソル戦で5-3、3月22日の横浜FM戦で0-5、4月5日の浦和レッズ戦で3-2、4月12日の鹿島戦で0-2と、失点数の振れ幅が大きい。

これは攻撃的なチームに起こりやすい問題でもある。前へ出る時間が長いほど、奪われた瞬間のスペースは広がる。ボール保持で優位に立つ試合でも、1本のロングボールやサイドの突破で一気にピンチになる。

だから、川崎Fがまず目指すべき基準は無失点の連発ではない。2失点、3失点に膨らむ試合を1失点で止めることだ。そこまで下げられれば、14得点を挙げている攻撃は勝点に変わりやすくなる。

見方を立場別に整理する

同じニュースでも、どこを見るかで評価は変わる。今回の月間ベストセーブは、川崎Fの守備を楽観する材料にも、危機感を強める材料にもなる。

クラブと選手の見方

川崎F公式は、ブローダーセンの受賞を3月度J1 EAST月間ベストセーブとして発表した。本人コメントでは、日々のGKチームでの練習、味方DFのファーサイドブロック、ニアへの集中が語られている。

これは個人賞でありながら、守備連係の賞でもある。GK、DF、MFが同じ絵を見られた時、川崎Fは相手の決定機を最後で止められる。

データ面の見方

データはより厳しい。被シュート、被チャンス構築率、被ゴールが下位水準にあり、失点パターンではクロスとこぼれ球が目立つ。

この数字は、ブローダーセンの評価を下げるものではない。むしろ、GKが目立たざるを得ない構造を示している。守備組織が相手のシュートを遠ざけられれば、月間ベストセーブ級の反応は「最後の保険」として使える。

報道の見方

フットボールチャンネルは、対象プレーを鹿島戦の至近距離シュートストップとして伝えている。ゴール前の混戦からシュートを浴びた流れは、川崎Fの現状をよく表している。

1本目をブロックしても、次のこぼれ球に相手が先に触る。そこからGKが救う。見応えはあるが、毎試合続けるにはリスクが大きい。

次に見るべき3試合

川崎Fの次の予定は、4月18日の横浜F・マリノス戦、4月25日のジェフユナイテッド千葉戦、4月29日の浦和レッズ戦と続く。Jリーグ公式のクラブページにも今後3試合として掲載されている。

この3試合で見るべきポイントは、勝敗だけではない。

  • 横浜FM戦:前回0-5で敗れた相手に、クロス対応と背後管理を修正できるか
  • 千葉戦:2月の対戦は0-0からPK勝。押し込む展開でカウンターを受けない設計があるか
  • 浦和戦:4月5日は3-2で勝ったが、再戦で打ち合いを避けられるか

守備が本当に立て直されているかは、スーパーセーブの数では測りにくい。むしろ、ブローダーセンが大きく映らない時間が増えるかどうかが目安になる。

川崎Fに必要なのは、GKの当たり日を待つことではない。クロスを上げさせる前に寄せる。こぼれ球に先に触る。シュートコースを消して、ブローダーセンに守る場所を渡す。

月間ベストセーブは、その方向へ進むための証拠になる。次は、それを90分の守備に広げられるかだ。

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