試合開始2分、閑田隼人のゴールでFC岐阜が先制する。そこから雨の四国化成MEGLIOスタジアムで、計7ゴールが入る打ち合いになった。
カマタマーレ讃岐は10分と27分に決めて一度は逆転した。しかし岐阜は32分と44分に返して前半を3-2で折り返し、60分には閑田がこの日3点目を決めた。讃岐は87分に1点差まで迫ったが、最終スコアは讃岐3-4岐阜。
シュート数は讃岐16本、岐阜10本。コーナーキックは讃岐14本、岐阜4本。数字の上では攻めていたのは讃岐なのに、なぜ勝てなかったのか。答えを先に書くと、岐阜は少ないシュートを確実に枠へ飛ばしてゴールにつなげ、讃岐にリードを奪われてもすぐに取り返した。 この記事では、その2点を公式記録の数字から順に見ていく。
この試合の要点
- 明治安田J3リーグ 2026 第8節(2026年9月26日)、讃岐3-4岐阜でアウェイの岐阜が勝利
- 閑田隼人(FC岐阜)が2分、32分、60分に決めてハットトリック
- 讃岐はシュート16本・枠内8本・CK14本と、本数では岐阜を上回った
- 岐阜はシュート10本・枠内7本で4得点。ボール支配率59%、パス成功率75%
- 讃岐が2-1と逆転してから岐阜が追いつくまで、わずか5分だった
試合の記録:7ゴールの打ち合いは、まず数字で押さえる
先に、公式記録で確認できる事実をまとめておく。勝敗の分析はこのあとで行う。
- 大会:明治安田J3リーグ 2026 第8節
- 開催日:2026年9月26日
- 会場:四国化成MEGLIOスタジアム(カマタマーレ讃岐のホーム)
- 最終スコア:カマタマーレ讃岐 3-4 FC岐阜
- 入場者数:1,652人
- 天候:雨
得点経過
リードは2回入れ替わった。一番動いたのは前半の27分から44分までの時間帯だ。
- 2分:閑田 隼人(FC岐阜) 0-1
- 10分:米澤 令衣(カマタマーレ讃岐) 1-1
- 27分:佐野 竜眞(カマタマーレ讃岐) 2-1
- 32分:閑田 隼人(FC岐阜) 2-2
- 44分:北 龍磨(FC岐阜) 2-3
- 60分:閑田 隼人(FC岐阜) 2-4
- 87分:村上 悠緋(カマタマーレ讃岐) 3-4
選手交代
交代は讃岐が5人、岐阜が5人。讃岐は後半の頭から手を打ち、岐阜は60分にまとめて2人を入れ替えた。
カマタマーレ讃岐
- 後半開始時:イ ギサン → 波本 頼
- 61分:國分 将 → 淺田 彗潤
- 65分:米澤 令衣 → 村上 悠緋
- 65分:禹 相皓 → 牧山 晃政
- 81分:後藤 優介 → 森川 裕基
FC岐阜
- 60分:松井 匠 → 鈴木 陽人
- 60分:泉澤 仁 → 北島 郁哉
- 76分:北 龍磨 → 外山 凌
- 76分:閑田 隼人 → 浅田 大翔
- 88分:大串 昇平 → 甲斐 健太郎
警告・退場
退場者は出ていない。公式記録の警告は6件で、すべて67分以降に出た。このうち2件はベンチのスタッフへの警告で、選手への警告は讃岐1枚、岐阜3枚(公式チームスタッツ)だった。
- 67分 警告:林田 魁斗(カマタマーレ讃岐)
- 69分 警告:北島 郁哉(FC岐阜)
- 83分 警告:浅田 大翔(FC岐阜)
- 90分 警告:五十嵐 盤作(カマタマーレ讃岐、スタッフ)
- 90分 警告:春名 竜聖(FC岐阜)
- 90+4分 警告:立田 岳矢(FC岐阜、スタッフ)
スタッツ:讃岐は本数で勝ち、岐阜はボールと効率で勝った
主要スタッツを見ると、両チームの数字ははっきり逆を向いている。
| 項目 | カマタマーレ讃岐(ホーム) | FC岐阜(アウェイ) |
|---|---|---|
| シュート | 16 | 10 |
| 枠内シュート | 8 | 7 |
| ボール支配率 | 41% | 59% |
| パス成功率 | 63% | 75% |
| コーナーキック | 14 | 4 |
対照的なのは次の2組だ。
- 讃岐が多かった数字:シュート(16本対10本)、枠内シュート(8本対7本)、コーナーキック(14本対4本)
- 岐阜が高かった数字:ボール支配率(59%対41%)、パス成功率(75%対63%)
支配率の差は18ポイント、パス成功率の差は12ポイント。ボールを持っていたのは岐阜で、ゴール前まで運んでシュートを打った回数は讃岐が多かった。どちらか一方が試合を支配したのではなく、それぞれが別の数字で上回った試合だった。
勝敗を分けた要因:讃岐の「量」を、岐阜の「精度」と「速さ」が上回った
結論から言えば、讃岐はシュートの数で岐阜を圧倒したが、岐阜は枠内シュートの多くを得点にし、讃岐のリードを長く続かせなかった。ここでは3つの対抗関係に分けて見ていく。
1. 讃岐のシュート16本に対して、岐阜は枠内7本から4点
この試合で一番大きい要因はここだ。公式スタッツから計算すると、両チームの効率は次のようになる。
- 讃岐:シュート16本→枠内8本→3得点(シュートの半分が枠内、枠内シュートの得点率は37.5%)
- 岐阜:シュート10本→枠内7本→4得点(シュートの7割が枠内、枠内シュートの得点率は約57%)
枠内シュートの本数はほとんど変わらない(8本対7本)。違ったのは枠外へのシュートの数だ。讃岐は8本が枠を外れ、岐阜は3本だった。讃岐はたくさん打ったが、そのうちGKに向かったのは半分だった。
ここからは数字をもとにした解釈になる。岐阜は打つ本数を絞り、枠に飛ぶ状況まで待ってから打っていた可能性がある。一方で讃岐は、支配率41%と相手よりボールを持つ時間が短いなかで、遠めの位置や体勢が十分でない状況からも打っていたことが考えられる。ただし、シュートの位置や種類は今回のスタッツに含まれていない。この見方を裏付けるには映像やより細かいデータが必要だ。
その中心にいたのが閑田隼人だ。岐阜の4点のうち3点を決め、2分、32分、60分と試合の節目ごとにゴールを奪った。公式の試合速報によると、閑田の3得点はいずれもペナルティエリア内からの右足で、32分のゴールは右CKを短くつないだ流れからだった。
2. 讃岐の逆転に対して、岐阜は5分で追いつき、前半のうちに勝ち越した
2つ目の要因は得点のタイミングだ。
讃岐は2分に先制されたが、10分に米澤令衣が追いつき、27分に佐野竜眞のゴールで逆転した。ホームで試合をひっくり返し、主導権を握れる流れだった。
しかしリードは5分しか続かなかった。32分に閑田が2-2とし、44分には北龍磨が勝ち越した。北のゴールは前半終了直前で、讃岐はハーフタイムを1点ビハインドで迎えることになった。
讃岐は後半開始と同時にカマタマーレ讃岐の波本頼がイギサンに代わって入った。公式の戦評によると、波本はディフェンスラインを統率したとされる。
3. 讃岐の後半の交代攻勢に対して、岐阜は60分の4点目で差を広げた
讃岐は後半、早めに選手を入れ替えた。後半開始時に1人、61分に1人、65分に2人。65分の時点で4人を交代させている。
その手前の60分、閑田がハットトリックとなるゴールを決めてスコアは2-4になった。同じ60分にはFC岐阜の鈴木陽人と北島郁哉も途中出場している。讃岐にとっては、2点差を追う状況で交代策を続けることになった。
65分に入ったカマタマーレ讃岐の村上悠緋は、87分に直接フリーキックを決めた。途中出場の選手の得点で1点差に迫ったが、同点には届かなかった。
警告はすべて67分以降に出ている。選手への警告は岐阜が3枚、讃岐が1枚だった。ただし、ファウル数は岐阜5、讃岐7で、岐阜のほうが少ない。それぞれの警告がどんな場面で出たのかは記録からは分からない。
別の読み方:CK14本とパス成功率63%をどう見るか
ここまでは「岐阜の効率が勝敗を分けた」という見方で整理してきた。ただ、同じ数字から別の読み方もできる。
讃岐はセットプレーの機会を得点に変えきれなかった
讃岐はコーナーキックで14本と岐阜を大きく上回った。公式の試合速報と戦評を見ると、讃岐の3得点はボレー、クロスからのヘディング、直接フリーキックで、CKからの得点の記載はない。14本のCKを得点に結びつけられなかったことになる。一方の岐阜は、4本のCKのうちの1本の流れから得点している。
パス成功率の差はスタイルの違いかもしれない
讃岐のパス成功率63%は、岐阜の75%を12ポイント下回った。ただし、パス成功率が低いことをそのまま「プレーの質が低い」と言い切ることはできない。前線へ速く、長いボールを送るチームはパス成功率が下がりやすい。讃岐のシュート数の多さとあわせて考えると、ボールを持つ時間を短くしてゴール前へ早く運ぶ形だった可能性もある。雨の中での試合だったことが両チームのパス選択にどう影響したかも、記録だけでは分からない。
1試合で決まった差なのか
讃岐の枠内シュート8本で3点、岐阜の7本で4点という差は、1点分の違いでもある。決定力の差が両チームの実力差なのか、この試合で起きた偏りなのかを、1試合だけで決めることはできない。比べるなら、両チームが次の試合以降も同じような効率を続けるかを見る必要がある。
この試合が示すもの:讃岐は「打った数」を「入った数」に、岐阜は「取り返す力」を続けられるか
最初の問いに答えると、勝敗を分けたのは岐阜が枠内シュートの多くをゴールにした精度と、讃岐の逆転から5分で追いついた反応の速さだった。讃岐はシュート、枠内シュート、CKのすべてで岐阜を上回り、交代で入った村上悠緋のゴールで最後まで迫った。それでも、前半の27分から44分に起きた逆転と再逆転を取り戻すことはできなかった。
岐阜にとっては、支配率59%でボールを持ちながら、10本のシュートで4点を取った試合だった。閑田隼人がハットトリックを決め、北龍磨も得点した。複数の選手がゴールを決めたことは、次の試合に向けた明るい材料になる。一方で、讃岐に16本のシュートと14本のCKを許し、3失点したことも記録に残っている。
Jリーグ公式の見どころによると、試合前の讃岐は5連敗中で最下位、岐阜は3連敗中で9位だった。公式の戦評によると、讃岐はこの敗戦でJ3でのクラブワーストとなる6連敗となった。岐阜は連敗を3で止めた。試合後の順位はJリーグ公式の順位表で確認してほしい。
次に見るべきポイント
- 讃岐のシュートの精度:16本中8本が枠外だった。次の試合以降で枠内の割合が上がるか
- 讃岐のCKの使い方:14本の機会をどれだけ得点に結びつけられるか
- 岐阜の被シュート:支配率で上回りながら多くのシュートを打たれた試合の後、被シュートを減らせるか
- 閑田隼人の得点ペース:ハットトリックの勢いを次の試合でも続けられるか
- 終盤の警告:岐阜は選手3人が警告を受けた。累積警告による出場停止がある場合は、公式発表で確認したい








