ヴァンフォーレ甲府は、シュート数とボール支配率で徳島ヴォルティスを上回りながら、0-1で敗れた。2026年9月19日、JITリサイクルインクスタジアムで行われたJ2第7節。Jリーグ公式の試合終了サマリーでは、シュートは甲府11本・徳島3本、枠内シュートは0本・1本となっている。
試合を分けた場面は、60分から出場した徳島のトニー アンデルソンが74分に挙げた得点だった。 ただし、枠内シュートの差だけで90分間の攻防を説明し切ることはできない。保持した時間、シュート機会、選手交代を分けて整理すると、数字で確認できる差と、追加の映像確認が必要な部分が見えてくる。
この記事で分かること
- 試合結果と得点・交代・警告の時系列
- 終了時のスタッツから確認できる両チームの違い
- 交代と得点の時間的な関係、その解釈の限界
- 公式ページ内の数値差と、本稿で採用した集計
試合結果と公式記録
- 大会・節:明治安田J2リーグ 2026 第7節
- 開催日:2026年9月19日(土)、公式試合詳細の表示は19:00キックオフ
- 会場:JITリサイクルインクスタジアム
- 最終スコア:ヴァンフォーレ甲府 0-1 徳島ヴォルティス
- 得点:74分 トニー アンデルソン(徳島)
- 警告:22分 ヴァンフォーレ甲府の遠藤 光
- 退場:両チームともなし
- 入場者数:9,197人
- 天候:晴れのち曇り、気温27.1℃、湿度78%
前半は0-0で終了し、後半の1点が最終スコアになった。両チームとも退場者はいなかった。気温と湿度は当日の条件として押さえておきたいが、これらの数値だけから特定の選手の疲労や失点の原因を判断することはできない。
終了時スタッツ:機会の本数と枠内への到達を分けて読む
| 項目 | 甲府 | 徳島 |
|---|---|---|
| シュート | 11 | 3 |
| 枠内シュート | 0 | 1 |
| ボール支配率 | 55% | 45% |
| パス成功率 | 84% | 82% |
| コーナーキック | 1 | 0 |
※本稿はJリーグ公式の試合詳細ページに掲載された試合終了時の集計を採用した(パス成功率は同ページの整数表示)。同じ公式の速報のFull Time文章は、シュートの集計が試合終了表と一致しない。また、速報の試合中に「直近15分」として表示される支配率は、その時間帯だけの集計で、試合全体の集計とは範囲が異なる。本文では試合終了時の数値に統一している。
甲府はシュート数で8本、支配率で10ポイント上回った。ボールを持つ時間とシュートを記録した回数では甲府が優位だった一方、枠内シュートは徳島だけが記録している。枠内シュートとは、一般にゴールの枠を捉えたシュートを指すが、ブロックなどの扱いはデータの定義にも左右される。
したがって、甲府の枠内0本を「11本すべてが枠外」「GKが一度もボールに触れなかった」と言い換えることはできない。シュート位置、守備者の寄せ、ブロックの内訳まで分からなければ、精度だけが問題だったのか、打つ前の条件が厳しかったのかは判断できない。
パス成功率は甲府84%、徳島82%で、差は2ポイントだった。ただし、成功率はパスの距離や難度、位置を示すものではない。甲府がどれだけ敵陣へ前進できたか、徳島がどの区域で守ったかを、この比率だけから断定するのは避けたい。
セットプレーの数字が示す範囲
コーナーキックは甲府1本、徳島0本だった。少なくともCKの回数という点では、両チームとも多くの機会を得た試合ではない。
一方、CKが少ないことから、シュートがどの方向へ外れたか、どの位置から打たされたか、徳島が意図的にミドルシュートを誘ったかまでは分からない。フリーキックなどを含めたセットプレー全体の評価にも、別の内訳が必要になる。本稿では、CKの機会が限られていたという事実までを採用する。
徳島:60分の交代から14分後に生まれた得点
徳島の選手交代は次の通りだった。矢印の左が出場、右が交代で退いた選手である。
- 60分:トニー アンデルソン ← 渡 大生、重廣 卓也 ← 岩尾 憲
- 79分:宮崎 純真 ← 田中 隼人
- 86分:カイケ ← 柳澤 亘、鹿沼 直生 ← 高木 友也
トニー アンデルソンは出場から14分後の74分に得点した。途中出場した選手が決勝点を挙げたことは、交代と結果を結ぶ明確な事実である。
ただし、60分の2枚替えがどのような戦術変更を意図したのか、相手守備をどう変化させたのかは、交代記録だけでは確定できない。選手を入れ替えた後に得点したことと、その交代が得点のすべての原因だったことは分けて考える必要がある。
徳島はシュート3本に対して1得点という結果を残した。限られた機会を得点につなげた点は確認できる。ただし、シュート本数と得点だけで、各シュートの難度や機会の質を判断することはできない。
甲府:73分の3枚替えと74分の失点
甲府の交代は後半の終盤に集中していた。
- 73分:大島 康樹 ← 黒川 淳史、平塚 悠知 ← 佐藤 和弘、和田 拓也 ← 武井 成豪
- 79分:小林 岩魚 ← 山本 英臣
- 83分:佐藤 恵介 ← 小出 悠太
73分に3人を交代させ、記録上その翌分に失点した。その後、79分と83分に1人ずつ交代し、合計5人を入れ替えている。
ここで確認できるのは、3枚替えと失点が近接していたという時系列である。交代直後の連係や守備の受け渡しに問題があったかどうかは、失点場面の映像や当事者の説明を伴わなければ判断できない。交代を敗因と決め付ける材料にはしない。
甲府は最後まで得点を挙げられなかった。試合全体の枠内シュートも0本にとどまったが、交代選手個人の評価や、各交代の効果をこの集計だけで確定することはできない。
データから整理できる課題と好材料
甲府には、保持率とシュート機会の多さという材料が残った。一方で、得点に至らなかった攻撃を振り返るには、シュート前の選択肢や位置、相手守備の対応を確認する必要がある。本数を増やすことと、得点につながりやすい状況を作ることを分けて見るのが有用だ。
徳島は少ないシュートから1点を得て、無失点で終えた。途中出場のトニー アンデルソンが得点した点も結果として残る。ただし、この1試合をもって攻撃効率や守備の安定が今後も続くと予測することはできない。
公式には先発と交代の情報が掲載されているものの、本稿で用いた終了時集計だけでは、前後半それぞれの主導権の変化や各選手の貢献を十分に説明できない。ボール保持の場所、シュートの状況、試合中のコンディションを映像と合わせて確認する余地がある。
甲府0-1徳島という結果の背景には、シュート11-3と枠内0-1という異なる方向の数字が並ぶ。甲府が記録した機会の多さと、徳島が1点につなげた事実を両方押さえることが、この試合を理解する出発点になる。










