松本は前へ出る攻撃を取り戻せるか 金沢戦の鍵は「相手を見て選ぶ」判断
前からボールを奪いに行き、クロスや守備陣の背後へのパスでゴールへ迫る。松本山雅FCが金沢戦で攻撃の持ち味を取り戻すには、その積極性を、相手の出方に合わせた判断と結びつけることが鍵になりそうだ。
11月7日14:30、サンプロ アルウィンで迎えるツエーゲン金沢戦。松本が前へ出る姿勢と相手への対応をどう両立させるかに注目したい。金沢にも、リーグ戦2試合で計9得点を挙げた攻撃を、前節の無得点から立て直すという課題がある。
- 松本は前節の讃岐戦に0対1。中3日でホームに戻る。
- 松本の注目点は、前からの守備と背後を狙う攻撃を、金沢の対応に合わせられるか。
- 金沢は直近のリーグ戦3試合で、2試合計9得点の連勝から、長野戦の0対2へ。攻撃の再現が焦点になる。
前節はともに無得点、攻撃を立て直す一戦
両チームとも、直前のリーグ戦で得点できずに敗れている。
今回の開催情報は次のとおり。
- 大会・シーズン・節:2026/27明治安田J3リーグ 第16節
- 対戦:松本山雅FC vs ツエーゲン金沢
- 開催日:2026年11月7日(土)
- キックオフ:14:30
- 会場:サンプロ アルウィン
松本は前節、アウェーの讃岐戦に0対1で敗れた。リーグ戦では第8節の栃木SC戦から第15節まで、勝利と敗戦を交互に重ねている。今回は前節から中3日でのホームゲームとなる。
金沢は第13節の滋賀戦と第14節の群馬戦で計9得点を挙げ、リーグ戦2連勝。しかし、前節はホームで長野に0対2で敗れ、連勝が止まった。Jリーグ公式の試合ページに掲載された見どころが、両チームのこうした経過を伝えている。
松本には勝利を続けられていない経過があり、金沢には大量得点の直後に無得点で敗れた経過がある。ただ、結果だけで今回の攻撃内容まで予測するのは難しい。見るべきなのは、前節のスコアをどう忘れるかではなく、相手に応じてゴールへ迫る形をどう選ぶかだろう。
松本の積極性は、金沢の守り方に合わせてこそ生きる
松本の改善を測るには、前へ出る回数だけでなく、相手に合った攻め方を選べるかを見たい。
Jリーグ公式の見どころを執筆した板倉就五氏は、讃岐戦の松本について、守備を固めた相手を攻略できず、攻撃の勢いにも欠けたと評価している。一方、金沢戦に向けては、前線からの守備に加え、クロスや相手守備陣の背後を狙う攻撃を挙げている。
ここで、前節の課題と今回の相手の特徴は分けて考えたい。金沢が讃岐と同じように引いて守るとは限らない。松本が背後を狙えるかどうかも、金沢の守備陣がどの位置に立つかで変わるはずだ。
本記事では、積極性を保ちながら、使える場所を選び直せるかが松本の攻撃を左右すると考える。背後へ走る選手がいても、そこへの道が閉じていれば別の選択が必要になる。逆に、相手の守備陣が前へ出た場面では、背後を狙う判断を遅らせたくない。
安永玲央が出場するなら、攻撃の方向をそろえる役割に注目
安永玲央は右足のけがから復帰し、第14節の福島戦で先発した。板倉氏は安永について、攻撃を組み立てる働きに加え、相手の意図を読み取ってチームの狙いを調整する役割を説明している。
また、松本は前節の讃岐戦で、福島戦から先発8人を変更している。
安永が今回出場する場合には、ボールを前へ運ぶプレーだけでなく、周囲と攻める方向を共有できるかにも注目したい。中3日で迎える試合だからこそ、誰が出るかとともに、出場する選手同士で狙いをそろえられるかが論点になりそうだ。
ただし、福島戦での先発は、金沢戦の出場を保証するものではない。今回の起用は試合当日のメンバー発表で確かめたい。
金沢は榊原杏太を攻撃に関与させられるか
金沢側から見ると、松本の前からの守備に対して、得点を担う選手へ攻撃をつなげられるかが焦点になりそうだ。
金沢の榊原杏太は、対象リーグ第15節終了時点でチーム最多タイの5得点を挙げている。板倉氏の見どころでは、シャドーを担う選手として紹介されている。シャドーとは、最前線の選手の後方を中心に攻撃へ関わる役割を指す。
榊原を取り上げたいのは、役割だけでなく、実際にチームの得点を担ってきた選手だからだ。出場するなら、金沢が榊原へどのようにボールを届け、ゴールへ向かうプレーに関与させるかが見どころになるだろう。
これは松本の攻め方とも切り離せない。松本が前から奪いに行く場面で、金沢がその守備を越えて攻撃をつなげられれば、松本は追い方や選手間の距離を調整する必要が出てくると考える。反対に、金沢が前進できなければ、榊原の得点実績だけで攻撃の優位を見込むことはできない。
2試合計9得点は金沢の実績だが、前節は無得点だった。大量得点を再現できるかは、今回の相手とのかみ合わせ次第だろう。過去の得点数から、松本戦でも攻撃が機能すると決めつけることは避けたい。
見立ては「前へ出る」と「選び直す」の両立
松本が攻撃を立て直す鍵は、前へ出る姿勢を強めるだけでなく、金沢の対応を見て狙いを選び直すことにあると考える。
その根拠は、板倉氏が示した前線からの守備、クロス、背後を狙う攻撃という展望と、安永に期待される試合中の調整役だ。積極性と判断が結びつけば、前節とは異なる形でゴールに迫る可能性がある。
一方の金沢には、直近のリーグ戦2連勝で計9得点を挙げた実績と、その次の長野戦では得点できなかった結果がある。榊原が出場する場合、その攻撃参加を松本の守備に対してどう成立させるかが、金沢側の答えになるだろう。
勝敗を決め打ちするより、試合では次の3点を追いたい。
- 松本は、金沢の守備位置に応じてクロスと背後への攻撃を選べるか。
- 松本の前からの守備に対し、金沢は得点を担う選手まで攻撃をつなげられるか。
- 最初の狙いが通らないとき、両チームは試合中に攻め方を変えられるか。
松本に必要なのは、前へ出たという手応えを、ゴールへ迫る形につなげることだろう。金沢がその狙いをどう受け止め、攻撃へ転じるか。立ち上がりの勢いと、その後の修正を続けて見たい。
