MENU

栃木シティ18本、今治11本。それでも1-2を分けた前半の5分間

サッカーのピッチとボールを描いた試合分析のイメージ。

栃木シティ18本、今治11本。それでも1-2を分けた前半の5分間

開始3分に先制し、シュート数でも上回った栃木シティに対し、FC今治はどこで勝敗を動かしたのか。答えは、菊地 健太が同点にした18分から、エジガル ジュニオが逆転した23分までの5分間にある。

2026年10月3日、CITY FOOTBALL STATIONで行われた明治安田J2リーグ 2026 第9節は、栃木シティ1-2FC今治で終了した。栃木シティのシュート18本に対し、今治は11本。打った本数と、実際にスコアを変えた得点を分けて読むことが、この試合の評価につながる。

  • 栃木シティは3分に先制。今治が18分、23分の得点で逆転した。
  • シュートは18対11だが、枠内シュートは5対4。差の大きさは同じではない。
  • 後半は双方無得点。交代後も、前半に成立したスコアは変わらなかった。
目次

勝敗の分岐は、先制後に今治が続けて決めた2得点

今治は前半のうちに栃木シティの先制を覆し、そのリードを最終結果につなげた。

Jリーグ公式の試合記録による得点経過は次の通り。スコアは栃木シティを左側に表記している。

  • 3分:吉田 篤志(栃木シティ)/1-0
  • 18分:菊地 健太(FC今治)/1-1
  • 23分:エジガル ジュニオ(FC今治)/1-2

吉田の得点で栃木シティが先にリードを得たものの、菊地の得点でその優位はなくなった。さらにエジガル ジュニオの得点により、23分には追う側と追われる側が入れ替わった。その後、両チームに追加点はなかった。

この経過からは、今治が同点に追いつくだけで終わらず、短い間隔でもう一度スコアを動かしたことが、結果を分けた直接の要因と考えられる。栃木シティにとっては、早い先制を勝利につなげるまでに、二つの失点を許したことが重かった。

ただし、得点時刻だけでは、今治が同じ攻撃を繰り返して守備を崩したのか、異なる局面から得点したのかまでは判断できない。逆転が起きた時間と、その逆転を生んだ戦術的な原因は分けて考える必要がある。

シュート7本差でも、枠内の差は1本だった

栃木シティが多くのシュートを記録したことと、今治が多くの得点を挙げたことは、どちらもこの試合の重要な事実だ。

項目 栃木シティ(ホーム) FC今治(アウェイ)
シュート 18 11
枠内シュート 5 4
ボール支配率 51% 49%
パス成功率 67% 61%
コーナーキック 5 2

全試合のシュートは栃木シティ18本、今治11本。栃木シティが7本上回った。一方、枠内シュートは栃木シティ5本、今治4本で、差は1本だった。コーナーキックも栃木シティ5本、今治2本となっている。

栃木シティの「打つ回数」は、得点差を覆すには至らなかった

栃木シティは今治より多くのシュートを記録したが、得点は開始3分の1点だった。今治は11本のシュートから2得点を記録した。

栃木シティについては、攻撃をシュートで終える回数を確保できた点は評価材料になると考えられる。ただ、その本数の差ほど枠内シュートの差は広がっておらず、シュート数だけを根拠に「決定的な好機を圧倒的に多く作った」と評価するのは難しい。

枠内シュートとは、ゴールの枠を捉えたシュートのことだ。近距離からの一撃も、遠い位置からのシュートも同じ1本として数えられる。したがって、枠内5本対4本は、決定機5回対4回を意味しない。

栃木シティの課題を考えるなら、単に「もっと打つ」よりも、すでに記録した18本をどのような位置や状況から放ったのかが焦点になるだろう。シュートの量は確認できるが、それぞれの得点しやすさまでは、この集計から読み取れない。

今治の2得点を、好機の質の高さまで広げて評価できるか

今治は栃木シティより少ないシュート数で、より多くの得点を挙げた。得点者は菊地とエジガル ジュニオの2人だった。

この試合では、今治がシュートを得点に結びつけた結果が勝利を支えたと考えられる。しかし、それだけで「今治の好機はすべて質が高かった」「両チームの決定力には恒常的な差がある」とまでは判断できない。

栃木シティの18本を低く評価する必要も、今治の11本を不足と扱う必要もない。比較の核心は本数の順位ではなく、今治が18分と23分に実際に得点し、栃木シティが先制後に得点を加えられなかった点にある。

保持率とパス成功率は、栃木シティの全面的な優位を示すか

ボール保持率とパス成功率では栃木シティが上回ったが、それをそのまま試合全体の支配に置き換えることはできない。

全試合のボール保持率は栃木シティ51%、今治49%。パス成功率は栃木シティ67%、今治61%だった。

保持率からは、両チームのボールを持つ割合に大きな開きがなかったと考えられる。栃木シティのシュート数の多さを「長時間ボールを独占した結果」と説明するには、この51%対49%だけでは足りない。

パス成功率についても、栃木シティが上回ったという比較はできる。ただし、パスが通った場所や方向は、この割合に表れていない。自陣でつないだパスと、相手ゴールに近づくための難しいパスでは、成功した際の意味が異なる。

ここでは二つの読み方を残す必要があるだろう。

  • 栃木シティは、より高いパス成功率と多いシュート数を記録したものの、追加点には結びつかなかった。
  • 今治は、その二つの数字では下回りながら、前半に2得点を挙げて勝った。

また、いずれも全試合の集計だ。栃木シティがリードしていた時間、同点の時間、今治がリードしていた時間を合算している。この数値を使って、逆転前後や後半だけの主導権を断定することはできない。

後半の交代は、1-2を変えるには至らなかった

両チームは後半に選手を入れ替えたが、交代後も得点は生まれなかった。

栃木シティは59分から交代を始め、77分までに5人を投入した。先制点を挙げた吉田も77分に交代している。

栃木シティの交代

  • 59分:山下 敬大 → 升掛 友護
  • 69分:森 俊貴 → 加藤 大、小池 裕太 → バスケス バイロン
  • 77分:西谷 和希 → 岡庭 裕貴、吉田 篤志 → 平岡 将豪

FC今治の交代

  • 75分:森 晃太 → 馬越 晃、エジガル ジュニオ → ウェズレイ タンキ
  • 85分:駒井 善成 → 山田 貴文

栃木シティは同点を目指すスコア、今治はリードを持つスコアで交代を行った。ただし、記録が示すのは選手の入れ替わりと時刻であり、個々の交代の狙いや配置変更までは示していない。

そのため、栃木シティの交代を一律に「攻撃を強める策」、今治の交代を「守備固め」と説明することは避けたい。追加点がなかった結果から、交代が無効だった、あるいは失点を防ぐ効果があったと決めることもできない。

今治は83分以降、数的不利でもリードを守った

アレクサンダル パロチェヴィッチ(FC今治)の公式記録は次のとおり。

時刻 記録
53分〈後半8分〉 警告
83分〈後半38分〉 2回目の警告による退場

栃木シティのペドロ アウグストは61分〈後半16分〉に警告を受けた。栃木シティには退場者がいなかった。

今治は数的不利になった後も1点のリードを守り、追加失点せずに試合を終えた。退場は逆転の2得点より後に起きているため、得点を生んだ原因と終盤にリードを守った条件は分けて読む必要がある。

ただし、ここで扱うスタッツは試合全体の集計であり、退場前後の内訳は示していない。退場がシュート数や保持率に与えた影響を、合計値だけで切り分けることはできない。

後半について結果から評価できるのは、今治が追加失点せずに終え、栃木シティが同点に戻せなかったことだ。そこから特定の交代選手の貢献や責任まで結論を広げるには、個別のプレーを見る必要がある。

栃木シティの量と、今治の逆転を分けて評価する

この試合を分けたのは、シュート本数の優劣ではなく、今治が18分と23分に先制を覆したことだった。

栃木シティは開始3分に得点し、全試合でシュート18本、枠内5本を記録した。それでも先制後の追加点はなく、今治の2得点を上回れなかった。

栃木シティには、シュートに至る回数を得点へつなげる余地があると考えられる。一方、今治の評価すべき点は、先制を許した試合で前半のうちに逆転し、そのスコアで終えたことだ。勝利したからといって、保持やパス、シュートのすべてで優位だったと解釈する必要はない。

試合を振り返る際の焦点は、次の二つに絞られる。

  • 栃木シティ: 18本のシュートのうち、追加点につながり得る好機をどれだけ作れていたか。
  • FC今治: 18分と23分の得点を生んだ攻撃と、逆転後に追加失点を防いだプレーは何だったか。

得点記録は勝敗の分岐を示し、全試合のスタッツはその結果を別の角度から照らす。次に確かめたいのは、栃木シティのシュートの多さと、今治の2得点をつないだ具体的な局面だ。

参照リンク

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次