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2段階キャンプの成果は開幕で出るか ヴァンフォーレ甲府が清水で磨いた「継続」と「競争」

夏のトレーニング施設で練習に取り組む青いユニフォームのサッカー選手たち。

2段階キャンプの成果は開幕で出るか ヴァンフォーレ甲府が清水で磨いた「継続」と「競争」

ヴァンフォーレ甲府は、2026年6月29日から7月23日まで、静岡県の清水ナショナルトレーニングセンター(J-STEP)を拠点に2段階のキャンプを実施した。

最大のポイントは、百年構想リーグからチームを継続しながら、約3週間のキャンプで新シーズン仕様へ引き上げたことだ。7月19日のジュビロ磐田との練習試合では計150分で4得点を挙げた一方、キャンプ後の松本山雅FC戦では0-3。積み上げは見えたが、開幕へ持ち越した課題もはっきりした。

この記事で分かることは次の通りだ。

  • 1次・2次キャンプの日程と練習構成
  • 練習試合2試合から見える成果と課題
  • 渋谷洋樹監督の続投がキャンプに持つ意味
  • 2026/27シーズン開幕後に確認したいポイント
目次

甲府の夏季キャンプは「導入」と「実戦化」の2段階

1次キャンプで全体練習を始め、間隔を空けた2次キャンプで負荷と実戦性を高める構成だった。

クラブが6月12日に発表したキャンプ概要は以下の通り。

  • 1次キャンプ:2026年6月29日(月)〜7月5日(日)
  • 2次キャンプ:2026年7月14日(火)〜7月23日(木)
  • 開催地:清水ナショナルトレーニングセンター(J-STEP、静岡市清水区)
  • 全体練習開始:6月29日の1次キャンプ初日
  • 練習見学:実施予定。ただし変更・中止の可能性あり
  • ファンサービス:暑熱対策と安全確保のため実施せず

1次キャンプでは、7月1日、3日、4日に午前・午後の2部練習を組み、7月5日にはヴァンフォーレ甲府U-18とのトレーニングマッチを実施した。トップチームの始動直後にアカデミーとの実戦を置いた点は、選手の状態や組み合わせを確認する機会として重要だった。

2次キャンプも7月15日、17日、21日に2部練習を実施。7月19日には御前崎ネクスタフィールドへ移動し、ジュビロ磐田と45分、30分、45分、30分の計4本を戦った。

単に長期間滞在したわけではない。午前と午後に分けて練習量を確保する日、1部練習で負荷を調整する日、長時間の実戦を挟む日が組み合わされていた。

ここがポイント: 甲府のキャンプは、1次で新シーズンの土台を作り、2次で長時間の対外試合まで進める二段階設計だった。

ジュビロ磐田戦の4得点が示した選手層の確認

ジュビロ磐田との計150分は、主力候補だけでなく複数の組み合わせを試す実戦機会になった。

磐田公式が公表した7月19日の結果は、4本合計で甲府が4-2。内訳は次の通りだった。

  • 1本目(45分):1-1
  • 2本目(30分):0-0
  • 3本目(45分):2-1
  • 4本目(30分):1-0

甲府は4本のうち3本で得点し、無得点だった2本目も失点しなかった。得点者の氏名は磐田公式の記事で公表されていないため、個人評価には踏み込めない。それでも、選手を入れ替えながら行われたとみられる長時間の試合で、後半の2本から3得点を記録した事実は軽くない。

特に注目したいのは、3本目と4本目を連続して取ったことだ。疲労が蓄積する時間帯でも得点を重ね、最後の30分を無失点で終えた。開幕後には交代選手の働きが試合終盤を左右するため、キャンプで後半のメンバーにも長い実戦時間を与えられたことには意味がある。

一方、この結果だけで攻撃が完成したとは判断できない。練習試合は通常の公式戦より試合時間が長く、両チームが多くの選手や組み合わせを試す。見るべきなのは合計スコアだけではなく、公式戦に近いメンバーと90分の流れでも得点を再現できるかだった。

松本山雅FC戦の0-3で残った開幕前の宿題

キャンプの成果を公式戦に近い90分へ移す段階では、得点力と試合の入りに課題が残った。

甲府はキャンプ終了から2日後の7月25日、サンプロ アルウィンで松本山雅FCとのプレシーズンマッチに臨み、0-3で敗れた。失点は8分、30分、60分。前半の早い時間に先制を許し、反撃の得点を奪えないまま追加点を重ねられた。

ジュビロ磐田との長時間の練習試合では4得点。松本戦では無得点。この差は、次の論点を浮かび上がらせる。

  • 公式戦に近い90分で先発候補の攻撃をどう機能させるか
  • 先に失点した試合で、流れを変える攻撃を作れるか
  • キャンプで試した複数の組み合わせから、開幕の軸をどう選ぶか
  • 途中出場選手の力を、得点や試合展開の変化へ結びつけられるか

もちろん、プレシーズンマッチの1敗をリーグ戦の結末へ直結させることはできない。調整段階では負荷の影響もあり、試す内容が結果より優先される場合もある。

ただし、0-3という結果そのものは消えない。8月8日の開幕まで2週間を切った時点で、試合開始直後の守備と無得点に終わった攻撃を修正する必要があることは明確になった。

渋谷洋樹監督の続投で問われる「継続の質」

監督とスタッフが続投した甲府では、ゼロから戦術を教えるより、百年構想リーグで出た課題をどこまで具体的に改善できたかが問われる。

クラブは6月12日、渋谷洋樹監督とトップチームスタッフの続投を発表した。渋谷監督は、百年構想リーグで得た経験と成長の手応えを踏まえながら、悔しい戦いも糧にして積み上げを発展させる方針を示している。目標はJ2優勝とJ1昇格だ。

続投の利点は、選手の特徴や既存の約束事を共有した状態から始められることにある。短い準備期間でも、基本原則の説明に時間を取られず、プレーの精度や判断速度へ踏み込める。

一方で、継続は自動的な上積みを保証しない。同じ監督、同じスタッフで臨むからこそ、前期に機能しなかった局面を変えられなければ停滞と見られる。松本戦で表れた序盤の失点と無得点は、キャンプの練習量ではなく、改善を試合で再現する質を問う材料になった。

攻撃では内藤大和の再現性に注目

個人で注目したい一人がFW内藤大和だ。クラブ発表によると、内藤は百年構想リーグの地域リーグラウンドで10試合6得点を記録した。甲府のアカデミーを経てトップチームへ昇格した21歳のFWであり、新シーズンも継続して得点源になれるかが攻撃の基準になる。

大切なのは、内藤一人に得点を集中させることではない。相手が内藤への供給を消したときに、別の選手がゴール前へ入れるか。交代後も攻撃の脅威を維持できるか。磐田戦で複数の時間帯に得点できた形を、リーグ戦の90分へ落とし込む必要がある。

選手間競争は「出場」より「役割」で見る

キャンプの参加者全員や各練習の詳細な起用法は公表資料だけでは判別できない。したがって、特定のポジション争いの優劣を断定する段階ではない。

開幕後に確認したいのは、誰が先発したかだけでなく、各選手に何を任せたかだ。

  • 前線で起点を作る選手と背後へ走る選手の組み合わせ
  • 先制された後に投入される攻撃的な交代カード
  • 試合終盤のリードを守るための配置
  • 連戦時に先発を替えても維持したいプレー原則

キャンプで人数と組み合わせを試した成果は、こうした役割分担が実戦で機能して初めて見える。

開幕4試合でキャンプの成果をどう見るか

最初の1カ月は、異なる特徴を持つ相手に対して甲府が同じ強度と得点力を出せるかを測る期間になる。

Jリーグ公式の日程では、甲府の2026/27明治安田J2リーグは8月8日のアウェー・サガン鳥栖戦で開幕する。その後は以下のカードが続く。

  • 8月8日(土)19時30分:サガン鳥栖戦(アウェー)
  • 8月15日(土)19時:テゲバジャーロ宮崎戦(ホーム)
  • 8月22日(土)18時:ブラウブリッツ秋田戦(アウェー)
  • 8月29日(土)19時:北海道コンサドーレ札幌戦(ホーム)

8月26日には天皇杯2回戦の北海道コンサドーレ札幌戦も組まれており、月末は公式戦が詰まる。キャンプで複数の選手に実戦時間を与えた効果は、この連戦で表れやすい。

特に見るべきなのは3点だ。

  1. 試合の入り:松本戦で8分に失点した反省を、開幕戦で修正できるか。
  2. 得点の分散:内藤を軸にしつつ、別の選手もゴールへ関われるか。
  3. 交代後の強度:磐田戦の後半2本で得点した流れを、公式戦の終盤でも再現できるか。

練習見学や今後の予定は、天候やチーム事情で変更される場合がある。現地へ足を運ぶ際は、ヴァンフォーレ甲府公式サイトのスケジュールと公式SNSで直前の情報を確認したい。

清水で積んだ練習量は十分に多かった。次に必要なのは、その量を勝点へ変えることだ。まずは鳥栖との開幕戦で、序盤を無失点で進められるか。そして磐田戦で見せた複数の得点経路を、90分の公式戦で一つでも再現できるかが最初の判断材料になる。

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