スウェーデン代表は日本戦で何を突いてくるのか ポッター体制と2トップから読む2026年W杯チーム紹介
スウェーデン代表を見るうえで最初に押さえたいのは、華やかな突破劇ではなく、かなり苦しい予選を最後にひっくり返して本大会へ来たチームだという点です。欧州予選のグループでは未勝利で最下位。それでもUEFAネーションズリーグ経由でプレーオフに回り、ウクライナ、ポーランドを倒して2026年FIFAワールドカップ出場を決めました。
日本代表と同じGroup Fに入ったため、これは単なる欧州中堅国の紹介ではありません。日本にとっては、オランダ、チュニジアと並ぶ直接の突破争いの相手であり、Viktor GyökeresとAlexander Isakをどう止めるかが試合の輪郭を大きく左右します。
- スウェーデンはGroup Fでオランダ、日本、チュニジアと同組
- 監督はGraham Potter。2025年10月に就任し、プレーオフを勝ち抜いた
- 予選本線では苦しんだが、プレーオフでは前線の決定力が結果を動かした
- 日本戦では、中央の守備対応とセカンドボール回収が大きな焦点になる
何が起きたチームなのか
スウェーデンの2026年W杯出場は、きれいな右肩上がりではありません。
FIFAの予選情報では、スウェーデンは欧州予選Group Bで勝利を挙げられず、グループ最下位に終わりました。通常なら本大会から遠ざかる流れですが、ネーションズリーグの順位によってプレーオフに進み、そこで流れを変えています。
プレーオフで一気に景色を変えた
スウェーデンサッカー協会の公式記事によると、2026年3月26日のウクライナ戦は3-1で勝利。Viktor Gyökeresが3得点を挙げ、プレーオフ決勝へ進みました。
続く3月31日のポーランド戦は、より本大会につながる性格がはっきり出た試合です。Anthony Elangaの先制点、Gustaf Lagerbielkeの得点を経て、終盤に追いつかれながらも、88分にGyökeresが決勝点。3-2で勝ち切り、2018年ロシア大会以来のW杯出場を決めました。
ここがポイント: スウェーデンは安定した予選突破国ではなく、苦境から前線の破壊力で勝ち抜いたチームです。だからこそ、本大会では「強み」と「不安材料」が同じ試合の中で顔を出しやすい相手になります。
ポッター体制の輪郭 整える監督と、急いで結果を出したチーム
Graham Potterは2025年10月20日にスウェーデン代表監督へ就任しました。スウェーデン協会の発表では、当初の目的は2026年夏のW杯到達に向けた環境を整えることでした。
Potterの経歴で日本の読者にも覚えやすいのは、スウェーデンのÖstersundで評価を上げた点です。国内クラブで積み上げた経験があるため、外国人監督でありながらスウェーデンのサッカー文化と完全に切り離された存在ではありません。
戦術の軸は「前線の質を孤立させないこと」
スウェーデンの最大の武器は、前線に明確な個の出口があることです。UEFAの欧州予選登録情報では、Gyökeresは予選で6試合4得点、Elangaは6試合2得点。FIFAのW杯メンバー発表でも、Gyökeres、Isak、Elangaらが攻撃陣に入っています。
ただし、名前だけで押し切るチームと見ると危うい。スウェーデンが日本戦で本当に怖いのは、前線へ単純に蹴るだけではなく、以下の形を組み合わせられる点です。
- Gyökeresが相手CBを背負い、こぼれ球やファウルを引き出す
- Isakが最前線だけでなく、少し下がって受けることで守備の基準をずらす
- Elangaのスピードを使い、相手SBの背後を早く突く
- セットプレーでLagerbielkeやIsak Hienら守備陣の高さを使う
日本がボールを持つ時間を作れても、奪われ方が悪いと一気にゴール前まで運ばれます。特にCBとアンカーの間、あるいはSBの背後を同時に守れるかが重要になります。
主力を見る 名前より役割で押さえる
本大会の最終的な起用は試合ごとに変わりますが、公式に確認できる登録情報から、スウェーデンの見どころはかなり整理できます。
前線: GyökeresとIsakの共存
Gyökeresはプレーオフ2試合で決定的な役割を果たしました。ウクライナ戦では3得点、ポーランド戦では88分の決勝点。単なる得点者ではなく、苦しい局面でチームを前へ押し戻す基準点になります。
Isakは、相手守備を引きつけるだけで価値があります。日本が3バック気味に構える場合でも、4バックで守る場合でも、CBが彼に引っ張られた瞬間に中盤との距離が空く。そこをElangaや2列目が使えるかが、スウェーデンの攻撃の見どころです。
中盤: BergvallとAyariが試合の温度を変える
UEFAの登録情報では、Lucas Bergvall、Yasin Ayari、Hugo Larsson、Mattias Svanbergらが中盤候補に入っています。若い選手が多く、ここは強みであると同時に波も出やすい場所です。
日本戦では、スウェーデンの中盤がどれだけ前線を支えられるかが焦点になります。前線の2人が強くても、中盤が押し下げられ続ければ、攻撃はロングボール頼みになりやすい。逆にBergvallやAyariが前向きに受けられると、日本の守備は一気に後手へ回ります。
守備: 高さはあるが、守らされる時間が課題
守備陣ではVictor Lindelöf、Isak Hien、Gustaf Lagerbielke、Gabriel Gudmundssonらが登録情報で確認できます。高さと対人の強さは、スウェーデンらしい武器です。
一方で、予選本線で勝てなかった事実は軽くありません。相手に押し込まれたとき、最終ラインが下がりすぎると前線との距離が開き、クリア後の回収が難しくなる。日本が狙うなら、サイドから単発でクロスを入れるより、押し込んだ後の二次攻撃でスウェーデンの中盤を走らせる形です。
日本代表から見た攻略の入口
日本にとってスウェーデン戦は、欧州の強度に対して「技術で外す」だけでは足りない試合になります。
大事なのは、前線の2トップを消すことではなく、彼らに良い形で入る回数を減らすことです。GyökeresやIsakを完全に止める前提で考えると、守備計画が細くなります。むしろ、パスの出どころ、ロングボールの落下点、セカンドボールの回収位置を管理する方が現実的です。
日本側の注目点は、次の3つです。
- CBが前へ出る場面と、背後を守る場面を切り替えられるか
- 中盤がこぼれ球を拾い、スウェーデンの再攻撃を止められるか
- サイドで相手を押し込み、Elangaの走る距離を長くできるか
特に三つ目は大きい。Elangaに自陣深くから長い距離を走らせるのか、ハーフウェーライン付近から加速させてしまうのかで、スウェーデンの怖さはまるで違います。
Group Fでの立ち位置と本大会の見どころ
FIFAとJFAの大会ページでは、Group Fはオランダ、日本、スウェーデン、チュニジアの組み合わせです。スウェーデンは初戦でチュニジア、第2戦でオランダ、第3戦で日本と対戦します。
この日程は、スウェーデンにとっても日本にとっても重い意味を持ちます。
初戦チュニジア戦がスウェーデンの基準を決める
スウェーデンがチュニジア相手に勝点3を取れば、第2戦のオランダ戦で多少リスクを抑えながら戦えます。逆に初戦で勝ち切れない場合、日本戦は突破を懸けたかなり切迫した試合になりやすい。
日本戦は「順位調整」ではなく直接対決になり得る
48チーム制では3位通過の可能性もありますが、それは安全圏を保証するものではありません。日本とスウェーデンは、勝点、得失点差、直接の順位争いが絡む相手です。
だから日本の読者がスウェーデンを見るなら、スター選手の名前だけでなく、初戦と第2戦でチームがどう変わるかまで追う必要があります。前線の爆発力は本物。ただし、予選全体の不安定さも本物です。
今後見るべきポイント
スウェーデン代表は、完成された優勝候補というより、短期決戦で相手を倒す刃を持ったチームです。日本にとっては、ボールを持てる時間があっても、1本の縦パスやセットプレーで試合を傾けられる危険があります。
本大会までに見るべきポイントは絞れます。
- PotterがGyökeresとIsakを同時起用する形をどこまで固めるか
- 中盤の若手が前線との距離を保てるか
- 守備時に最終ラインが下がりすぎないか
- 日本戦までに累積警告や負傷で守備陣の構成が変わらないか
日本戦で問われるのは、北欧の高さへの対応だけではありません。スウェーデンの前線に「走る時間」と「前を向く時間」を渡さないこと。それができれば、日本は主導権を握れる。できなければ、ポーランド戦の88分のように、最後の一撃で全部を持っていかれる相手です。
参照リンク
- FIFA: Sweden squad announcement | FIFA World Cup 2026
- FIFA: Sweden at the FIFA World Cup: Team profile and history
- FIFA: Sweden secure World Cup ticket
- FIFA: World Cup 2026 match schedule, fixtures & stadiums
- FIFA: Group F in Focus
- UEFA: Sweden European Qualifiers 2026 Squad
- Svensk Fotboll: Graham Potter utsedd till förbundskapten för herrlandslaget
- Svensk Fotboll: Gyökeres hattrick bakom stark seger i Valencia
- Svensk Fotboll: VM nästa efter sent avgörande
- JFA: FIFA World Cup 2026 SAMURAI BLUE
