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V・ファーレン長崎連敗。シュートまで中々持っていけない要因は?

V・ファーレン長崎連敗。シュートまで中々持っていけない要因は?

V・ファーレン長崎の連敗で最も気になるのは、失点数以上に「ゴール前まで運べない時間」が長くなっていることだ。4月5日の清水エスパルス戦は0-3、4月11日のアビスパ福岡戦は0-1。2試合続けて無得点に終わった。

要因を一つに絞るなら、前線の個に届く前の段階で攻撃が止まっている。マテウス・ジェズス、チアゴ・サンタナ、ノーマン・キャンベルといった相手に負荷をかけられる選手はいる。ただ、そこへ入る前に中盤で前を向けず、サイドに逃げた後もクロスやラストパスまで進めない場面が増えている。

  • 第9節・清水戦は0-3。長崎はシュート8本だったが、Football LABのシュートCBPは2.23にとどまった
  • 第10節・福岡戦は0-1。Jリーグ公式の試合データでは長崎のシュートは2本
  • 2試合連続無得点で、直近2試合の合計スコアは0-4
  • 次に見るべきは「誰を入れるか」だけでなく「前線に入る前のパスルートをどう作るか」
目次

まず何が起きたのか

直近2試合は、負け方の形が少し違う。

清水戦は開始直後に崩れた。1分にオ・セフン、4分に嶋本悠大、前半アディショナルタイムにもオ・セフンに決められ、前半だけで3失点。後半はボール保持率を高めた時間帯もあったが、試合の前提はすでに大きく傾いていた。

福岡戦は0-0で耐えながら進めたが、62分に見木友哉に決められて0-1。長崎は後半に笠柳翼、チアゴ・サンタナ、ノーマン・キャンベル、ディエゴ・ピトゥカ、翁長聖を投入したものの、Jリーグ公式のスタッツではシュート2本に終わった。

試合結果長崎のシュートポイント
第9節 清水戦0-38本早い時間の失点で攻撃の設計が崩れた
第10節 福岡戦0-12本前線を厚くしてもシュート局面が増えなかった

ここがポイント: 長崎は「前線に強い選手がいない」のではない。前線の強さを使うための入口が狭くなっている。

シュートまで行けない一番の要因

長崎の問題は、単にボールを持てないことではない。清水戦の後半には、61分から75分で70.9%、76分から90分で67.9%の保持率を記録している。数字上は長崎がボールを握った時間もあった。

それでも得点には届かなかった。ここに今の難しさがある。

保持しても前進できない

清水戦のFootball LABでは、長崎の攻撃CBPが11.57、パスCBPが8.51だった一方、シュートCBPは2.23。今季平均のシュートCBP6.00から大きく下がった。

これは「途中までは進めるが、最後にシュートへ変換できない」状態を示している。後方や中盤でパスをつないでも、相手のブロックの手前で横パスが増え、ボックス内で受ける選手に良い状態で入らない。

特に福岡戦は、山﨑凌吾を先発に置き、後半にチアゴ・サンタナとノーマン・キャンベルを入れた。名前だけ見れば前線の圧力は増している。だが、シュート2本という結果は、投入した選手の問題というより、そこへ届ける前の構造が詰まっていたと見るべきだ。

サイドに逃げた後の出口が少ない

長崎はサイドにボールを動かすことで相手の守備を広げたい。ただ、相手が前向きにスライドできている時は、サイドで受けた選手が孤立しやすい。

必要なのは、クロスを上げる回数だけではない。

  • サイドで受けた選手の内側に、すぐ使える味方がいるか
  • 中央のマテウス・ジェズスや長谷川元希が前を向ける位置を取れているか
  • 山口蛍やディエゴ・ピトゥカが、相手の1列目を越すパスを入れられる距離にいるか
  • 逆サイドの選手が、クロスではなく折り返しやこぼれ球に関われるか

この連動が薄いと、ボールは外へ出ても最後は詰まる。相手から見れば、中央を閉めて外へ誘導し、クロスの質を落とせば守りやすい。

清水戦と福岡戦で違った苦しさ

同じ無得点でも、2試合の中身は同じではない。

清水戦は早すぎる失点が攻撃を細らせた

清水戦は開始4分までに2失点。長崎は本来、前線の強さを使いながら試合を動かしたいチームだが、早い時間に2点を追う展開になると、相手は無理に前へ出る必要がなくなる。

清水はリードを持ったまま中央を締め、長崎に「持たせる時間」を作れた。長崎は後半に保持率を上げたが、相手を動かし切る前に時間だけが進んだ。

福岡戦は競った試合で手数が足りなかった

福岡戦はより深刻だ。0-0の時間が長く、試合を壊されたわけではない。それでも長崎のシュートは2本。チアゴ・サンタナ、ノーマン・キャンベルを入れても、相手ゴール前で連続攻撃を作れなかった。

福岡は見木友哉の得点後、守備陣を中心にリードを守った。Football LABの戦評でも、福岡が長崎の反撃をはね返した流れが記されている。長崎側から見ると、交代で火力を足しても、相手の最終ラインを下げ切れなかった試合だった。

起用法で見る修正ポイント

次の修正は、前線の枚数を増やすだけでは足りない。むしろ問われるのは、中盤と前線の距離だ。

高木琢也監督は清水戦で後半頭から山﨑凌吾とエドゥアルドを投入し、福岡戦でも後半から攻撃的なカードを切った。動き自体は早い。ただし、交代後にシュート数が伸びないなら、配置のつなぎ目を見直す必要がある。

具体的には、次の3点が焦点になる。

  • マテウス・ジェズスを最前線に固定しすぎず、相手ボランチ脇で受ける回数を増やせるか
  • 山﨑凌吾やチアゴ・サンタナに入れる前に、長谷川元希が前向きで関われる形を作れるか
  • 岩崎悠人や笠柳翼が幅を取るだけでなく、内側へ入って2本目のパスコースになれるか

前線の選手は、背負った状態で全部を解決する役割ではない。良い形で入れば強みになるが、相手を背負い、味方のサポートが遠い状態では、シュートよりもボールロストの危険が先に来る。

立場ごとの見方を整理する

この連敗は、見る立場によって焦点が変わる。

データから見ると

数字で最も目立つのは、福岡戦のシュート2本だ。0-1というスコアだけなら惜敗に見えるが、シュート数まで見ると、同点に戻す材料を十分に作れなかった試合だった。

清水戦も、長崎のシュート数は8本あったものの、シュートCBPは低い。打った本数だけではなく、どの位置、どの流れで打てたかが問われる。

サポーター目線では

チアゴ・サンタナやノーマン・キャンベルをもっと早く見たい、という声は自然に出る。実際、追う展開では前線の迫力が必要になる。

ただ、福岡戦の流れを見る限り、前線の名前を並べるだけでは解決しない。ボールを受ける前に相手の守備が整っていれば、強力なFWでも仕事は限られる。

チーム作りの観点では

長崎は昇格組として、序盤から4勝を積んでいる。ここまでの勝点12は、悲観だけで片づける数字ではない。

一方で、年間順位では4月11日時点で8位。得失点差は-5まで落ちた。J1百年構想リーグの中で上へ戻るには、守備の修正と同時に、無得点試合を減らす必要がある。

次に見るべきポイント

長崎の攻撃は、前線の質そのものが消えたわけではない。問題は、そこに届く前の段階で、相手に読みやすい攻撃になっていることだ。

次節以降は、以下を見れば改善の有無が分かりやすい。

  • 前半15分で、中央を使った前進が何回あるか
  • サイドに出した後、内側のサポートが遅れないか
  • マテウス・ジェズス、長谷川元希、山口蛍の距離が間延びしていないか
  • チアゴ・サンタナ投入時に、単純な放り込みだけになっていないか
  • シュート数だけでなく、ボックス内で前向きに受ける回数が増えるか

連敗の出口は、派手な一手よりも、前線へ入る一本前の整理にある。長崎が再び勝点を伸ばすには、強いアタッカーを「最後の受け手」にするだけでなく、相手守備を動かした後に使う形を増やせるかが次の分岐点になる。

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