甲府はシュート16本でも無得点、横浜FCは3得点――0-3を分けた枠内の差と得点時刻
シュート数はヴァンフォーレ甲府が16本、横浜FCが15本。それでも、結果は甲府の0-3だった。この差をどう読むか。記録からは、攻撃をシュートで終えた回数よりも、枠内に届けた本数と、前半終了間際から後半開始直後にかけての得点が重要だったと考えられる。
横浜FCは45+2分に細井 響、53分に村田 透馬が得点し、88分には途中出場の駒沢 直哉が追加点。甲府はシュート数とコーナーキック数で上回りながら、得点には届かなかった。
- 数では甲府、枠内では横浜FC:シュートは16対15、枠内シュートは4対5。
- 横浜FCは前後半の境目で2得点:45+2分の先制に続き、53分に追加点。
- 交代出場の駒沢が最後の得点:65分に入り、88分にスコアを0-3とした。
試合結果と経過――横浜FCが前後半に得点
横浜FCは前半を1点リードで終え、後半に2点を加えて勝利した。
2026年10月21日、JIT リサイクルインク スタジアムで行われた明治安田J2リーグ 2026/27 第12節は、ヴァンフォーレ甲府 0-3 横浜FCで終了した。Jリーグ公式の試合記録に基づく得点経過は次の通り。
- 45+2分:細井 響(横浜FC)が先制。0-1。
- 53分:村田 透馬(横浜FC)が追加点。0-2。
- 88分:駒沢 直哉(横浜FC)が得点。0-3。
交代の経過
横浜FCは後半開始時に最初の交代を行い、甲府は2点を追う57分に3人を同時投入した。
- 後半開始時・横浜FC:岩崎 亮佑に代わり窪田 稜。
- 57分・甲府:末木 裕也に代わり和田 拓也、小林 岩魚に代わり水野 颯太、佐藤 和弘に代わり大島 康樹。
- 65分・横浜FC:村田 透馬に代わり伊藤 槙人、ルキアンに代わり駒沢 直哉。
- 67分・甲府:熊倉 弘達に代わり村上 千歩。
- 73分・横浜FC:髙江 麗央に代わり小倉 陽太。
- 76分・甲府:内藤 大和に代わりスタチオーリ ミケーレ。
- 86分・横浜FC:ジョアン パウロに代わり宇田 光史朗。
警告は以下の2件だった。
- 9分・警告:岩崎 亮佑(横浜FC)。
- 47分・警告:福元 竣(ヴァンフォーレ甲府)。
シュート16対15でも、ゴールに向かった本数は逆転
甲府が上回ったのはシュート総数で、枠内シュートでは横浜FCが上回った。
| 項目 | ヴァンフォーレ甲府(ホーム) | 横浜FC(アウェイ) |
|---|---|---|
| シュート | 16 | 15 |
| 枠内シュート | 4 | 5 |
| ボール支配率 | 42% | 58% |
| パス成功率 | 75% | 83% |
| コーナーキック | 9 | 7 |
甲府はシュート16本、枠内シュート4本。横浜FCはシュート15本、枠内シュート5本だった。コーナーキックも甲府が9本、横浜FCが7本で、甲府はこの2項目で相手を上回っている。
ここから、甲府がシュートを打つところまで進めなかった試合とは考えにくい。一方、シュート総数の優位は、そのまま得点の可能性の優位を意味しない。枠内シュート、つまりゴールの枠を捉えたシュートに限ると、両者の大小関係は逆になる。
横浜FCは枠内シュート5本に対して3得点、甲府は枠内シュート4本に対して無得点だった。
枠内シュートの差は1本、得点差は3点。 この開きからは、枠を捉えた後に得点へ結び付いたかどうかが、結果を読むうえで大きな論点になる。ただし、この数字だけで横浜FCの決定力や甲府のシュート精度に原因を一本化することはできない。シュートの位置、相手守備者との距離、ゴールキーパーが対応する難しさまでは分からないためだ。
甲府の9本のコーナーキックにも同じ注意が必要だ。攻撃の機会を得た数字としては評価できるものの、そこから何本のシュートや好機を生んだかは、この集計では判断できない。甲府の課題は単に攻撃回数を増やすことより、すでに得た機会をどのようなシュートで終えたかにあると考えられる。
保持率とパス成功率は横浜FCが上回った
横浜FCのボール保持率は58%、パス成功率は83%。甲府はそれぞれ42%、75%だった。
この2項目は、横浜FCがより長くボールを持ち、パスを成功させる割合でも上回ったことを示している。ただし、ボールを持った場所やパスの方向が分からない以上、敵陣で一方的に押し込んだとまでは判断できない。
逆に、甲府は保持率42%でもシュート16本を記録した。ボールを持つ時間の長短と、シュート数は一致していない。横浜FCの保持を評価する場合も、甲府の攻撃を評価する場合も、ボールを持った量と、得点に近づいた度合いを分けて読む必要がある。
45+2分と53分――甲府は反撃前に追う点差が広がった
得点時刻から見ると、前半終了間際の先制と後半早い時間帯の追加点が、甲府の追い上げを難しくしたと考えられる。
横浜FCは45+2分に細井 響の得点で先制し、後半開始時に岩崎 亮佑から窪田 稜へ交代。53分には村田 透馬が2点目を挙げた。甲府の3人同時交代は、その後の57分だった。
この順番は重要だ。甲府は後半を1点差で迎えたが、3人を入れ替えた時点では2点を追う状況になっていた。追い付くために必要な得点が増えたことで、交代後の攻撃にはより大きな成果が求められたと考えられる。
ただし、交代までの時間が失点の原因だったとは断定できない。53分の失点場面の配置や、交代選手に託した役割は、時刻の並びだけでは分からない。確認できるのは、横浜FCの2点目が甲府の3人同時交代より先だったという関係だ。
また、試合全体のシュート数をこの時間帯に当てはめることもできない。甲府の16本がどの得点状況で積み上がったかによって、同じ数字の意味は変わる。0-0の時間に多く打った場合と、2点を追ってから増えた場合では、試合の評価も異なるはずだ。
駒沢の途中出場と得点――横浜FCは交代後にも加点
横浜FCでは、途中出場した駒沢 直哉が3点目の得点者になった。
駒沢は65分にルキアンに代わって出場し、88分に得点した。同じ65分には、2点目を挙げた村田 透馬に代わって伊藤 槙人が入っている。横浜FCはその後も73分、86分に交代を行い、最終スコアは0-3となった。
この記録からは、横浜FCが2点のリードを得た後も、交代出場選手を通じて得点を加えられた点を評価できる。ただし、駒沢が入ったことで攻撃の仕組み全体が改善したかどうかは別の論点だ。得点という成果と、交代による戦術的な変化は、同じものとして扱えない。
甲府は57分の3人同時交代に続き、67分と76分にも選手を入れ替えたが、得点はなかった。
これをもって交代策のすべてが機能しなかったと評価するのも早い。交代後に好機が増えたか、シュートの位置が改善したかは、全体の集計から切り分けられないためだ。ただ、得点に結び付かなかったという結果は、攻撃を見直す際の出発点になる。
0-3の核心――甲府の攻撃量は、得点には結び付かなかった
この試合は、甲府が上回ったシュート数だけでは説明できず、枠内シュートと得点時刻を重ねて読む必要がある。
甲府はシュート16本、コーナーキック9本を記録しながら無得点。横浜FCは枠内シュートで5対4と上回り、45+2分、53分、88分に得点した。
冒頭の問いに対しては、横浜FCが枠を捉えたシュートを得点へつなげ、前後半の境目でリードを2点に広げたことが、記録から読み取れる大きな違いだと考えられる。保持率やパス成功率の優位も横浜FC側にあったが、それだけを0-3の原因とすることはできない。
両チームを振り返る際の焦点は、次の2点に絞られる。
- 甲府:16本のシュートと9本のコーナーキックを、どれだけ得点しやすい場面につなげられたか。
- 横浜FC:3得点を生んだシュートの条件と、甲府の枠内シュート4本を失点にしなかった対応はどのようなものだったか。
甲府に必要だったのは、単に横浜FCより多く打つことではなかったと考えられる。16本の内訳を、打った位置と相手守備の状況まで掘り下げることが、無得点の理由を具体化する次の焦点になる。










