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徳島ヴォルティス宮崎キャンプ総括|水戸戦1-0、新体制が積み上げた17日間

宮崎の練習場で夏季キャンプに取り組むサッカーチームのイメージ。

徳島ヴォルティス宮崎キャンプ総括|水戸戦1-0、新体制が積み上げた17日間

徳島ヴォルティスは、2026年7月10日から26日まで宮崎県でトレーニングキャンプを実施した。最大の成果として確認できるのは、唯一公表された対外試合で水戸ホーリーホックを1-0で下し、無失点で終えたことだ。

ただし、この勝利だけで新チームの完成度は測れない。吉本岳史監督の就任、新加入選手の合流、午前・午後の2部練習を含む長期日程を考えると、今回のキャンプは2026/27シーズンの土台を一から組み上げる期間だった。

この記事で分かること

  • 宮崎キャンプの日程、会場、公開範囲
  • 水戸ホーリーホックとの練習試合結果
  • 吉本岳史監督と新加入選手にとってのキャンプの意味
  • 開幕後に確認したい具体的なポイント
目次

17日間の宮崎キャンプ、2部練習を5日設定

7月10日から26日までの17日間に、負荷をかける日と休養日、実戦日を明確に配置したキャンプだった。

会場は宮崎市のひなた宮崎県総合運動公園ラグビー場。徳島で6月28日に始動し、7月7日までトレーニングを行った後、2日間のオフを挟んで宮崎へ移動した。

キャンプの主な流れは次の通りだ。

  • 7月10日:午後練習からキャンプ開始
  • 7月11、13、14、18、23日:午前と午後の2部練習
  • 7月16日:水戸ホーリーホックと練習試合
  • 7月17、22日:オフ
  • 7月21、25日:非公開練習
  • 7月26日:徳島へ移動し、16時から新体制発表会

2部練習は前半に4日、後半に1日設定された。一方、水戸戦翌日の17日と、20日までの連続練習を終えた22日はオフ。負荷を集中させた後に回復日を置く構成が見える。

クラブは具体的な練習メニューや戦術内容を公表していない。そのため、取り組んだシステムやポジション別の序列を外部から断定することはできない。ただ、非公開練習を終盤の21日と25日に配置したことから、開幕へ向けて外部に開示しない調整を行う時間も確保されていた。

公開された唯一の実戦は水戸に1-0

水戸ホーリーホック戦では、90分を無失点で終え、新加入の稲見哲行が決勝点を挙げた。

試合は7月16日、いちご宮崎新富サッカー場で45分×2本として実施された。徳島は前半を0-0で折り返し、2本目25分に稲見が得点。その1点を守り切った。

  • 対戦相手:水戸ホーリーホック
  • 日時:2026年7月16日17時
  • 形式:45分×2本
  • 結果:徳島ヴォルティス 1-0 水戸ホーリーホック
  • 得点:稲見哲行(2本目25分)

無失点には価値がある。ただし評価は開幕後へ

吉本監督の新体制で最初に公表された対外試合を無失点で終えた点は、守備の出発点として前向きな材料だ。相手も同じJ2を戦う水戸であり、公式戦に近い強度を想定できる相手との90分だった。

一方、クラブは出場メンバー、交代、シュート数、ボール保持率などを公表していない。したがって、守備ブロックが機能したのか、前線からの守備が奏功したのか、あるいはGKを含む個人対応でしのいだのかは判断できない。

「無失点という結果」は確認できるが、「守備が完成した」とまでは言えない。 開幕後は、相手に押し込まれた場面での耐え方だけでなく、ボールを失った直後の対応やセットプレー守備まで見て評価する必要がある。

稲見哲行の得点が持つ意味

決勝点を挙げた稲見は、東京ヴェルディから完全移籍で加わったMFだ。6月28日の新監督・新加入選手記者会見にも出席しており、新体制の中心候補としてキャンプへ入った。

練習試合の1得点だけで攻撃面の役割を固定することはできない。それでも、新加入の中盤選手が初めて公表された実戦で結果を残したことは、チームへの適応という点で明るい材料になる。

注目したいのは、公式戦で稲見がどの位置を担うかだ。中盤の底で組み立てと守備を支えるのか、より前方へ出て得点に絡むのか。水戸戦のゴールは、その起用法を追う入口になった。

新監督と新加入選手をつなぐキャンプ

今回のキャンプで最も重要だったのは、既存戦力の調整以上に、吉本岳史監督の考えを新編成へ落とし込むことだった。

クラブが6月26日時点で公表した体制では、吉本監督に加え、高橋勇菊コーチと立田将大コーチも新任。選手では田中隼人、稲見哲行、北村海チディ、カン・ヨンガンが新加入として掲載された。

6月28日の記者会見には、黒部光昭フットボールダイレクター、吉本監督と、この新加入4選手が出席している。キャンプは、その翌々週から始まった。

ここがポイント:長期キャンプの価値は、練習量だけではない。新監督、新任コーチ、新加入選手が同じ場所で過ごし、ピッチ上の判断基準をそろえられることにある。

センターバックとGKにも新しい競争

田中はDF、北村とカンはGKとして登録された。得点者となった稲見だけでなく、守備陣にも新加入選手が加わっている。

水戸戦の出場選手は公表されていないため、誰が無失点に貢献したかは特定できない。それでも、公式戦では次の点がポジション争いの焦点になる。

  • センターバックの組み合わせと最終ラインの高さ
  • GKがビルドアップで担う範囲
  • 中盤が最終ラインの前をどう保護するか
  • 守備から攻撃へ移る最初のパスを誰が担うか

守備はDFだけで完結しない。前線の追い方、中盤の立ち位置、最終ラインの押し上げがつながって初めて、無失点を継続できる。水戸戦で得た結果をリーグ戦へ持ち込めるかが重要だ。

青木駿人の再手術を受けた守備陣の編成

クラブは6月28日、DF青木駿人が1月に手術を受けた左足舟状骨の状態を踏まえ、6月26日に再手術を受けたと発表した。復帰までの期間は公表されていないため、離脱期間を具体的に見通すことはできない。

青木の復帰時期が明らかでないなか、守備陣には田中ら新加入選手の適応に加え、既存DFを含めた組み合わせの整備が求められる。非公開練習を含むキャンプ終盤は、その準備を進める重要な時間になったと考えられる。

ただし、クラブはキャンプ参加者の完全な一覧や個々の練習状況を公表していない。特定選手の序列やコンディションについては、公式戦のメンバー発表など今後の公式情報を待つ必要がある。

見学可能日を広く設定、戦術情報には明確な制限

宮崎キャンプは大部分が見学可能だった一方、チーム情報を守るためのルールが細かく定められた。

7月21日と25日の非公開日を除き、練習は原則として見学可能。ファンサービスも、非公開日を除いて実施予定と案内された。

一方で、クラブは次の行為を禁止または制限した。

  • 練習および練習試合の動画撮影
  • 一般見学者による練習メニュー、戦術、別メニュー選手の情報公開
  • 水戸戦の試合写真や内容のインターネット公開
  • 水戸戦後のファンサービス

水戸戦では見学場所もスタンド内の指定エリアに限定された。新シーズン前の実戦情報を対戦相手へ渡さないための措置であり、公開キャンプと競技上の機密を両立させる運用だった。

なお、練習時間や公開可否はコンディションなどにより変更される場合がある。今後の練習見学では、出発前にクラブ公式サイトと公式SNSで最新情報を確認したい。

開幕後に見るべき3つの答え

キャンプの成否は、8月のJ2開幕後に「失点を抑えながら得点を増やせるか」で判断される。

徳島は2026/27明治安田J2リーグ第2節の8月16日、ホーム開幕戦でサガン鳥栖と対戦する。水戸戦から約1カ月あり、宮崎で作った土台を公式戦仕様へ仕上げる時間は残されている。

確認したいポイントは3つだ。

  1. 水戸戦の無失点を再現できるか
    実戦強度が上がるリーグ戦で、守備の連動とセットプレー対応が問われる。

  2. 稲見の得点を攻撃全体へ広げられるか
    中盤の選手だけでなく、ルーカス・バルセロスやトニー・アンデルソンらFW陣へ、どのような形で決定機を届けるかが焦点になる。

  3. 新加入選手を既存の主力とどう組み合わせるか
    岩尾憲、鹿沼直生、杉本太郎ら既存の中盤と稲見の役割分担、田中を含む最終ラインの構成に注目したい。

宮崎で確認できた対外試合は1試合だけだった。だからこそ、開幕後の最初の数試合では、勝敗だけでなく、無失点の再現性と得点機会の作り方を追う必要がある。水戸戦の1-0が新体制の原型だったのか。それともキャンプ途中の一場面だったのか。最初の答えは、8月の公式戦で示される。

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