3本のPKを決めた金沢が鳥取に4-1 保持は鳥取、シュートとPA内の攻防は金沢
ボールを持っていたのはガイナーレ鳥取でした。支配率は64%、パス成功率は84%。それでも、金沢ゴーゴーカレースタジアムのスコアボードに最後に残ったのはツエーゲン金沢 4-1 ガイナーレ鳥取です。
2026年9月26日の明治安田J3リーグ 2026 第8節。金沢の4得点のうち3点はPKでした。Jリーグ公式のハイライトも「三度のPKをモノにした金沢」と見出しを付けています。
では、この試合で勝敗を分けたのは何だったのか。公式記録から読むと、答えは「ボールを持った時間」ではなく、ペナルティーエリア内でPKを得た回数と、それを決め切ったことです。この記事では、得点経過・交代・警告の時系列と合わせて見ていきます。
この試合の要点
- 最終スコアは金沢4-1鳥取。金沢の4得点のうち3点はPK
- 前半はツエーゲン金沢の嶋田慎太郎がPKで先制し、金沢の1-0
- 後半に金沢が3点を加えた(うち2点がPK)
- 支配率とパス成功率は鳥取、シュートと枠内シュートは金沢が上回った
- 警告は3枚とも鳥取で、いずれも後半に出た
この記事で分かること
- 公式記録で確認できる試合の事実(得点の形、交代、警告、主要スタッツ)
- 支配率とシュート数が逆を向いた試合を、PKの多さを前提にどう読むか
- 鳥取側に残った手応えと、数字だけでは判断できない点
- 第8節の1試合として、この結果をどう受け止めるか
試合の事実:4得点のうち3点がPK
得点経過
- 20分 嶋田 慎太郎(ツエーゲン金沢) 1-0 ※PK
- 56分 土佐 陸翼(ツエーゲン金沢) 2-0 ※PK
- 67分 ブワニカ 啓太(ツエーゲン金沢) 3-0
- 77分 白輪地 敬大(ツエーゲン金沢) 4-0 ※PK
- 83分 吉田 伊吹(ガイナーレ鳥取) 4-1
公式の試合速報によると、先制点はツエーゲン金沢の嶋田 慎太郎が自ら倒されて得たPKを決めたものです。2点目のPKも、ツエーゲン金沢の土佐 陸翼が自ら倒されて獲得し、自ら決めました。3点目はツエーゲン金沢の嶋田 慎太郎のクロスを、ツエーゲン金沢のブワニカ 啓太が頭で決めた流れの中の得点です。鳥取の1点は、ガイナーレ鳥取の吉田 伊吹のヘディングでした。
交代
- 63分:ガイナーレ鳥取 篠田 大輝 ← 三木 直土
- 70分:ツエーゲン金沢 白輪地 敬大 ← 土佐 陸翼
- 73分:ガイナーレ鳥取 橋本 清太郎 ← 河村 匠
- 73分:ガイナーレ鳥取 吉田 伊吹 ← 山本 颯太
- 73分:ガイナーレ鳥取 東條 敦輝 ← 本保 奏希
- 81分:ツエーゲン金沢 杉浦 恭平 ← ブワニカ 啓太
- 81分:ツエーゲン金沢 榊原 杏太 ← 嶋田 慎太郎
- 81分:ツエーゲン金沢 庄司 朋乃也 ← 長倉 颯
- 86分:ツエーゲン金沢 四宮 悠成 ← 毛利 駿也
- 90+2分:ガイナーレ鳥取 ローレンス マルコ ← 金浦 真樹
(表記は「時間:チーム IN ← OUT」)
警告・退場
- 50分 警告:鄭 翔英(ガイナーレ鳥取)
- 65分 警告:金浦 真樹(ガイナーレ鳥取)
- 76分 警告:桃井 玲(ガイナーレ鳥取)
退場者はいませんでした。
主要スタッツ
| 項目 | ツエーゲン金沢(ホーム) | ガイナーレ鳥取(アウェイ) |
|---|---|---|
| シュート | 24 | 10 |
| 枠内シュート | 11 | 5 |
| ボール支配率 | 36% | 64% |
| パス成功率 | 70% | 84% |
| コーナーキック | 5 | 1 |
支配率とパス成功率は鳥取、シュート・枠内シュート・コーナーキックは金沢。ボールに関わる数字と、ゴールに近づいた数字が逆を向いた試合でした。
勝敗を分けた要因1:ペナルティーエリア内で得た3本のPK
結論を先に置くと、この試合のスコアを最も大きく動かしたのはPKでした。金沢は3本のPKをすべて得点にしています。
公式の試合速報では、ツエーゲン金沢の嶋田 慎太郎とツエーゲン金沢の土佐 陸翼が、それぞれペナルティーエリア内で倒されてPKを獲得したことが記録されています。金沢の攻撃が、ペナルティーエリア内まで届いていたことを示す事実です。
一方で、それぞれのファウルがどんな状況で起きたのか、どの選手が与えたPKなのかまでは、公式記録からは特定できません。
勝敗を分けた要因2:支配率64%の鳥取と、シュート24本の金沢
公式記録の数字は次のとおりです。
- 支配率:金沢36%/鳥取64%
- パス成功率:金沢70%/鳥取84%
- シュート:金沢24本/鳥取10本
- コーナーキック:金沢5本/鳥取1本
鳥取はボールを持ち、パスもよくつながっていました。それでも、シュートは金沢の半分以下です。
金沢のパス成功率70%は、鳥取より低い数字です。ただ、これを単純に「つなぐ力の差」と読むのは早計でしょう。ゴールに向かって早く縦へ出すパスは失敗しやすく、成功率は下がりがちです。ただし、金沢がどんな意図でボールを運んでいたかは公式記録からは分かりません。
シュート数と得点をどう読むか
金沢は枠内シュートで鳥取を大きく上回りました。ただし、4得点のうち3点はPKによるものです。PKがシュート数や枠内シュート数にどう計上されているかは公式スタッツからは確認できないため、「流れの中のシュートの多さが得点に直結した」とは言い切れません。
流れの中の得点で見ると、金沢はツエーゲン金沢のブワニカ 啓太の1点、鳥取はガイナーレ鳥取の吉田 伊吹の1点で、同数でした。
後半に何が重なったか
試合が動いたのは後半です。時系列を並べると次のとおりです。
- 50分:ガイナーレ鳥取の鄭 翔英に警告
- 56分:ツエーゲン金沢の土佐 陸翼がPKを決めて2-0
- 63分:ガイナーレ鳥取の篠田 大輝が三木 直土に代わって入る
- 65分:ガイナーレ鳥取の金浦 真樹に警告
- 67分:ツエーゲン金沢のブワニカ 啓太のゴールで3-0
- 70分:ツエーゲン金沢の白輪地 敬大が土佐 陸翼に代わって入る
- 73分:ガイナーレ鳥取の吉田 伊吹が山本 颯太に代わって入る(同時にほか2人が交代)
- 76分:ガイナーレ鳥取の桃井 玲に警告
- 77分:ツエーゲン金沢の白輪地 敬大がPKを決めて4-0
鳥取の警告3枚は、すべて後半に出ています。各警告がどのような状況で出されたかは、公式記録の時刻と選手名からは読み取れません。
70分に入ったツエーゲン金沢の白輪地 敬大は、77分にPKを決めました。交代と得点の時刻は近いものの、交代の意図までは公式記録からは分かりません。
鳥取に残った材料:交代選手のゴールと、崩れなかった保持
4失点の試合ですが、鳥取の数字がすべて悪かったわけではありません。
交代で入った選手のゴール
73分に入ったガイナーレ鳥取の吉田 伊吹は、83分にヘディングでゴールを決めました。試合結果は変えられませんでしたが、途中出場の選手が1点を返しました。
保持とパス精度は最後まで上回った
支配率64%、パス成功率84%という数字は、鳥取がボールを持つ時間で上回ったことを示しています。課題は、その保持をシュートの本数やペナルティーエリア内のプレーにどうつなげるかです。
別の読み方:数字だけでは決められないこと
スコアが保持率を動かした可能性
金沢は前半に先制し、後半は点差を広げ続けました。リードした側がボールを相手に渡し、ビハインドの側が持たざるを得なくなる展開はよくあります。
そう考えると、鳥取の64%は「鳥取が意図して保持した結果」とも、「スコアの状況で持たされた結果」とも読めます。時間帯ごとの保持の推移は公式記録からは分からないため、どちらが実態に近いかは決められません。
PKが多かった試合をどう評価するか
3本のPKはいずれも金沢がペナルティーエリア内で得たものですが、PKの数は試合ごとの偶然にも左右されます。この1試合の得点数だけで、金沢の攻撃力や鳥取の守備力を結論づけることはできません。
第8節の一戦が持つ意味:「失点の仕方」を問われた試合で
Jリーグ公式の試合ページでは、この試合の紹介見出しとして「両指揮官が課題に挙げた失点の仕方。立て直しと修正力が問われる一戦に」と掲げられていました。両チームとも、失点の仕方を課題として抱えてこの試合を迎えていたことになります。
その観点で結果を見ると、明暗は分かれました。
- 金沢:4-0までは無失点。終盤に1点を返された
- 鳥取:PKによる3失点を含む4失点。ペナルティーエリア内での守備が課題として残った
第8節はシーズンの序盤戦にあたります。なお、本記事では両クラブの第8節終了時点の順位には触れていません。順位争いへの影響は、Jリーグ公式の順位表で確認してください。
結論:差はペナルティーエリア内の攻防にあった
冒頭の問いに戻ります。ボールを持っていた鳥取が、なぜ1-4で敗れたのか。
公式記録から言えるのは、勝敗を分けたのは保持の時間ではなく、金沢がペナルティーエリア内でPKを3度得て、すべて決めたことだったということです。
今後の注目点
- 金沢:支配率が低い試合でも、ペナルティーエリア内まで攻撃を届けられるか。PK以外の形での得点を増やせるか
- 鳥取:64%の保持とパス成功率84%を、シュート本数とペナルティーエリア内のプレーに結びつけられるか
- 鳥取:ペナルティーエリア内での守備。今節はPKによる失点が3点あった










