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2026シーズンのV・ファーレン長崎の特徴とここまでのリーグ戦について

2026シーズンのV・ファーレン長崎の特徴とここまでのリーグ戦について

2026年4月4日時点で、V・ファーレン長崎は明治安田J1百年構想リーグ WESTで8試合4勝4敗、勝点12の6位です。得点10、失点11。数字だけ見ると五分ですが、中身はかなりはっきりしています。前線の個の強さと縦への速さで勝てる試合はある一方、守備を長く安定させる部分にはまだ波がある。ここまでの長崎は、まさにそのチームです。

2-3で落としたガンバ大阪戦、先制しながら1-2で敗れた京都サンガF.C.戦を見ると、J1の強度に対して90分を通して主導権を握り切る段階にはまだ達していません。ただし、名古屋グランパス戦の3-1、アビスパ福岡戦の1-0、ファジアーノ岡山戦の1-0が示したように、試合を壊さずに勝ち切る形もすでに持っています。昇格組としては、悲観する成績ではありません。

  • 2026年4月4日時点の成績は4勝4敗、WEST6位
  • 攻撃の核はマテウス・ジェズス、チアゴ・サンタナ、ノーマン・キャンベルら前線
  • 勝てる試合では縦に速く、交代策でも流れを変えられている
  • 課題は被シュートの多さと、押し込まれた時間帯の失点管理
  • 次の注目は4月5日の清水エスパルス戦で、守備の安定をどこまで示せるか

ここがポイント: 長崎は「J1で通用する攻撃」はすでに見せている。今後の焦点は、その攻撃力を削らずに失点の波をどこまで小さくできるかだ。

目次

まずはここまでのリーグ戦を整理する

開幕から第8節までの結果を並べると、流れの変化が見えやすいです。

  • 2月6日 第1節 サンフレッチェ広島に1-3で敗戦
  • 2月13日 第2節 ヴィッセル神戸に0-2で敗戦
  • 2月21日 第3節 名古屋グランパスに3-1で勝利
  • 2月28日 第4節 セレッソ大阪に1-0で勝利
  • 3月8日 第5節 ガンバ大阪に2-3で敗戦
  • 3月15日 第6節 アビスパ福岡に1-0で勝利
  • 3月18日 第7節 京都サンガF.C.に1-2で敗戦
  • 3月21日 第8節 ファジアーノ岡山に1-0で勝利

開幕2連敗のあとに連勝し、その後は勝ち負けを繰り返しながら五分に戻しました。昇格組が序盤に崩れず、すでに4勝を積んでいるのは軽くありません。WEST首位のヴィッセル神戸が勝点16、長崎が勝点12なので、上位とも完全に離されてはいません。

長崎の特徴はどこにあるのか

ここまでの長崎をひと言でまとめるなら、「強い前線で試合を動かし、守備の完成度が勝点の伸びを決めるチーム」です。

1. マテウス・ジェズスを軸に、前へ出る力がある

序盤の攻撃で最も目立つのはマテウス・ジェズスです。開幕から早い段階で得点を重ね、ガンバ大阪戦では2得点。相手の中盤脇やバイタルで前を向いたときの怖さは、J1でもそのまま通じています。

彼が重要なのは、単なる得点源だからではありません。長崎の攻撃は、ボールを長く持って相手を押し込むだけではなく、前向きの一発で局面を進める形が多い。マテウス・ジェズスはその接続点です。山口蛍や長谷川元希が中盤でボールを動かし、そこから一気に前線へ差し込むと、試合が速くなります。

Football LABのチームスタイル指標でも、長崎はロングカウンター55、カウンタープレス49、中央攻撃46という数字が出ています。極端なポゼッション偏重ではなく、奪ったあとに前へ運ぶ色が強いのは、この序盤戦の印象と合っています。

2. 9番タイプを置けるので、攻撃の出口が消えにくい

今季の長崎は、チアゴ・サンタナを加えたことで前線の基準点が明確になりました。名古屋戦と福岡戦では彼が得点し、京都戦でも開始5分で先制点。背負って時間を作る、クロスに入る、相手CBを下げる。そうした仕事があるため、押し返されても前線でいったん息をつけます。

さらにノーマン・キャンベル、山﨑凌吾まで含めると、試合の流れに応じて前線の表情を変えられます。

  • チアゴ・サンタナは基準点になりやすい
  • ノーマン・キャンベルは裏への推進力で試合を動かせる
  • 山﨑凌吾は終盤の勝負どころで結果を出している

岡山戦の決勝点は後半アディショナルタイム3分の山﨑凌吾。交代選手で勝点3を取り切れたのは、J1で残留争い以上を目指すうえで大きい材料です。

3. ずっと前から噛み続ける守備ではない

長崎は前線から追えるチームですが、現時点では「ハイプレスで相手を圧倒する完成形」とは言い切れません。Football LABでは、ハイプレッシング後のゲイン率が33.9%でリーグ16位、被シュート率は9.6%で17位。前から行ったあとに完全に回収し切れず、逆に相手に打たれる場面がまだ多いことを示しています。

一方でローブロック指標は64と高く、押し込まれた局面では低い位置で耐える時間も長い。つまり今の長崎は、前から奪い切るチームというより、前から行く局面と引いて耐える局面が混ざっているチームです。この切り替えが整えば強いですが、ずれると失点に直結しやすい。ここまでの4敗はその弱点が出た試合でもありました。

勝った試合と負けた試合の差

結果が割れた理由はかなり明確です。勝った試合は、攻撃の形が先に出ています。負けた試合は、相手に押し返された時間帯で踏ん張り切れていません。

勝った試合で見えたもの

名古屋戦は、1-1に追いつかれた直後でも終わらず、ノーマン・キャンベルが79分と90+6分に決めて3-1。J1アウェイで終盤に突き放したのは、長崎の前線に厚みがある証拠です。

セレッソ大阪戦は20本近いシュートを打ちながら1-0。福岡戦も11本のシュートからチアゴ・サンタナが決めて1-0。派手ではなくても、押し込み切る形を作れた試合では勝点を取り切っています。

岡山戦は内容が華やかだったわけではありませんが、0-0のまま耐え、最後に刺しました。昇格組がこういう試合を拾えるのは大きいです。順位表の数字以上に、シーズンを進める力があります。

負けた試合で見えたもの

広島戦は1-3、神戸戦は0-2。開幕2試合は、相手の完成度の高さとJ1のテンポ差がはっきり出ました。地元メディアKTNも、開幕の広島戦後に高木琢也監督が「これが我々との力の差」と語ったと伝えています。

特に痛かったのはガンバ大阪戦と京都戦です。

  • ガンバ大阪戦はマテウス・ジェズスの2得点で一時リードしながら2-3で逆転負け
  • 京都戦は開始5分に先制しながら1-2で敗戦

この2試合は、長崎の攻撃がJ1で十分通用する一方、優位を保つ守備の設計はまだ揺れていることを示しました。先に点を取っても安心できない。ここが今の長崎のいちばん大きな論点です。

監督、地元メディア、データはどう見ているか

ここまでの長崎を考えるときは、見る立場ごとに少しずつ焦点が違います。

監督・クラブの視点

高木琢也監督は新体制発表の時点で、FNNの取材に対して「残留とかっていうレベルじゃない」という強い目標設定を示していました。昇格組らしく我慢強く戦うだけではなく、J1で上を見たいというメッセージです。

その分、序盤の敗戦には甘さがありません。開幕戦後に力の差を認めたのは、現状を過小評価しないためでしょう。理想を高く置きつつ、J1基準に合わせていく。その過程が、今の4勝4敗に表れています。

データサイトの視点

Football LABの数値は、長崎の現在地をかなり端的に示しています。

  • ロングカウンター55で、奪ってから前へ運ぶ色が強い
  • カウンタープレス49で、失った直後の回収意識もある
  • ローブロック64で、押し込まれたときは深く構える時間も長い
  • ハイプレッシング後のゲイン率33.9%はリーグ16位
  • 被シュート率9.6%はリーグ17位

つまり、狙いはある。ただし、その狙いを毎試合同じ精度で出せているわけではない。数字も、試合の印象も、そこは一致しています。

地元での見え方

地元の熱量は非常に高いです。KTNによれば、広島との開幕戦には2万134人が入場しました。PEACE STADIUM Connected by SoftBankでの後押しは、昇格組の長崎にとって明確な武器です。

ただ、ホームで京都に逆転負けしたように、スタジアムの勢いだけで試合を閉じられるほどJ1は甘くありません。むしろホームの期待が大きいからこそ、リードした試合をどう締めるかが次の段階になります。

今後を見るうえでの注目点

4月5日には清水エスパルス戦を控えています。ここからの長崎を見るポイントは、単純に勝つか負けるかだけではありません。

注目したい3点

  • 先制後にライン間をどこまで消せるか
  • 山口蛍、長谷川元希、ディエゴ・ピトゥカ周辺で中盤の主導権を持てるか
  • チアゴ・サンタナ、ノーマン・キャンベル、山﨑凌吾の使い分けで終盤の質を落とさないか

もし守備の波を少しでも縮められれば、長崎はWESTの中位で落ち着くより、上位争いに絡める力があります。逆に、先制しても逃げ切れない試合が続けば、4勝4敗の往復から抜け出せません。

2026年のV・ファーレン長崎は、まだ完成品ではありません。ただ、J1で通じる武器はもう見えている。次に問われるのは、その武器を勝点の積み上げに変える守備の整理です。4月5日の清水戦は、その確認にちょうどいい試合になります。

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