鹿島、柏に2-3で敗戦――シュート総数と枠内本数の差、59分の追加点
24本のシュートを放った鹿島アントラーズが、11本の柏レイソルに敗れた。2026年10月24日、メルカリスタジアムで行われた2026/27明治安田J1リーグ第12節は、柏が3-2で勝利した。
なぜ、シュート数で上回った鹿島が勝てなかったのか。記録から読み解く鍵は、枠内シュートでは柏が6本対4本で上回ったことと、逆転後の59分に追加点を挙げたことにある。鹿島の88分の追撃を受けても、柏には1点のリードが残った。
- 鹿島は14分に先制したが、柏が35分、45+1分に得点して逆転。
- 柏の山内日向汰が59分にも得点し、この日2得点を記録した。
- 鹿島はシュート数、ボール支配率、CKで上回った一方、枠内シュート数では柏が優位だった。
先制した鹿島に対し、柏は逆転と追加点で応えた
柏は前半終了間際にリードを奪い、後半に点差を広げて勝利した。
Jリーグ公式の試合記録による得点経過は次の通り。スコアは鹿島―柏の順に示す。
- 14分:徳田誉(鹿島アントラーズ)/1-0
- 35分:遠藤渓太(柏レイソル)/1-1
- 45+1分:山内日向汰(柏レイソル)/1-2
- 59分:山内日向汰(柏レイソル)/1-3
- 88分:チャヴリッチ(鹿島アントラーズ)/2-3
鹿島は先制したものの、前半のうちに同点、逆転を許した。後半も柏が先に得点し、鹿島が次に得点したのは88分だった。
この順序を踏まえると、柏の59分の得点は勝敗を読むうえで重い。最終的に鹿島が1点を返しているため、柏にとっては逆転後に積み上げた3点目が、追撃を上回る差になったと考えられる。
ただし、得点時刻だけで守備の崩れ方までは説明できない。前半終了間際の失点を集中力の問題と決めつけたり、59分の得点を特定の戦術の成功と断定したりする根拠にはならない。
シュートの量では鹿島、枠内へ届いた本数では柏
試合全体の集計では、鹿島の攻撃量と柏の枠内シュート数が異なる方向を示した。
| 項目 | 鹿島アントラーズ(ホーム) | 柏レイソル(アウェイ) |
|---|---|---|
| シュート | 24 | 11 |
| 枠内シュート | 4 | 6 |
| ボール支配率 | 59% | 41% |
| パス成功率 | 81% | 76% |
| コーナーキック | 9 | 2 |
鹿島はシュート24本、柏は11本。ボール支配率も鹿島59%、柏41%で、CKは鹿島9本、柏2本だった。パス成功率も鹿島81%、柏76%と、これらの数値では鹿島が上回った。
ところが、枠内シュートは鹿島4本に対して柏6本だった。鹿島は多く打ち、柏はより多く枠内へ届けた。 シュート数だけを見て鹿島の攻撃が全面的に優勢だったと評価すると、この違いを落としてしまう。
鹿島の課題は「24本も打った」の先にある
鹿島は2得点を挙げた一方、24本のシュートに対して枠内は4本だった。
この組み合わせからは、攻撃回数を増やすことに加え、枠内へ運ぶまでの過程を検討する必要があると考えられる。どこから打ったのか、相手の圧力をどれだけ受けていたのか、打つ前に別の選択肢があったのか。改善点を特定するには、そうした場面の確認が必要になる。
枠内が少ないことを、そのままシュート技術だけの問題にするのも早い。シュート位置や守備者の配置が分からない以上、個人の精度と、打ちやすい状況をつくる攻撃の両方を検討対象に残すべきだろう。
柏の6本は勝利を支えるが、一方的な試合の証明ではない
柏は鹿島より少ないシュート数で、枠内シュートと得点の両方を上回った。一方、鹿島にも先制点と終盤の得点を許した。
柏の攻撃を評価する根拠はある。ただし、枠内シュートは決定機と同じ意味ではなく、6本という数字だけで得点機会の質まで比較することはできない。また、2失点している以上、鹿島の攻撃を封じ切ったという評価にもならない。
さらに、ここで使っているのはすべて試合全体の集計だ。鹿島がリードしていた時間と追っていた時間、柏が逆転する前と後に、それぞれ何本を記録したかは分からない。保持率の差を、試合開始から終了まで変わらない主導権の差として扱うことは避けたい。
交代で追った鹿島と、得点者を下げて勝ち切った柏
交代記録で結果とのつながりが明確なのは、鹿島が後半開始時に投入したチャヴリッチが88分に得点したことだ。
両チームの交代は以下の通り。「→」は退いた選手から入った選手を示す。
鹿島アントラーズの交代
- 後半開始時:徳田誉 → チャヴリッチ、津久井佳祐 → 小池龍太
- 62分:柴崎岳 → マテウス・ブエノ、林晴己 → エウベル
- 78分:小川諒也 → 吉田湊海
鹿島は1-2で迎えた後半開始時に2人を交代し、1-3となった後の62分にも2人を入れ替えた。チャヴリッチは終盤に点差を縮めた。
交代選手が得点したことは、鹿島の反撃を評価する具体的な材料になる。ただし、後半開始から得点までは時間があり、その間に柏の追加点も入っている。チャヴリッチの得点だけをもって、交代全体が試合の流れを変えたとまでは判断できない。
柏レイソルの交代
- 後半開始時:垣田裕暉 → 細谷真大
- 51分:古谷柊介 → 久保藤次郎
- 60分:遠藤渓太 → 弓場堅真、山内日向汰 → 瀬川祐輔
- 90分:戸嶋祥郎 → 小西雄大
柏は59分に3点目を挙げた直後の60分に、得点者の遠藤と山内をともに交代させた。その後、88分に失点したものの、リードを保って試合を終えた。
得点者を下げた後も勝ち切った点は押さえられるが、交代の目的を守備固めや疲労対策と決めることはできない。鹿島公式の10月23日付プレビューは、両クラブがAFCチャンピオンズリーグElite 2026/27と並行する過密日程にあると説明していた。ただし、その日程条件と今回の交代判断を直接結び付ける材料はない。
警告は39分の中川敦瑛(柏レイソル)。この記録だけから、警告が逆転や追加点を生んだ原因になったとは判断できない。
清水のサポーターが押さえたい、両クラブの評価軸
清水エスパルスの側から両クラブを見る際も、この試合では鹿島の攻撃量と柏の得点につながった実績を分けて捉えたい。
鹿島公式の試合前プレビューでは、鹿島が6位、柏が勝ち点2差の5位だった。上位を争う近い位置の直接対決で、柏が勝ち点3を獲得した。
その勝利を説明する中心は、単に「少ないシュートで勝った」ことではないと考えられる。柏は先制されても前半のうちに逆転し、後半にも加点した。枠内シュート数でも上回っており、鹿島の攻撃量に耐えただけという読み方では、柏が攻撃で残した成果を小さく扱ってしまう。
一方、鹿島には先制と途中出場選手による追撃がある。敗戦したから攻撃の成果がなかったわけではなく、24本を放った攻撃を、より多く枠内へ結び付けられたかが検討点になる。
清水との対戦にそのまま当てはめられる対策まで、この1試合で決まるわけではない。両クラブを見る際の焦点は、次の2点に絞れる。
- 鹿島: シュート数やCKの多さに加え、相手の圧力を受けながら枠内へ打てる状況をつくれているか。
- 柏: 保持率の大小に加え、枠内シュートと得点を積み上げられているか。
24本対11本でも結果が2-3になった理由は、攻撃量だけでは捉え切れない。記録からは、柏が枠内シュートで上回り、逆転後にも得点して鹿島の追撃を上回ったことが鍵だったと考えられる。鹿島の4本、柏の6本がそれぞれどんな状況から生まれたのか。そこが、スコアの先を読む次の確認点になる。










