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前田大然はW杯2026の日本代表で何を担うのか 得点力の伸びと前線守備の価値を整理する

前田大然はW杯2026の日本代表で何を担うのか 得点力の伸びと前線守備の価値を整理する

日本サッカー協会は2026年5月15日、FIFAワールドカップ2026に向かう26人を発表し、前田大然がメンバー入りした。結論から言えば、前田に期待される役割は単なる“走れるアタッカー”ではない。相手のビルドアップを壊す先頭の守備、左からでも中央からでも出られる可変性、そして一発で流れをひっくり返す得点力まで含めて、日本代表の前線を締める存在として選ばれている。

直近のクラブ実績も強い。セルティックでは2024-25シーズンにスコットランド・プレミアシップ年間最優秀選手に選ばれ、リーグ33試合16得点10アシスト、公式戦34得点を記録。直近の2026年5月10日のレンジャーズ戦でも2得点を決めており、大一番で仕事をする流れを保ったまま代表に入ってきた。

  • JFAが5月15日にW杯2026の日本代表26人を発表し、前田大然も選出
  • セルティックでは2024-25シーズンに公式戦34得点、リーグ16得点10アシスト
  • 2022年カタールW杯ではスペイン戦、クロアチア戦で先発し、クロアチア戦では得点
  • 日本代表では左ウイングと1トップの両方で使える前線守備の切り札になり得る

ここがポイント: 前田大然の価値はスピードそのものではなく、スピードを守備開始の合図と得点機に変えられることにある。

目次

まず何が評価されてW杯メンバーに入ったのか

前田の評価をいちばん分かりやすく示すのが、セルティックでの直近シーズンだ。

スコットランド・プロリーグは2024-25シーズンの前田を年間最優秀選手に選出した。公式戦34得点、リーグ戦では16得点10アシスト。得点だけでなく、リーグ最多のアシスト数まで残している点が大きい。点取り屋として終わらず、味方を生かす仕事でも結果を出したからだ。

さらにスコットランド記者協会の年間最優秀選手にも選ばれた。こちらでは、サイドでも中央でも機能し、守備側にとって厄介な存在であり続けたことが評価されている。日本代表で見ても、この「どこに置いても前線の強度を落とさない」という特性はそのまま武器になる。

数字以上に大きいのは“役割の広さ”

前田の良さは、ゴール前で待つだけのFWではないところにある。

  • 左サイドで起用されれば、相手SBとCBの間を何度も走って背後を突ける
  • 1トップに入れば、最初の守備で相手CBに時間を与えにくい
  • ボールを失った直後も追い切れるため、前から奪う形を作りやすい
  • クロスに対してはファーへ入り直す動きが多く、こぼれ球にも反応できる

サッカーに詳しくない読者向けに言えば、前田は「速い選手」では終わらない。チーム全体の守備を始めるスイッチ役であり、攻撃では相手の嫌がる場所に先に入れる選手だ。

日本代表ではどんな使い方が最も効くのか

森保ジャパンで前田を見る時、焦点はポジション表記よりも使われ方にある。

左ウイング起用なら、守備から試合の流れを変えやすい

日本代表の左サイドには、仕掛けや局面打開を期待される選手が並びやすい。その中で前田は少しタイプが違う。ドリブルで止まった状態から剥がすというより、相手最終ラインの背後、GKへの戻し、横パスの瞬間に一気に圧力をかけるタイプだ。

そのため、押し込まれる時間がある試合ほど効く。自陣で耐えるだけでなく、前田が一度スプリントで追い込めば、相手は安全な前進ルートを失いやすい。日本が高い位置でボールを回収できれば、攻撃は一気に短くなる。

1トップ起用なら、前線からの守備強度が上がる

前田はセンターフォワードでも使える。2022年ワールドカップのスペイン戦、クロアチア戦で先発した事実は重い。とくにクロアチア戦では先制点も決めている。

1トップの前田が効くのは、得点数だけで評価しにくい部分だ。

  • 相手CBへの寄せが速く、ビルドアップの向きを限定できる
  • 味方の2列目が連動しやすくなり、前からの守備設計を作りやすい
  • ロングボールを蹴らせれば、日本の中盤と最終ラインが回収しやすくなる

つまり前田の1トップは、「前線の得点役」だけではなく「守備の入口」でもある。ワールドカップのように相手の保持力が高い試合では、この機能がかなり重要になる。

前回W杯の経験は今回にどうつながるか

前田は2022年カタール大会でスペイン戦とクロアチア戦に先発し、クロアチア戦では先制点を決めた。日本がベスト16の壁に跳ね返された大会で、前田は単なるメンバーではなく、勝負どころで先発を任された側の選手だった。

この経験が大きいのは、世界の強豪相手に何が通じ、何が足りないかをすでに体で知っている点だ。

スペイン戦で見えた役割

スペイン戦では、日本は保持率で押し込まれながらも、後半の圧力と切り替えで逆転した。前田は先発で入り、前線から相手に楽な前進を許さない役割を担った。ボールタッチ数の多さより、相手にどれだけ嫌な選択をさせたかを見るべき試合だった。

クロアチア戦で示した“点を取る前田”

クロアチア戦では43分に先制点を記録した。日本はそこで試合を動かしたが、最終的にはPK戦で敗退した。とはいえ、この試合で残した意味は小さくない。相手守備を追い回すだけでなく、大舞台でゴール前に入って決め切る仕事もできると示したからだ。

人物像として見ても、日本代表向きの特性がある

前田のキャリアは、最初から順風満帆なスター街道ではなかった。松本山雅FC、水戸ホーリーホックへの期限付き移籍、ポルトガルでのプレー、横浜F・マリノスでの得点王争いを経て、セルティックで評価を一段引き上げた。

この積み上げが示すのは、環境が変わっても役割に適応してきたことだ。前から走る、背後を取る、中央にも入る。華やかなタッチ集より、監督が計算しやすい働きを続けてきた選手と言える。

日本代表の大会メンバーでは、こうした再現性が強い。試合終盤の途中投入でも、先発でも、延長でも仕事の輪郭が崩れにくいからだ。

本番へ向けた注目点

前田がW杯2026で存在感をさらに大きくするために、見るべき点は絞られる。

  • 先発時に左で入るのか、1トップで入るのか
  • 日本が前から奪いに行く試合で、守備のスイッチ役を担うか
  • 押し込まれた試合で、少ない回数の裏抜けを得点に変えられるか
  • 交代カードとして使われた時に、相手最終ラインをどこまで下げさせるか

前田大然は、華やかな司令塔とは違う。

ただ、ワールドカップではこういう選手が試合をひっくり返す。日本代表がもう一段上に行くために必要なのは、ボールを持つ時間だけではない。相手に持たせた時間を壊し、少ない局面を得点に変える前田の仕事が、今大会の勝敗線を左右する。

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