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マチン新監督が最初に守るべきもの C大阪の3位を支えた「得点経路の多さ」

複数の選手がゴール前へ走り込むセレッソ大阪の攻撃イメージ。

マチン新監督が最初に守るべきもの C大阪の3位を支えた「得点経路の多さ」

名古屋グランパス戦で6得点、FC東京との順位決定戦では2試合合計5得点。セレッソ大阪が明治安田J1百年構想リーグを3位で終えられた最大の強みは、特定のエースだけに頼らず、奪った直後の速攻、サイド攻撃、途中出場選手の仕事を得点へつなげたことだった。

パブロ・マチン新監督が最初に守るべきものは、フォーメーションそのものではない。複数の選手がペナルティーエリアへ入り、異なる経路からゴールを奪える状態だ。

  • C大阪は百年構想リーグの最終順位で3位
  • 5月17日の名古屋戦は6-1、6月6日のFC東京戦は3-1で勝利
  • 2026/27シーズンは8月8日、ホームのファジアーノ岡山戦で開幕
  • 新監督の最初の評価軸は、攻撃の形を変えても得点参加者を減らさないこと
目次

3位で終えたチームが監督交代を選んだ

今回の交代は、低迷したチームを一から作り直す人事ではない。 C大阪は百年構想リーグで全20クラブ中3位。アーサー・パパス前監督は退任時、攻撃的なサッカーと若手の成長を自身の残した土台として挙げた。

クラブは7月3日、パパス監督の退任とパブロ・マチン氏の就任を相次いで発表した。マチン監督はCDヌマンシア、ジローナFC、セビージャFCなどを率いた経歴を持ち、現在はクラブ公式サイトのトップチームスタッフにも監督として掲載されている。

ここで新監督に求められるのは、過去の実績をそのまま持ち込むことではない。短い準備期間で選手の役割を整理しつつ、前体制の終盤に機能した攻撃を壊さないことだ。

ここがポイント: C大阪の出発点は「新監督が何を足すか」だけではない。「3位になった攻撃の何を残すか」が先に問われる。

名古屋戦の6得点が示した攻撃の芯

C大阪の強みが最も鮮明に表れたのは、5月17日の名古屋戦だった。 6-1というスコア以上に重要なのは、得点までの道筋が一つではなかったことだ。

奪ってから前へ出る人数が多かった

12分、柴山昌也のパスを受けた田中駿汰が先制。22分には柴山のパスカットを起点に、石渡ネルソン、中島元彦とつなぎ、横山夢樹が決めた。

54分の4点目も速かった。ディオン・クールズのパスから石渡が右サイドを抜け、チアゴ・アンドラーデが相手から離れる動きで仕留めている。

共通していたのは、ボールを奪った選手だけが前を見るのではなく、周囲もすぐに走り出していたことだ。横へのパスを重ねて相手の帰陣を待たず、前進とペナルティーエリアへの侵入を同時に進めた。

先発だけで試合を完結させなかった

87分と89分には、途中出場の櫻川ソロモンが連続得点を挙げた。試合の大勢が決まった後も、交代選手が前線で役割を果たしている。

この試合の得点者は次の通りだった。

  • 田中駿汰:先制点
  • 横山夢樹:2得点
  • チアゴ・アンドラーデ:1得点
  • 櫻川ソロモン:途中出場から2得点

C大阪は15本のシュートで6得点。名古屋も12本を放っており、一方的にボールを保持し続けた試合ではない。相手が攻める時間をしのぎ、流れを取り戻した場面で前向きなプレーを増やしたことが、大差につながった。

FC東京との第2戦は「再現性」を示した

名古屋戦の大勝を一度きりにしなかったことが、C大阪の3位に直結した。 6月6日のプレーオフラウンド3-4位決定戦第2戦では、FC東京を3-1で下した。

第1戦は2-2。C大阪は二度先行されながら、柴山昌也と登里享平の得点で追いついた。続く第2戦では10分に先制し、35分と43分に櫻川が加点。前半だけで3点を奪い、2試合合計5-3で3位を決めた。

この一戦の意味は大きい。第1戦に先発した横山夢樹と石渡ネルソンがU-21日本代表の欧州遠征で不在だったからだ。名古屋戦で攻撃に深く関わった2人を欠きながら、別の選手が得点を担った。

つまり、終盤のC大阪は「好調な11人」だけで勝ったのではない。

  • サイドから背後を取り、クロスへつなげる
  • 中央でボールを奪い、相手が整う前に前進する
  • 先発が変わっても複数人がゴール前へ入る
  • 途中出場のFWが試合を決める

こうした原則が複数の組み合わせで機能した。これが新体制へ渡された最も価値のある資産である。

マチン監督が整理すべき3つの役割

新体制の成否は、選手名より先に役割を固定できるかで決まる。 開幕までに見るべきポイントは三つある。

1. ボールを奪った直後の出口

名古屋戦では、柴山のパスカットから石渡、中島、横山へとボールが進んだ。誰が奪い、誰が最初の縦パスを受け、誰が最後にゴール前へ入るのか。この連係を配置変更後も残せるかが重要になる。

2. サイドから攻めるときのゴール前

サイドを深く取るだけでは得点にならない。クロスに対してニアで相手を引きつける選手、ファーへ入る選手、こぼれ球を回収する選手が必要だ。

名古屋戦の3点目では中島がニアでつぶれ、横山がファーで決めた。4点目ではチアゴ・アンドラーデが相手から離れてフィニッシュした。マチン監督がサイドの立ち位置を変える場合も、このゴール前の人数と動きは維持したい。

3. 櫻川ソロモンをどう生かすか

櫻川は名古屋戦で途中出場から2得点し、FC東京との第2戦でも前半に2得点を挙げた。終盤の重要試合で結果を残したFWを、先発の軸にするのか、試合展開を変える切り札にするのか。ここは開幕時の大きな注目点になる。

役割が違えば、周囲に求められる動きも変わる。櫻川へ早くボールを入れるなら、近くでセカンドボールを拾う選手が必要になる。ゴール前で勝負させるなら、サイドから質の高い供給を増やさなければならない。

8月8日の岡山戦で確認したいこと

最初の答えは、8月8日19時開始のファジアーノ岡山戦で示される。 会場はYANMAR HANASAKA STADIUM。2026/27明治安田J1リーグの第1節であり、マチン体制初のリーグ戦となる。

開幕戦では、システム名より次の場面を見たい。

  • ボールを奪った瞬間、前方に何人が走り出すか
  • サイドからのボールに、ゴール前へ何人が入るか
  • 櫻川を含むFW陣へ、どの位置からボールを届けるか
  • 先発交代後も攻撃の速度と人数を保てるか

監督交代によって守備の基準や配置が変わる可能性はある。それでも、得点者と得点経路の多さまで失えば、3位の土台を自ら手放すことになる。

マチン監督の初仕事は、C大阪を別のチームに見せることではない。名古屋戦とFC東京戦で見えた「誰が出ても前へ出る攻撃」を、90分を通して再現できる形に整えることだ。 岡山戦では、新しい並びよりも、ゴール前へ入る人数をまず数えたい。

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