大分、85分のペレイラ弾で今治と1-1 シュート14対13の接戦を分けたCK後の一撃
85分、清武弘嗣の左CKがクリアされた後、ペレイラが左足で同点ゴールを決めた。2026年9月6日、クラサスドーム大分で行われた2026/27明治安田J2リーグ 第5節は、大分トリニータとFC今治が1-1で引き分けた。
今治が19分から守ってきたリードを、大分はどう崩したのか。直接の答えは、CKの最初のボールを跳ね返されても、その後のプレーを得点につなげたことにある。シュート数や支配率には大差がなく、試合全体の量的な優勢より、終盤の一度の攻防が結果を動かした。Jリーグ公式の試合速報に得点場面が記録されている。
- 今治は19分に古山兼悟が先制。大分は85分にペレイラが同点弾。
- シュートは大分14本、今治13本。枠内シュートも4本対3本と小差だった。
- CKは大分6本、今治3本。大分は終盤、その再開機会をゴールにつなげた。
試合記録――今治が先行し、大分が終盤に追いつく
両チームが1点ずつを奪った一方、得点した時間帯は大きく異なった。
- 大会:2026/27明治安田J2リーグ 第5節
- 開催日:2026年9月6日
- 会場:クラサスドーム大分
- 結果:大分トリニータ 1-1 FC今治
- 19分:FC今治の古山兼悟が得点。
- 85分:大分トリニータのペレイラが得点。
今治の先制点は、安部裕葵が左からクロスを送り、ペナルティエリア内で丸山大和を経由して古山がヘディングで仕留めたものだった。大分の同点点は、清武のCKを今治のGK立川小太郎がクリアした後、ペレイラがエリア中央から左足で決めた。どちらも、サイドから入ったボールに対する最初の対応だけでは攻防が終わらなかった。
先発と交代
先発は次の顔ぶれだった。区分は公式試合ページの先発表におけるポジション表記に沿っており、そのまま実際の配置を示すものではない。
大分トリニータ
- GK:ムン キョンゴン
- DF:宮川歩己、三竿雄斗、ペレイラ
- MF:小田逸稀、西村恭史、榊原彗悟、宇津元伸弥、林田滉也
- FW:有馬幸太郎、木本真翔
FC今治
- GK:立川小太郎
- DF:菊地健太、丸山大和、櫛引一紀、ガブリエル ゴメス
- MF:梅木怜、駒井善成、安部裕葵、中井卓大 ピピ
- FW:エジガル ジュニオ、古山兼悟
交代は、以下の順に行われた。表の列は、時刻・チーム・退いた選手・入った選手の順で示す。
| 時刻 | チーム | 退いた選手 | 入った選手 |
|---|---|---|---|
| 39分 | 大分トリニータ | 榊原彗悟 | 木許太賀 |
| ハーフタイム | FC今治 | 中井卓大 ピピ | 梶浦勇輝 |
| 60分 | FC今治 | エジガル ジュニオ | 持井響太 |
| 66分 | 大分トリニータ | 有馬幸太郎 | 相澤デイビッド |
| 66分 | 大分トリニータ | 小田逸稀 | 有働夢叶 |
| 66分 | 大分トリニータ | 木本真翔 | 清武弘嗣 |
| 70分 | FC今治 | 駒井善成 | 山田貴文 |
| 81分 | FC今治 | 古山兼悟 | 森晃太 |
| 81分 | FC今治 | 安部裕葵 | ウェズレイ タンキ |
| 84分 | 大分トリニータ | 宇津元伸弥 | 山崎太新 |
警告は13分の今治・菊地健太。両チームとも退場者は出ていない。先発・交代・警告の記録はJリーグ公式による。
シュート14対13――大分の微差を「圧倒」とは読めない
主要指標は、大分がわずかに上回る項目が多いものの、一方的な試合と評価するほどの開きではない。
| 指標 | 大分トリニータ / FC今治 |
|---|---|
| シュート数 | 14 / 13 |
| 枠内シュート数 | 4 / 3 |
| ボール支配率 | 51% / 49% |
| パス成功率 | 80% / 81% |
| コーナーキック | 6 / 3 |
シュート差は1本、枠内シュート差も1本。支配率の差は2ポイントで、パス成功率は今治が1ポイント上回った。
この組み合わせからは、大分だけがボールを動かし、今治が守備に専念したという単純な構図は導けない。少なくとも今治にも13本のシュートがあり、大分と近い数の攻撃をシュートで終えていた。
枠内率の差は、決定機の質まで説明しない
シュートに占める枠内シュートの割合を計算すると、大分は約28.6%、今治は約23.1%となる。いずれも公式記録の本数から算出した値だ。
大分は相手より1本多く枠を捉えたが、これだけで決定力が高かったとは評価しにくい。近距離のシュートと、遠い位置からGKの正面に飛んだシュートは、同じ「枠内1本」でも得点の難しさが異なるためだ。
今回の数字で比較できるのは、シュートの量と枠を捉えた回数まで。 決定機をどちらが多く作ったかを判断するには、打った位置、相手の寄せ、GKとの距離などを重ねる必要がある。1得点ずつという結果から、両チームの攻撃の質まで同じだったと結論づけることもできない。
同点弾の核心――今治のクリアで終わらなかったCK
大分が結果を変えた場面では、セットプレーの供給と、その後に残ったボールへの対応がつながった。
同点弾の起点は66分から出場していた清武のCKだった。最初のボールは立川にクリアされたが、ペレイラがエリア内からシュートを決めた。得点経過はJリーグ公式速報に記されている。
この場面を考えるうえで重要なのは、「一度クリアすること」と「相手の攻撃を終わらせること」は一致しないという点だ。今治は最初のボールを処理したものの、その後のシュートと失点を防げなかった。大分側から見れば、最初の配球が直接味方に届かなくても、続くプレーで得点できたことになる。
CK数は6対3だった。大分には今治の倍の回数があったが、それだけでセットプレー全般の完成度が高かったとまではいえない。それでも、そのうちの一度が85分の同点点につながった点は、今回の結果を説明する具体的な接点になる。
今治の守備を評価する際も、失点したという理由だけで試合全体を否定するのは適切ではないだろう。19分の先制後、85分まではスコアを動かされなかった。そのうえで、この失点場面では、クリア後の相手への対応を検証する余地がある。
66分の3枚替え――清武の関与は明確、交代全体の効果は別問題
大分の交代は同点点につながる選手をピッチに送り込んだが、3枚替えによって試合全体が好転したとまでは断定できない。
大分は66分に相澤デイビッド、有働夢叶、清武弘嗣を同時投入した。同点点は19分後の85分で、清武がその起点となるCKを蹴っている。
したがって、清武の投入と得点場面の間には、プレーとして確認できるつながりがある。一方、交代前後でシュート数や敵陣でのプレー時間がどう変わったかは、試合全体の集計だけでは分からない。相澤や有働の動きが相手の守備をどう変えたかについても、配置や映像を伴わずに説明を足すべきではない。
今治は81分、先制点に関与した古山と安部を下げ、森とウェズレイ タンキを投入。その4分後に失点した。
この時間的な近さは検証の入口にはなるが、交代が失点の原因だったことを示すものではない。投入選手にどの役割が与えられたか、CK時に誰がどこを担当したかが分からなければ、「交代で守備が崩れた」という評価は飛躍する。今治にとって見るべきなのは交代の有無だけでなく、失点につながった一連の守備で何が起きたかだろう。
両チームに残る論点――大分は得点経路、今治はリードの締め方
この1-1が示したのは、大分が終盤に追いつく手段を得点へ結びつけ、今治は先制を勝利まで持ち込めなかったという違いだ。
大分は14本のシュートを放ち、最後はCK後のプレーから1点を得た。今治は13本のシュートを放ち、19分の先制後に追加点は挙げられなかった。
大分の今後の検証点は、シュート数を増やすことだけでなく、ゴールに近い位置で打てる機会をどれだけ作れるかにあると考えられる。今回の同点場面のように、配球後も攻撃を続けて得点する形は、再現性を確かめたい要素だ。
今治については、追加点と終盤の失点回避を分けて考えたい。13本のシュートを打っていても、リードを広げる得点はなかった。一方で、試合全体の本数だけでは、「攻め続けた」「早く守りに入った」のどちらも決めつけられない。
公式速報には途中時点の累積シュート数も記載されている。ただし、その増減だけで交代の意図や失点場面の守備担当までは説明できない。この一試合だけから、その先の起用や順位争いへの影響も判断しない。
冒頭の問いに戻ると、大分が今治のリードを崩した直接の要因は、清武のCKがクリアされた後も攻防を終わらせず、ペレイラが得点したことだった。次に確かめたいのは、大分が同じように二度目のプレーを得点機会へつなげられるか。そして今治が、最初のボールを処理した後まで守り切れるかだ。










