松本山雅は愛媛の4得点ペースを止められるか J3第3節の勝負を分ける「最初の守備」
明治安田J3リーグ第3節で、松本山雅FCと愛媛FCが対戦する。最大の焦点は明快だ。開幕2試合で計8得点を挙げた愛媛の攻撃を、松本が最終ラインの手前で止められるか。
松本は1分1敗、愛媛は2連勝。サンプロ アルウィンで松本が今季初勝利をつかむには、押し込まれてから耐えるだけでなく、ロングボールへの対応とセカンドボール回収を改善する必要がある。
- 開催日:2026年8月22日(土)
- キックオフ:18:00
- 大会:明治安田J3リーグ 2026/27 第3節
- 対戦:松本山雅FC vs 愛媛FC
- 会場:サンプロ アルウィン
- 試合前順位:松本14位、愛媛2位
対戦の前提――守備を立て直したい松本、8得点で連勝した愛媛
両クラブの序盤戦は、得点力と勝点の双方で差が表れている。
松本は開幕から1分1敗。第1節は高知ユナイテッドSCと0-0で引き分けたが、前節のホーム開幕戦ではレイラック滋賀FCに逆転負けを喫した。2試合を終え、順位は14位となっている。
一方の愛媛は2勝0分0敗で2位。2試合続けて4得点を挙げており、合計8得点という立ち上がりだ。田村翔太はすでに3得点。日野翔太も2得点に加えて、チャンスクリエイト総数9を記録している。
指揮を執るのは、松本が石﨑信弘監督、愛媛が大木武監督。両クラブの公式発表で、2026/27シーズンの監督就任が確認されている。田村の愛媛所属については、Jリーグ公式の2026年8月9日奈良戦の記録で、愛媛FCのFW17として出場したことが確認できる。
なお、この試合は未開催であり、最終スコア、先発、交代、得点経過は確定していない。2026年8月21日時点では、試合ページにラインナップも掲載されていない。
最大の論点は松本のセカンドボール回収
松本が修正すべきなのは、最後のシュート対応だけではない。愛媛に攻撃を始め直させない守備が必要になる。
Jリーグ公式の試合展望では、松本について、開幕2試合で相手のロングボールを最終ラインが処理し切れず、陣形もコンパクトに保てないため、セカンドボール回収で優位に立てていないと指摘されている。
中盤の安永玲央も、ロングボールを一度ではね返すことや相手の攻撃をつぶし切ることを課題に挙げ、自身が試合をよりコントロールしたいという考えを示した。
ここで重要なのは、守備ラインだけに責任を負わせないことだ。松本が愛媛の前線へ入るボールをはね返しても、中盤が次のボールを回収できなければ攻撃は終わらない。愛媛に二次攻撃を許せば、守備陣は何度も後退を強いられる可能性がある。
松本に求められる対応は三つに整理できる。
- 前線からのプレスを単発にせず、後方の押し上げと連動させる
- 最終ラインが競った直後、中盤が落下地点へ先に入る
- 奪った後に急いで失わず、愛媛の連続攻撃を一度切る
ここがポイント: 松本の守備改善は「ゴール前で耐えること」ではなく、愛媛が次の攻撃を始める前にボールを回収できるかで測るべきだ。
愛媛は田村翔太だけを警戒すればよい相手ではない
愛媛の強みは、フィニッシャーとチャンスを作る選手が分かれていることにある。
田村は開幕2試合で3得点を挙げている。第1節の奈良クラブ戦では2得点を記録し、愛媛の4-1勝利に直接貢献した。ゴール前で田村に自由を与えないことは、松本の最優先課題になる。
ただし、田村だけを囲めば解決するとは限らない。日野は2得点に加え、チャンスクリエイト総数でもリーグ上位の数字を残している。宮本航汰も同項目で5を記録した。愛媛には、最後に決める田村へ至る前の局面を動かせる選手がいる。
松本が田村へのマークを強めすぎれば、その周囲に日野や宮本が使える空間が生まれる可能性がある。逆に供給側へ強く出れば、最終ラインは田村との個別対応を迫られやすい。
このため、注目すべきマッチアップは一対一に限定されない。
松本の中盤対愛媛のチャンスメーカー
松本は安永を中心に中盤の距離を縮め、愛媛が前を向いて田村へボールを送る時間を減らしたい。パスの出し手へ寄せ切れなければ、田村への対応は一段難しくなる。
松本のセンターバック対田村翔太
松本では白井達也が開幕2試合でデュエル勝利総数10、蓑田広大が7を記録している。球際で愛媛の攻撃を止めるうえで、この対人強度は重要な材料だ。
ただし、競り勝つだけでは十分ではない。こぼれ球を味方につなげて初めて守備が完了する。
松本が勝点3へ近づく試合展開
松本の勝機は、試合をオープンにせず、愛媛の連続攻撃を早い段階で断つ展開にある。
愛媛は2試合連続4得点と好調で、松本は前節に守備が崩れて逆転負けを喫した。この事実を踏まえると、序盤から互いに攻め合う展開は愛媛の得点力が生きやすいと考えられる。
松本は、強度の高いプレスと球際の対応で愛媛の前進を遅らせ、奪った後の攻撃をシュートまでつなげたい。ホームだからと前がかりになりすぎず、守備陣と中盤の間を空けないことが先決だ。
愛媛としては、松本の最初のプレスを外し、田村を孤立させずに複数の選手がゴール前へ入る形を作りたい。松本の守備が田村へ集中すれば、その周囲を使う余地が生まれる可能性がある。
勝敗予想を断定できる材料はまだ少ない。それでも、試合を分ける分岐は絞れる。
- 松本がロングボールをはね返した後のボールを回収できるか
- 愛媛が田村以外の経路からもゴール前へ進入できるか
- 松本が奪ったボールをすぐ失わず、守備の時間を短くできるか
見立て――松本の「最初の守備」が機能するか
冒頭の問いへの答えは、松本がゴール前で何本防ぐかではなく、その手前で愛媛の攻撃回数を減らせるかにある。
松本が前線、中盤、最終ラインの距離を保ち、セカンドボールを回収できれば、愛媛の得点力を抑えて接戦へ持ち込む可能性が高まる。白井や蓑田の対人守備も、周囲の回収役と連動してこそ強みになる。
反対に、ラインが下がり、田村への対応と日野らへの寄せを同時に迫られれば、開幕2試合で8得点を挙げた愛媛が優位に立つ可能性がある。
最初に見るべき場面は、松本が相手のロングボールをはね返した直後だ。次のボールが緑のユニフォームへ収まるのか、それとも愛媛が拾って二次攻撃へ移るのか。その数秒が、松本の今季初勝利と愛媛の開幕3連勝を分ける最大の手掛かりになる。

