富山、同点に戻されても3―2勝利 新潟戦を分けた枠内シュートと途中出場・坪井の一撃
2―2に追いつかれたカターレ富山が、77分の坪井清志郎の得点で勝ち越した。2026年10月31日、デンカビッグスワンスタジアムで行われた2026/27明治安田J2リーグ第14節は、アルビレックス新潟が2―3で敗れた。
新潟はシュート数で上回り、後半に同点まで戻した。それでも富山が勝ち切れたのはなぜか。枠内シュートでは富山が上回ったことと、途中出場の坪井が同点後の決勝点を担ったことが、この試合を読み解く軸になる。
- 新潟は18分に先制したが、33分、53分に失点。61分に同点に追いついた。
- シュートは新潟16本、富山14本。枠内シュートは新潟7本、富山8本だった。
- 富山は56分に投入した坪井が77分に決勝点。両チームに1点ずつオウンゴールがあった。
試合経過――新潟の同点弾に、富山がもう一度答えた
この試合の大きな転換点は、新潟が61分に追いついた後、富山が77分に再びリードを奪ったことだった。
大会は2026/27明治安田J2リーグ第14節。10月31日、ホームのアルビレックス新潟とアウェーのカターレ富山がデンカビッグスワンスタジアムで対戦し、富山が3―2で勝利した。得点経過はJリーグ公式記録に基づく。
- 18分:新潟1―0富山。オウンゴールで新潟が先制。
- 33分:新潟1―1富山。富山・松岡大智が同点ゴール。
- 53分:新潟1―2富山。オウンゴールで富山が2―1と逆転。
- 61分:新潟2―2富山。新潟・イウリ カスティーリョが同点ゴール。
- 77分:新潟2―3富山。富山・坪井清志郎が勝ち越しゴール。
新潟は後半開始後に逆転を許したが、61分に1点差を解消した。しかし、試合終了時のリードは富山のものだった。
この経過からは、新潟の追い上げと、富山が追いつかれた後に得点したことを分けて評価する必要があると考えられる。同点に戻す力は新潟が示した一方、その後の得点で上回ったのは富山だった。
シュート数は新潟、枠内は富山――攻撃の評価が分かれる数字
新潟はシュートの総数で上回ったが、ゴールの枠を捉えた本数では富山が上回った。
| 項目 | アルビレックス新潟(ホーム) | カターレ富山(アウェイ) |
|---|---|---|
| シュート | 16 | 14 |
| 枠内シュート | 7 | 8 |
| ボール支配率 | 40% | 60% |
| パス成功率 | 69% | 84% |
| コーナーキック | 4 | 4 |
新潟のシュートは16本、富山は14本だった。枠内シュートは新潟7本に対し、富山8本。ボール保持率は新潟40%、富山60%、パス成功率は新潟69%、富山84%で、コーナーキックは両チーム4本ずつだった。
新潟は保持率で下回ってもシュートを打った
新潟はボール保持率40%で、富山より2本多いシュートを記録した。
ボールを持つ時間の長さだけでは、新潟の攻撃を評価しきれないと考えられる。保持率で下回りながら16本を打ち、実際に1点差を追いついたことは、富山のリードに対抗する攻撃があったことを示す材料になる。
ただし、この数字だけで新潟が速攻を狙っていた、あるいは富山が意図的にボールを持たせなかったとまでは判断できない。攻撃の開始位置やシュートに至るプレーが分からなければ、16本を生んだ戦術の説明は絞られる。
富山はシュートの総数で劣っても枠内で上回った
富山はシュート14本のうち8本が枠内で、新潟より枠内シュートが1本多かった。保持率とパス成功率も富山が上回っている。
富山の勝利は、単にボールを長く保持した結果と説明するより、保持に加えて枠内へシュートを届けた点に注目する方が適切だと考えられる。一方、新潟との枠内シュートの差は1本であり、富山だけが一方的にゴールへ迫ったと評価する根拠にはならない。
また、枠内シュート数は好機の質そのものではない。至近距離からのシュートと遠い位置からのシュートでは、同じ1本でも得点の難しさが変わる。この試合の数字は富山の攻撃を評価する材料になるが、個々の決定機まで同じ重さで扱うことはできない。
オウンゴールが両軍に1点――「決定力」だけでは説明できない
3―2というスコアを、そのままシュートの決定力の差へ置き換えることは避けたい。
新潟の先制点は18分のオウンゴール、富山の逆転点は53分のオウンゴールだった。選手自身の得点として記録されたのは、富山の松岡と坪井、新潟のイウリ カスティーリョである。
このため、チームの総得点をシュート数で割るだけでは、フィニッシュの正確さを十分に比較できないと考えられる。両チームとも総得点には相手側のオウンゴールが含まれており、得点者のシュート技術だけで生まれた結果ではないからだ。
もっとも、オウンゴールを攻撃と無関係な出来事として切り離すのも適切ではない。相手の守備対応を難しくするボールが得点につながる場合もある。ただし、今回の得点記録だけでは、クロスや折り返しの質、守備側に残された選択肢までは評価できない。
この試合では、オウンゴールを除いて優劣を決め直すよりも、得点が試合の状態をどう変えたかに注目する方が有効だろう。18分の得点は新潟のリードを、53分の得点は富山の逆転を生んだ。その後、双方が自チームの選手の得点でスコアを動かしている。
途中出場の得点者――交代が結果につながった両チーム
交代選手が得点を担った点は共通しており、最後に勝ち越し点へつなげたのが富山だった。
新潟は28分、マテウス モラエスに代えてイウリ カスティーリョを投入した。イウリ カスティーリョは61分、2―2とする得点を記録した。
富山は53分に2―1と逆転した後、56分に3人を交代した。その一人が、77分に決勝点を決めた坪井だった。
富山の56分の3枚替えと、その後の得点
富山の後半の交代は次の通りだった。
- 56分:古川真人に代わり坪井清志郎、吉平翼に代わりキム テウォン、小川慶治朗に代わり國武勇斗。
- 63分:岡本將成に代わり香川勇気。
- 72分:松岡大智に代わり溝口駿。
坪井の投入時点では富山が2―1でリードしていた。その後、新潟が61分に追いつき、坪井が77分に勝ち越し点を決めた。
したがって、坪井の投入を「同点にされた後の対応」と捉えるのは時系列に合わない。リードしていた段階で入った選手が、同点となった後の得点を担った交代だった。
交代の狙いや配置変更までは記録から断定できないが、途中出場の選手が勝敗を直接動かしたことは、富山の起用を評価する具体的な根拠になると考えられる。ただし、キム テウォンや國武を含む3人同時の投入全体が、どのように決勝点へ作用したかは得点者の記録だけでは分からない。
新潟も途中出場の選手が同点弾を記録
新潟はイウリ カスティーリョの投入に続き、78分に大澤朋也から古長谷千博へ交代。85分にはシマブク カズヨシに代えて佐藤海宏、若月大和に代えて桑山侃士、笠井佳祐に代えてダニーロ ゴメスを投入した。
新潟の交代を結果だけで不発とすることはできないと考えられる。イウリ カスティーリョが同点弾を記録しているためだ。一方、77分の失点後に行った交代からは、最終スコアを動かす得点には至らなかった。
ここで分かれるのは、交代選手が活躍したかどうかだけではない。新潟の途中出場選手は同点を、富山の途中出場選手は決勝点をもたらした。交代の成果を比べる際には、得点が生まれたときのスコアも合わせて見る必要があるだろう。
勝敗を分けたのは、追いつかれた後のもう1点
富山の勝利を最も具体的に説明するのは、2―2となった後に坪井が得点したことだ。
富山は保持率60%、パス成功率84%を記録し、枠内シュートでも8対7と上回った。それでも新潟に1点のリードを追いつかれている。一方の新潟は、保持率で下回りながらシュート16本を打ち、61分に同点へ戻したが、その後に勝ち越し点を許した。
この組み合わせからは、富山の保持と枠内シュートを評価しつつ、1点のリードを維持できなかった点も残ると考えられる。新潟については、追い上げる攻撃を評価する一方、同点後の失点を検討する必要がある。
冒頭の問いに答えるなら、富山はシュートの総数で上回ったから勝ったのではなく、枠内シュートで新潟を上回り、追いつかれた後に途中出場の坪井が決勝点を決めた、と整理できる。ただし、その1点を生んだ守備の崩し方やシュート位置までは、試合全体の集計値から説明できない。
次に掘り下げるべき局面は、61分の同点から77分の決勝点までだ。富山がどのように坪井へ得点機会を届け、新潟がどこでそれを止められなかったのか。3―2の理由をさらに絞るには、この局面のプレーを確かめる必要がある。










