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連勝の磐田。ただそれでも評価が上がらないのはなぜ?

連勝の磐田。ただそれでも評価が上がらないのはなぜ?

ジュビロ磐田は4月4日のヴァンフォーレ甲府戦を1-0で勝ち、4月12日のAC長野パルセイロ戦も1-1からPK戦を4-1で制した。結果だけ見れば流れは上向きだ。

それでも評価が一気に上がらない理由ははっきりしている。勝ち方がまだ「支配して勝つ」形ではなく、守って耐える時間とPK戦の比重が大きいからだ。

  • 甲府戦は1-0で今季初の90分勝利
  • 長野戦は1-1からPK戦勝利で、90分では引き分け
  • 直近2試合で勝点は積んだが、得点は各試合1点ずつ
  • 第9節終了時点のEAST-Bでは8位、得失点差は-6
  • 甲府戦、長野戦とも相手にシュート数で上回られている

つまり、磐田は底を抜けた。ただし、上位を追うチームとして信頼されるには、まだ「内容で押し切る試合」が足りない。

目次

何が起きているか。2試合の結果を整理する

まずは事実関係から見たい。連勝と呼びたくなる流れの中身は、90分勝利とPK戦勝利で少し性格が違う。

甲府戦は、待望の勝点3だった

4月4日の第9節、磐田はヤマハスタジアムで甲府に1-0で勝った。得点は前半18分のグスタボ・シルバ。Jリーグ公式の試合データでは、磐田のシュートは15本、甲府は17本。CKも磐田3本に対して甲府7本だった。

Football LABの戦評も、磐田が先制後に守備陣の奮闘で甲府の攻撃を封じ、1-0でしのぎ切った試合として整理している。ここは評価していい。開幕から90分で勝てない状態が続いていたチームにとって、首位を走っていた甲府を無失点で止めた意味は小さくない。

ただし、試合の見え方は「磐田が押し切った」よりも「先に取って、耐え切った」に近い。そこが評価の上限を決めている。

長野戦は勝ったが、90分では追いつかれている

4月12日の第10節、磐田は長野Uスタジアムで長野と1-1。16分にマテウス・ペイショットが先制したが、39分に藤川虎太朗に同点ゴールを許した。後半は互いに得点がなく、PK戦を磐田が4-1で制した。

Jリーグ公式の試合データでは、シュート数は長野13本、磐田8本。CKは長野6本、磐田1本だった。PK戦を勝ち切った集中力は収穫だが、90分の内容だけなら「勝ち試合」と言い切るには弱い。

ここがポイント: 磐田は勝点を拾えるようになったが、相手を押し込んで試合を終わらせる段階にはまだ届いていない。

評価が上がり切らない最大の理由は、攻撃の再現性にある

磐田の直近2試合は、先制点の価値が非常に大きい。問題は、その後に試合を決める2点目、あるいは相手を自陣に戻らせない攻撃の持続がまだ見えにくいことだ。

1点を取った後の時間が重い

甲府戦はグスタボ・シルバ、長野戦はマテウス・ペイショットが前半に得点した。前線の外国籍選手が結果を出している点は明るい。

ただ、2試合とも追加点はない。これは単なる得点力不足というより、リード後のゲーム運びがまだ守備側に寄りすぎているという問題でもある。

磐田が評価を上げるには、次のどれかを試合中に増やしたい。

  • 先制後も相手陣内でボールを回収する回数
  • サイドからの押し込み直し
  • カウンターで相手の最終ラインを下げる場面
  • 終盤に相手へロングボールを蹴らせる守備の圧力

甲府戦のFootball LABデータでは、磐田の攻撃CBPは11.69、甲府は22.87。パスCBPも磐田9.18、甲府16.29だった。スコアは磐田の勝利だが、チャンスを作る流れでは甲府が上回ったことが数字にも出ている。

守備の粘りは本物。ただし、毎回それに頼るのは危うい

甲府戦で無失点に抑えた守備は、評価されるべき部分だ。川島永嗣、山﨑浩介、ヤン・ファンデンベルフ、吉村瑠晟らが長い時間をプレーし、終盤まで集中を切らさなかった。

一方で、長野戦では前半のうちに同点に追いつかれ、シュート数でも上回られた。守備で耐える力はある。しかし、耐える時間が長くなれば、失点リスクは自然に増える。

今の磐田に必要なのは、守備の根性論ではない。守備に入る前の段階で、相手の攻撃回数そのものを減らすことだ。

起用面では、前線と中盤の組み合わせがまだ固まり切っていない

磐田は勝ちながらも、試合中の入れ替えが多い。これは連戦を考えれば当然だが、見方を変えると、ベストの攻撃ユニットを探している段階にも見える。

グスタボ・シルバとマテウス・ペイショットの得点は大きい

甲府戦ではグスタボ・シルバ、長野戦ではマテウス・ペイショットが得点した。前線の軸になる選手が1点を取れることは、停滞していたチームにとって大きい。

ただし、両者のゴールがそのまま攻撃全体の安定につながっているかは別問題だ。甲府戦ではグスタボ・シルバが62分に相田勇樹と交代し、マテウス・ペイショットも77分に渡邉りょうと代わった。長野戦でもグスタボ・シルバは65分に渡邉りょうと交代している。

前線を入れ替えながら強度を保つ狙いは分かる。だが、リード後に追加点を取りに行く形を作るには、交代後の前線がどこで起点を作るのかをもっと明確にしたい。

中盤の交代が試合の落ち着きに直結している

甲府戦では上原力也から井上潮音、角昂志郎から川合徳孟、さらに相田勇樹の投入があった。長野戦でも川合から相田、上原から植村洋斗という交代が行われた。

ここで問われるのは、個々の能力ではなく役割の接続だ。

  • ボールを持って相手を動かす役割
  • セカンドボールを拾う役割
  • 前線へ縦に入れる役割
  • 終盤に守備ラインを助ける役割

磐田は選手を替えて試合を閉じることはできている。ただ、試合を支配し直す交代になっているかという点では、まだ改善の余地がある。

立場ごとの見方。結果重視なら前進、内容重視なら保留

同じ2試合でも、見る立場によって評価は分かれる。

監督・チーム側から見れば、まず勝点を積んだことが最優先

第9節終了時点でEAST-Bの磐田は8位、勝点8、1勝2PK勝1PK負5敗、得失点差-6だった。そこから甲府戦の90分勝利、長野戦のPK戦勝利で勝点を重ねたことは、順位争いの現実を考えれば大きい。

内容が理想に届かなくても、勝ちながら修正できる状態に戻した。これはチームマネジメント上の前進だ。

データを見る側からは、慎重な評価になる

一方で、データ面では手放しに評価しにくい。甲府戦は1-0勝利ながらシュート数で15対17、長野戦は1-1でシュート数8対13。直近2試合とも、相手の攻撃機会を十分に抑え込めたとは言いづらい。

とくに長野戦は、前節終了時点でEAST-B最下位だった長野に対して90分で勝ち切れなかった。上位を目指す磐田としては、ここが見られる。

サポーター目線では、安心と不安が同居する

サポーターにとっては、ようやく勝ちが続いたこと自体が救いだ。甲府を倒し、アウェイ長野でPK戦を制した。負け続ける空気を切った意味は大きい。

ただ、内容が劇的に変わったわけではない。1点差、PK戦、相手に打たれる展開。勝っているのに不安が残るのは自然だ。

次に見るべきポイントは、岐阜戦といわき戦の中身

磐田の評価が本当に上がるかは、ここからの相手に対してどう勝つかで決まる。

クラブ公式の日程では、4月25日にFC岐阜戦、5月2日にいわきFC戦、5月6日にヴァンフォーレ甲府戦が続く。どれもEAST-Bの順位争いに関わる相手だ。

ここで見るべきポイントはシンプルだ。

  • 先制後に2点目を取りに行けるか
  • シュート数とCK数で相手を下回る試合を減らせるか
  • グスタボ・シルバ、マテウス・ペイショット、渡邉りょうの使い分けが整理されるか
  • 中盤交代後にボール保持の時間を作れるか
  • PK戦ではなく、90分で勝点3を積めるか

連勝ムードは悪くない。だが、磐田に求められているのは「負けないチーム」への回復ではなく、「上位を倒しても偶然に見えないチーム」への前進だ。

次の数試合で、勝ち方が変わるか。そこが評価を押し上げる最後の条件になる。

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